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乗り遅れ

随分間が空いてしまった。仕事がひと段落して夏休みをダラダラ過ごしてしまい、その間に書けばよいのに筆が進まず、今になってタイプし始めるのもどうかと思うが仕方ない。

今回はまたコロナネタなのだが、オリンピックも終わったし、パラリンピックはこれからだが、そろそろ日常生活に戻りませんか?でないとまた世の中から乗り遅れますよという話。

またも緊急事態宣言を延長するというニュースが流れ、まぁ日本の皆さん的には、ああまた日常事態宣言ですねという感じだろう。緊急事態宣言の地域が拡大しても人出は増えも減りもせず、飲食店は4割がた20時以降も営業しているとのこと。コロナ敗戦、ワクチン敗戦などとコロナ対策のお粗末さについては太平洋戦争の敗北になぞらえる向きもあったが、政府や自治体の益体もない「お願い」を馬耳東風として聞き流しても何らお咎めもないのは大変良いことである。
戦時中ならこうはいかなかっただろう。特高警察に襟首捕まえられて投獄されるのがオチだったろうから、改めて日本は平和な社会になったのだとしみじみ思う。

で話は戻り、イギリスで証明済みの様に、デルタ株の前ではロックダウンしてもしなくても関係ない。ボリス・ジョンソン首相は7月19日の感染者高止まりのさなかに規制緩和、日常事態宣言!を行ったが、結局新規感染者は減少して現時点では3万人前後/日で安定推移している。因みに直近のピークは7月15日の約6万人で、マスクもせずに6万人も収容したEuro2020の決勝戦が原因という話もあったが、ボリス的には感染しようがどうしようが医療崩壊しなければ良いという割り切りがあったのだろう。
現時点での入院患者数は5-6千人で推移しており(新規入院患者数は約800人/日なので平均1週間位で退院している計算になる)、死者数はバラツキあるが100人超える日は少なく30-100人ぐらいである。

人口はイギリス6,700万人、日本は1億2,600万人位なので、人数を揃えるとまぁ2倍弱位と思ってもらえば良い。なので新規感染者数は5-6万人/日、入院患者数は10,000人位というイメージで、日本はこないだ2万人突破したと言って大騒ぎされ、入院患者数は1.8万人である。
新規感染者数に対して日本の入院者数が多いのは、①ワクチン接種率が低い、②相対的に軽症でも入院している、が考えられるが待機患者が多いという報道が正しければ②の可能性は低く、①がメインの理由だろう。

となると入院対策ではワクチン接種がカギとなるのだが、ここで間違えてはいけないのは感染者数とワクチン接種には直接的な関係は無いということだ。
イギリスで7月15日以降に感染者数が減ったのはワクチン接種が加速したからではない。勿論接種は行ってるので累計接種者数は増加しているのだが、1日あたり接種のピークは4-5月で、6月中旬以降はピーク時の半分の接種数(約16万人/日)で安定的に推移している。一方で上記のとおり7月19日以降はマスク規制もなくなるなど、飲食・集会何でも自由になっており、パブもレストランも連日大賑わいである。
にもかかわらず新規感染者数が半減し、といって3万人位からは減ってないという事実から判明するのは、①行動制限・ワクチン接種数と感染者数は直接リンクしない、②ワクチンは重症化を防ぐ効果は充分で新規感染者数を指標に施策を考えることは意味が無い、である。

個人的には菅首相も河野大臣も好きになれないが、ワクチン接種自体は多くの問題があるとはいえ、比較的頑張っている分野だと思う。
問題はやはり医療施策に尽きる。以前も書いたが、この分野の政府・厚労省の怠慢ぶりは目に余る。
今頃になって「実は医療界特に開業医が怠慢なんじゃね?」と指摘する声が出始めているが、要は政府与党は大票田の医療業界の機嫌を損ねたくはなく、厚労省はその虎の尾を踏みたくない一心で見て見ぬふりを続けてきたということだ。

なんだか散漫な記述になってきたので、まとめてしまえば、当面日本行政がなすべきはワクチン接種を引き続き全力で進め、新規感染者数ではなく入院患者数を指標とし、開業医はじめ怠慢な医者を飴と鞭で動員して病床数を確保すること、そしてとっとと意味のない緊急事態宣言を終わりにすることである。

本当にそろそろ仕事に戻らないと生活できなくなるよ。何かというと補助を出せという声もあるが、世界最悪の財政赤字国家なのに大盤振る舞いなどできようはずもない。さっさと働いて稼がないとどうしようもない。
夏のボーナスも昨年より下がってるし、何より先行き見通しがつかないので、個人消費が回復するはずもなく、遊べないお金持ちの気晴らしモノ消費だけでは支えられない状態に陥るのはすぐそこだ。

余所の国はとっくに動いてまっせ、、、

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