【長文日記⑨】初体験・・ 運転見合わせの新幹線車内にて ~11/24~
2023年11月24日。人生で初めて経験する出来事が起きました。
新幹線の運転見合わせに遭ったのです。
初めて聞いたアナウンス
大阪から名古屋に帰ろうとしていた時です。時刻は20時40分頃でした。
左手にある窓から赤くライトアップされた清洲城を見て、車内に名古屋駅到着を告げるアナウンスも流れました。
リクライニングを戻し、荷物を持って通路に立っていると、電車がゆっくりと駅のない場所で停車しました。
「ただいま信号待ちをしています」
車掌さんのアナウンスが流れ、何も感じる事なくボーッと待っていましたが、一向に動き出す気配がありません。
3分ほど経過した頃、さすがに違和感を感じて辺りをキョロキョロすると、同じく名古屋駅で降りる人たちも通路で立ちながら若干困惑している様子でした。
そして、ここで人生初めてのアナウンスを聞くことになりました。
「豊橋駅で不審物が確認されたため、東海道新幹線はただいまから運転を見合わせます。警察の立ち入り検査が行われるため、かなりの時間を要する見込みです。通路でお立ちのお客様は、座席にお戻りください。」
普段、電車をよく利用するわけではないため、初めて運転見合わせに遭遇しました。
不審物、警察、かなりの時間を要する・・・
私が乗っている電車で起きた異変ではありませんが、見通しが立たない状況と物騒な事件が起きたのかという心配で、頭の中がパニックになりました。
座席に戻り、すぐにスマホで豊橋駅を検索しました。
すると、多数の警察官や消防、防護服のようなものを着た人たちが豊橋駅に集結している画像を見つけ、事の重大さを感じました。
とんでもない事件が起きた。そして、間接的ではあるけど、私も少し影響を受けている。
私と同じように、乗っている新幹線が止まったとSNSに投稿している人がいて、不安がどんどん大きくなっていきます。
過去のトラウマ
学生時代、朝の満員電車に乗る1人として通学していた頃のトラウマを思い出しました。
6月下旬、車内は蒸し風呂のような状態で、知らないサラリーマンと肩をぶつけながら立っていた時のこと。
私が乗る電車で急病人が発生し、電車が駅のない場所で15分ほど停車しました。
誰が悪いわけでもないですが、ただえさえキツくて解放されたい状況の中、いつ動くか分からない地獄のような時を経験し、それ以降電車に乗ることが怖い時期がありました。
気分が悪くなるような暑さに、逃げ場のない空間に閉じ込められていると考えたことがいけなかったと反省していますが、今もたまに満員電車に乗ると動悸がしてくる時があります。
学生時代に経験したことは急病人ですが、今回の運転見合わせも先が見通せない中、逃げ場のない空間に閉じ込められたと感じ、息苦しくなってきました。
状況が進展せず・・・
5分ごとくらいに、車掌さんが最新の情報をアナウンスしてくれましたが、時間を要すると言っていたため、中々状況は進展せず。
ただただ、座席でジッとしているしかありませんでした。
窓の外に映る景色を見ては、スマホで豊橋駅の最新情報を検索する。
手に大量の汗をかき、恐怖からか体が時折ブルルッと震えながら、30分ほどが経過しました。
この時、冷静に考えればあり得ない事かもしれませんが、私の脳内には様々な最悪の事態が駆け巡りました。
最悪の事態を想定
1つ目は、車中泊。
このまま電車は動くことなく、この日はここで運転終了という事態を想像しました。
今、私が持っている飲食物は、お土産用に購入した数点のお菓子と、飲みかけのお茶1本だけ。
これで1夜を過ごすのかと、8割は覚悟を固めました。
2つ目は、線路を歩くこと。
外の景色を見る限り、本当に名古屋駅まで残りわずかという地点で電車が停車していました。
11月の寒空の中、皆で電車を降り、名古屋駅まで歩くという事態を想像しました。
線路というと、石がたくさん敷き詰められているイメージで、暗くて怪我しそうだな、体力が持つかなと心配になりました。
座席で太ももをもみほぐし、歩ける態勢も一応整えていました。
3つ目の最悪の事態を想定しようかという時、アナウンスが流れました。
お客さんの見習うべき姿と心得
「安全の確認がとれましたので、ただいまより電車が動きます」
良かったぁと心から感じた瞬間でした。結果、40分ほど遅れました。
安堵感に包まれ、不安と恐怖からも一気に解放された瞬間でもありました。
ゆっくりと電車が動き始め、5分も経たないうちに名古屋駅に到着しました。
ホームに降り立った瞬間、疲労が一気に押し寄せ、今すぐ眠ってしまいたいほどヘトヘトでした。
知り合いに状況を報告すると、「貴重な体験だね」と言われましたが、車内で運転再開を待つ間、とてもそのような気持ちにはなれませんでした。
ただ、改札を抜けた後、私は反省しました。
周囲のお客さんは、堂々とした態度で誰1人慌てることなく、運転再開の時を待っていました。
私も大人しく待っていましたが、内心はパニック状態でした。
心が未熟すぎて、あと2時間運転見合わせしていたら、気持ちに限界が来ていたかもしれません。
何事も慌てず、堂々と対応できる心を身につけなければと感じました。
結果的に、不審物は駅弁だったようですね。大きな事件になることなく、本当に良かったです。
再びこの出来事を経験したいとは1ミリも思いませんが、日々の生活の安全と安心の大切さを再認識し、自分の心の弱さを反省した1日となりました。
心を強く持って生きる術をお持ちの方、その秘訣を教えてください。
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