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ドイツ文学翻訳記事まとめ

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主に現代詩の翻訳。
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#解説

アダム・ザガエフスキー「サンビル」翻訳+解説

前回に引き続きアダム・ザガエフスキーの詩を紹介しよう。今回取り扱う詩は「サンビル」という…

山下泰春
2年前

アダム・ザガエフスキー「傷ついた世界を賛美せよ」翻訳+解説

今回紹介するアダム・ザガエフスキーという人物は、1945年生まれのポーランドの詩人、小説家…

山下泰春
2年前
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アンネマリー・ツォルナック「二つの夏」翻訳+解説

二つの夏(zwei sommer) ぼくは 家のいりぐちで 根っこで つっかかる 太陽はやわらかく ぼ…

山下泰春
2年前
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インゲボルク・バッハマン「デリカテッセン(調理済食品)ではない」翻訳+解説

デリカテッセン(調理済食品)ではない もはや何も気に入らない。 私はアーモンドの花で メ…

山下泰春
2年前
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H・M・エンツェンスベルガー「世界の謎」翻訳+解説

世界の不思議(Welträstel)隠れた数字、熱意、口論― それは必要なのだろうか? どうして h …

山下泰春
2年前
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グレゴール・ラッシェン「自然詩 7」解説+紹介

Gregor Laschen Naturgedicht 7 数世紀 以前に書き写され 書き上げられた六つの別々の森、 ご…

山下泰春
3年前
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H・M・エンツェンスベルガー「詩学講義」翻訳+解説

詩学講義 水曜日になるとこの爆音がして、 バンバン鳴る板金が悪臭を放ち、 バケットがゴミ輸送タンクに衝突して、 ドン! という音を立てて零れ落ちた ものを全て食べて塵にしてしまう! それが 戻ってきたときのこの感動! この羨望! この感謝! この虚しさ! 喜びと満足! それから自分のテーブルを、自分の手を見てみると、 もはや灰はないし、ジャガイモの皮も残っていない。 より良い世界を、十分間だけ。 そんな有益な、ゴミ収集者のように 容赦なく親切な存在に私もなりたい。