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「世界を見れば夢への道が切り開かれる」東京オリンピックエクアドル代表メディカルトレーナー理学療法士/山田将希インタビュー

こんにちは!
理学療法士 安田です。

様々な活動をされているセラピストの方から
どんな経験をしてきたのか、
これまでに培ってきた価値観や
仕事に対する想いをインタビューしています。

今回は、高江洲良子さんよりご紹介いただきました
東京オリンピックエクアドル代表メディカルトレーナー
理学療法士 山田将希さんにお話を伺いました!

※本記事は5分〜7分で読めます。
※インタビュー動画は記事の最後にあります。

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山田さんは、2020東京オリンピック・
パラリンピック共に
エクアドル代表メディカルトレーナーとして参加。

JICA海外協力隊として2年間エクアドルに在住し、
途上国の医療を支えてきた。

山田さんがオリンピックを目指したのは28歳、
2016年リオオリンピックが開催された年。

何度もスポーツトレーナーとして
活動することを断念してきたが
諦められなかった夢。

理学療法士が世界のスポーツ業界へ飛び出し、
オリンピック帯同に至った経験から得たものとは。

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スポーツの世界は狭き門
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スポーツがきっかけで理学療法士を目指した。

理学療法士なら病院で働きながら、
スポーツにも関われるだろうと思っていた。

しかし実際はスポーツ関係に携わり、
仕事ができている人は少ない。

学生時代も成績がいい方ではなく、
社会人になってからも優秀な方ではなかったため、
スポーツの道は諦めていた。

東京オリンピックも含めて、
代表のトレーナーになるってことは
ズバ抜けて知識、技術が高いとか、
経験がすごいある人がいけるもんだと思っていたため、
自分には関係ないことだと思っていた。

しかし、社会人4年目のときにスポーツの世界を
もう一度目指したいと決意する出来事が起きた。

社会人バスケットをしていたときに、
前十字靭帯と半月板損傷を受傷。

自分自身がスポーツ整形病院でリハビリを受けることに。
就職していた病院では高齢者を対象とし、
時間が40分あっても思うように積極的なリハビリを
できないこともあった。

しかし自分が受けたスポーツリハビリは、
時間が限られていても密度の濃いリハビリをし
生活以上の機能を獲得を目指す。

スポーツリハビリへの興味が再燃し、
たまたま知り合いのスポーツ整形クリニックで
求人募集をしたタイミングもあり、
臨床4年目で行くのは早いかと悩んだものの、
こんなチャンスはなかなかないと思い、
5年目からスポーツ整形で働くことになった。

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オリンピックを目指して海外へ!
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2016年にリオオリンピックがあり、
働いていたスポーツ整形の先輩が
理学療法士のトレーナーとしてオリパラに帯同。

先輩の講演で聞いたことがとても印象的だった。

「知識・技術はもちろんのこと、
オリンピックという世界は、
世界のトップクラスの選手たちが
集まる場所だけど、
それ以外にも
選手村とか会場でしか
見れないことがあるから
ぜひ見てきてほしい。」

と話されていて、
トップを極めてきた先輩がみる世界は
どんなところなんだろうと思った。

その講演をきっかけに
自分もオリンピックに行こうと決意。

リオオリンピックの時、
日本で関わりたいなと思っていたため、
1年くらいはパラリンピック選手含めて、
北海道から鹿児島県まで
選手がいるイベントとかに参加して
色々話を聞いていた。

しかし、日本人においては
リオオリンピックが終わったときにはすでに
どの選手に誰が帯同するのかがほとんど決まっていた。

その時点で4年目で実績のない自分には
日本で選ばれることは無理だとわかったため、
すぐに違う方法を探した。

そして、海外へ目を向けた時、
夢への道が開いた。

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必要とされる場所で活躍しよう
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エクアドルに行く前に、
友人の理学療法士が東南アジアで
青年海外協力隊として働いているところを
見させていただいた。

ベトナムとマレーシアに行ったが、
考え方も、医療の質も全然違くて、
言葉が通じない僕でも、
こういう時どうしたらいいの?とか
相談をすごく受けたのは印象的だった。

