H・M・エンツェンスベルガー「詩学講義」翻訳+解説
詩学講義
水曜日になるとこの爆音がして、
バンバン鳴る板金が悪臭を放ち、
バケットがゴミ輸送タンクに衝突して、
ドン! という音を立てて零れ落ちた
ものを全て食べて塵にしてしまう! それが
戻ってきたときのこの感動! この羨望!
この感謝! この虚しさ! 喜びと満足!
それから自分のテーブルを、自分の手を見てみると、
もはや灰はないし、ジャガイモの皮も残っていない。
より良い世界を、十分間だけ。
そんな有益な、ゴミ収集者のように
容赦なく親切な存在に私もなりたい。