Yasuharu Nagura

1989年生まれ 音楽家 Official https://yasuharunagura.com

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    『長崎旅行についての散文』(2022)

    詩佐世保市 #1 長崎のことを考えていた。 1991年に発見された火星の石を見たのよ。 それをふと思い出したんだ。 君たちの興味のある話と違うかもしれない。 でもとにかくそのことを思い出したんだ。 君たち、長崎のことはどう思うんだ? 先日長崎に行きましたよ。 ええとあれは年の瀬の水曜か木曜だったかな。 何をするっていうわけでなくてね。年に一度か二度九州に行くんです。 港町に行って、海鳥を見るんですよ。 ただそれだけです。 海の鳥は魚をとって食べるけど、

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      • 詩 「家族の肖像」(2022)

        ある日、父さんが会社をサボってパチンコへ行ったとき、母さんは家で内職をしていた。ミシンでカバンを縫う仕事を母さんはしていた。セサミストリートのカバンを縫う仕事。その日、父さんの職場の上司から家に電話がかかってきた。 「家に旦那さんはいますか?」とその上司が尋ねたとき、母さんは居ないよ、と答えた。母さんは〈おかしいな〉と思い、近所のパチンコ店へ父さんを探しに行った。 父さんは其処でパチンコを打っていた。 母さんは父さんを見つけて、父さんの隣の席に座った。そして父さんのパチ

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        • 詩 「郡上温泉」(2022)

              雨霽(は)れた日にひっそりと  サウナの中で立ち上がり  じっと坐って腕を組む  白い煙が颺(あが)ってく    ぬれ手拭いを脇に置き  キョロリキョロリと見廻して  首を湯船に引っこめる     酒飲まぬのに赤い顔     小さく円い美しい  きれいなあわを眺めてる  うすぼんやりと思い出す  柳ゆらめく露天風呂    ある少年が言葉なく  親爺と共に湯につかる  息子の髪は濡れ光り  莞爾々々(にこにこ)顔を浮かべてる  写真『Gujo June 27, 201

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          • 詩 「五月の茶臼山」(2022)

            茶臼山を登っているとき、 わたしの登山靴は白い足跡を残してゆく、 山の頂上にしづかな展望台がある、 そこでわたしは写真を撮っていた。 眼をみぎてとおい山の方を眺めると、 ちっぽけな芝桜がひらひらと風にひるがえっているように思われた。 空には風が流れている。 わたしは三角点を眼に焼きつけてから、 どこというあてもなしに、 ぼうぼうとした山を下山していた。 わたしはときどき、すべての人々から逃れて孤独になりたい。 そしてわたしの心は、自然を愛することによって慰められる。 わたし

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            詩「女の願い事」(2022)

            いま鳥羽一番街の小さな神社の前を通行する。 其処に若い女が一人願い事をしていた。 私は立ち止まり、その女を見て居た。 そのひとの瞳孔にうつる影なき深い想いを。 それから私の気分は変わって来た。 爽やかな気分が胸を往来し始めた、 それは純粋でそして透明ないいフィーリング。 この感情をはっきりと言葉にする事は出来なかった。 女性のやさしい匂いを感ずる。 兎に角、その女の願い事を訊きたいと云う欲望ははっきりとしていた。 若し訊くことができると考えると、それからは空想になって了

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            写真 富山県射水市 (2022)

            目を閉じるたびに、射水市の港のことがよぎるんだな。そして波。 僕はポルトガル語で「NAVIO(船)」という文字を眺める、 そしてもう一度辞書を引く。 メモを取りながら、橋という言葉が「PONTE」であることを 自分が知らないと気づく。 そんなことこれまで調べたこともなかった。 僕は少し考えてから、仕事へ出かけた。 写真『Photography in Imizu City, Toyama, Japan』(2022) より

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            写真 富山県 富岩運河 (2022)

            カメラは旧式のデジタルカメラだった。 小さくて、黒い。 僕はそれにフェルトのストラップを首にかけて、 胸にしっかりと固定していた。 僕は富岩運河環水公園の天門橋に立ち、 船をファインダーに収め、片手でシャッターを押す。 そして写真を確認する。 僕は窓からずっとそれを眺めていたのだ。 どうです? 気に入ってくれました? 自分ではよく撮れたと思っているんですよ。 でもね、まあ正直なところを言えば、風景写真を撮るのって、 そんなに難しいことじゃありません。

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            写真 富山県 富山湾 (2022)