言語が通じなくても
必要としてくれる人がいる。


エクアドルも同じように、
発展途上国ではトレーナーを
必要としている人がたくさんいる。

日本で誰が一番とか争うよりかは、
必要とされる場所で
必要としている人たちのところに
自分が行ったらいいんじゃないかと思い、
海外に行くことを決めた。

海外のイメージは治安が悪かったり、
日本食が少なかったり、言葉も違うし、
最初は行きたくないなと正直思っていた。

しかし、実際に行ってみると
なんだかんだ食事も食べれていたし、
言葉も慣れてきたらできることも増える。

何より東京オリンピックにいくという
期限付きの目標に対して、
達成するためにはここしかないと思った。

ワクワクする気持ちももちろんあったが、
不安の方が大きかった。

メンターである先輩、
国宝さん(インタビュー記事参照)に相談した時に、
言われた言葉が夢の実現に1歩近づくことに。

「自分の想いがあるなら、
100人に自分の想いを
伝えてみたらどうか。

色んな人に話すことで、
考えも広がるし、
応援してくれる人が
必ず出てくるから。」


オリンピックに行きたいと言い出した当初は、
「そんなことできるわけないやん」とか
否定的なことを言われることが多かった。

しかしSNSの発信や、実際に色んな人に
伝えていく中で応援してくれる人、
真摯に相談に乗ってくれる人が増えていった。

自分の夢だけではなく、
みんなの夢となり、
一緒に叶えようとできたことが
すごく嬉しかった。


海外に行ってからもすぐにオリンピック関係者や
トップクラスの選手と会うこともできずいた。

しかし後1年という期限が迫った時、
結果、オリンピックへ帯同できる切符を手に入れた。

実際にオリンピックにいけることが決まった時は、
嬉しかったがコロナ禍ということもあり、
本当に開催されるのかという不安もあった。

東京へ帰国し、
選手村で海外の選手が行っている姿を見て、
やっとここまできたんだな。と実感した。

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山田さんからメッセージ
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生きている間に
もう一度あるかどうかというのもあり、
何度も諦めてもやっぱりやりたい!と
思ったからやることができました。

今の時代、情報が溢れていて
何が自分に合っているのかを
選択しにくい一面もあります。

だから、とりあえずやってみたらいいと思う。
諦められる夢なのか、
諦められない夢なのか。

失敗しても誰もそんなに気にしないから大丈夫。
やらずに後悔するより、やった方がいい。

僕が夢を見つけたのは28歳。
スポーツを目指してたけど無理なのではないかと、
正直逃げていたところもあるかもしれない。

スポーツ整形に移る4.5年目の時は、
地元の友達は結婚して子供ができたり、
家を建てたり、理学療法士の仲間は
学会発表や認定理学療法士を取ったりしていたため、
自分は何もないなあと思っていました。

だけど、諦められない夢を見つけ、
応援してくれる仲間ができた。

ここまで自分がやってこれたのは
自分だけの力じゃない。

だからこそ、海外に行きたいとか、
スポーツに関わりたいという方々を
応援したいという想いから講演活動もしています。

自分自身がロールモデルとして、
継続的に頑張っている姿をみせて、
自分も頑張ろうと思われる人に
なっていけたらなと思っています。

人と関わる仕事なので、
一言でいうと人間性。


コミュニケーション能力は、
スポーツや高齢者と関わらず、
大切なことだと思います。

まずは、リアルで
色んな人に会いに行ってみると
いいかなと思います。

決して優秀なわけでも、
学生時代から夢があったわけでもない。

それでも狭き門を通り、夢を実現させた背景には、
地道な苦労と直向きに取り組んできた
プロセスがありました。

知識や技術、経験だけが
夢を叶えるものではない。

実際に体現された山田さんの言葉には
とても深く心に響くものがあります。

何か夢を持っていたのなら、
諦めていい夢なのか。

夢がなくても、
色んな人と会い、人間性を高めることで、
見えてくる世界が変わってくるでは
ないでしょうか。

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<山田将希>

◆山田将希公式HP
https://yamadamasaki.studio.site/

◆山田将希掲載記事
一般社団法人JapanSportsHub
https://js-hub.com/committer/yamadamasaki/
母校大阪医専卒業生会報誌
https://www.iko.ac.jp/cross/report/35025
山口新聞
https://yama.minato-yamaguchi.co.jp/e-yama/articles/34151
他、山田さんのInstagramをご覧ください。

◆山田将希Instagram
https://instagram.com/yamadaru7?utm_medium=copy_link

◆山田将希Facebook
https://www.facebook.com/masaki.yamada.96

◆山田将希Twitter
https://twitter.com/masakiyamada8





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