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「問題ない」が、問題なのだという話

先日、会社の企画職のリーダーから、ヒアリングしたいので急遽、エンジニアの人とMTGをしたいと相談があった。僕と、先輩エンジニア1名が、そのMTGに参加した。MTGの内容は、新たに入ったメンバーが企画の仕事を、しっかりできているかエンジニアの人たちの目線から教えて欲しいというものだった。なるほど、たしかに、新たに入ってきた企画職の方は、エンジニアに依頼しているシステムの仕様を、しっかりと理解できているのか、少し怪しい気がしていた。僕と先輩エンジニアで思うことを、色々と、リーダーの方に伝えた。リーダーの方は、僕らの指摘を聞くと、ため息混じりに、「1on1で本人と話をする機会があるから、困っていることがないか聞くのだけど、本人曰く、問題ないと言うので、ちゃんと仕事できていると思っていたんだけどなぁ」とのこと。

いやいや。「何か問題ない?」と聞かれた時に、「問題ありません」と答えるのが一番問題なのではないだろうか?

基本的に、新しく入ったきた人が問題ないと言うことは、100%ないだろう。慣れない環境にいるのだから、基本的に何かしらの違和感を感じるものだろう。問題ないと答えられたときに、考えられる問題としては、以下のようになるだろう。
1. そもそも、問題を把握できていない可能性
2. 問題を伝えて、心配をかけたくない。面倒な話にしたくない。

問題ない問題の大半の理由は2になると思う。僕も、今の上長に「何か、問題ない?」と聞かれた時には、「問題ありません」と答える。それは、2の理由でだ。今の上長は、言葉に棘がある人で、ちょっとしたことで質問すると、「自分で調べてくれ」と言ったり、一度注意されたミスを繰り返すと、「これ前に言ったと思うんですが」という前置きを入れてきたりして、とにかく嫌味たらしいというか、何かを発言したり、行動したりしたりする気を削ぐような言動をする。だから、「何か問題ない?」と聞かれて、例えば僕が素直に、「いや、今のチームは質問などしにくいです」と言ったところで、解決されないし、何なら嫌なことを言われたり、面倒な話になったりするのではないかという不安があるので、そんなリスクを背負うならば、何も問題ないと伝えて、切り抜けようと思ってしまうのだ。何なら、入社して2、3ヶ月経ったタイミングで、「前の職場と比べて、どうですか?」と聞かれた時に、「チームの雑談が少ないですね」と言ったら、「雑談好きなら、自由にしていいですよ」的なことを言われたことがあって、その時に、なるほど、この人は僕が問題だと思ったことを伝えても、何かしてくれる人ではないのだと悟ってしまった。だから、もし雑談をしたいのであれば、上長に相談するのではなく、自ら行動を起こして変えていかなくてはならないのか、ハードル高すぎ・・・と思って、それ以来、何も上長に言わないようになった。

逆に、前職の上長の時は、「最近、問題あった?」と聞かれたら、「あの人が、仕事の振り方が雑なんですよ!」とか、「もっとこういう仕事がしたいんですよ!」とか、何でも話すことができた。それは、その上長の人が、僕の言うことを、ちゃんと受け止めて、しかるべき行動を起こしてくれたり、僕が辛い思いをしないように守ってくれていたからなのだと、今になって思い知らされた。本当に、人って失ってから気づくものだなあ。なかなか、そんな上長に恵まれることは難しいのだよ。当時の僕に、声を掛けられるのなら、ちゃんと上司孝行するんだよと、伝えたいものだ。

もし、あなたが部下を持っていて、問題ない?と部下に問いかけた時に、「問題ありません」と返ってくるなら、それは部下から信頼されていないという問題が浮き彫りになるだろう。僕が将来、「問題ない?」と聞く立場になった時、「Aさん、口臭いので、どうにかしてください」とか、「僕は、もっと、のんびり仕事したいです」と言われたとしても、否定せず、彼らの問題を、解決する姿勢だけは見せられるようにしたいものだ。

ムムム。