            8月17日の朝のことだ。僕が富山湾に着いたとき、雨が降っていた。 僕は片手でぎゅっと傘を強くつかんでいた。でも僕は雨の日の撮影を愛している。 それくらいは言ったっていいでしょう。 雨晴(あまはらし)っていう道の駅がある。 あなたたちはまだそこに行ったことがないでしょ? いかにも道の駅って感じ。そんなのじゃない。 店の外にテラスがあって、そこから富山湾が見える。 そこでぶらぶら眺めて、好きなだけ写真が撮れる。 『道の駅 雨晴』は好きだね。 もし人生をやり直

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            写真 愛知県瀬戸市 (2022)

              動画を撮ったり、写真を撮ったりすることは、もともと生産的なことではない。しかし、いつの間にかどこかで商業主義の波が来ている気がする。せめて、楽しみで写す写真や、楽しみで撮る動画ぐらいはいっさいの損得なしで撮りたいものである。  そして自分の目で見えるものを、もう一度カメラのレンズから見ようとするのは、恐らく、見たものをもう一度見たいからである。それは素朴な好奇心によっているのだろう。あるいは、自分の目で見たものと別のものを、写真で見られるかもしれないという淡い期待を

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            旅動画 愛知県瀬戸市 (2022)

            撮影内容   ①新瀬戸駅 ②ローカル電車 ③瀬戸川 ④銀座通り商店街 ⑤深川神社前参道 ⑥深川神社鳥居 ⑦深川神社 ⑧瀬戸市新世紀工芸館 ⑨セルフ・ポートレイト 2022年10月16日(日)に愛知県瀬戸市を訪れました。

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            英詩 ニューヨークの俳句コンテスト(2022)

            テーマ:初夏 2022年 応募作品 ① When the wind chime rang   On the porch, he was hanging   A new bamboo blind 意訳:風鈴が鳴ったとき、    縁側で、新しいすだれを掛けていた ② Reeds, thatch, and bulrush   And rusty water fills them   Certain places were bright 意訳:葦(あし)と茅(か

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            業務報告 2022年8月1日- 10月10日

             すべての仕事はクリエイティブだ。  たとえ僕の仕事であれ、あなたの仕事であれ。 文学 添削指導 ・詩 2名 ・作文 1名 ・読書感想文 3名 ・生活作文 4名 レコーディング・CD制作 ・絵本の朗読 3名 [マイク:BOYA (全指向性)]  音楽 ・ドラム指導 1名 映画 ・映画祭の会場設営・受付                                   など  p.s. 写真「避暑地の向日葵」2022年8月24日撮影      

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            短編小説 : かつて僕は机の前に座って

                                        作 名倉 康晴  満月に四日分足りない月の夜、僕は手書きのメモ用にB 5のノートを事務所のデスクに置いていた。僕は新しい鮮やかな水色のノートに持ち手が緑色のシャープペンシルで文章を書いていた。そこに書かれていることは一語たりとも思い出したくはない。そこには中学生時分にある同級生に殴られた出来事による心の傷が書き記されている。疑いの余地もなく、僕の中でまだ憎しみと怒りが膨らんでいた。そしてある種の殺人によって欲求不満を解

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            旅動画 富山県 日本 (2022)

            撮影内容   ①黒部峡谷 ②祖母谷温泉 ③弥陀ヶ原・大日平 ④みくりが池 ⑤立山 ⑥室堂 ⑦射水市 2022年8月15日(月)〜 8月17日(水)に富山県を訪れました。

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            『環境問題について、私のできること』(2022)

             逼迫している地球温暖化等でeco-awareness(環境についての意識)が高まってきていながら、100年に一度の災害は毎年のように発生しています。  石油・石炭などの化石燃料の燃焼により、世界各地でacid rain(酸性雨)による森林の立ち枯れが報告されたり、自動車・他輸送機等の排気ガスに含まれる二酸化炭素が地球を覆い、外に太陽の熱を逃がさないため、地球が温室のように温暖化する現象green house effect(温室効果)が生じています。温室効果ガスは水蒸気の他

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            写真 日本の桜 (2022)

            神社の桜を、私は、雨の日に静かに眺めていたと思う。 特には何もせずに。 ダンボールは捨てた。 だから近所の人たちも、私を捕まえることはできない。 また駐車場のブロックが壊れたよ、と私に告げた。 とにかくもう勘弁してくれ。 駐車場のブロックがまた壊れた事故の話なんか、聞きたくない。 私が求めているのは、一刻でも長くここで穏やかに桜を見られること。 次の日の午後、近所の子供が私のイースターの卵を失くした。 そしてその卵はまだ見つかっていない。 子供たちは、なに

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