見出し画像

読者履歴#27_伸びる子どもには必要なことは早期教育ではない

<<前回投稿文 次の投稿文>
9月15日〜9月20日
文字数:約3,300

はじめに

子育てに関する本はたくさんあります。
どの本も読んでみたいと思いますが、数年前にたまたま手にしたのがこの本です。
久しぶりに読み返してみると、

子どもは育てるのでなく、育つ。とどこかで分かっていながら、「こうあってほしい」と思う育ち方の轍をいくつかも準備したくなるのは親の常

と気づきました。いわゆる親バカですね。

子どもにとって自分の想いや夢を詰め込むのではなく、子どもに諦めずに考える機会を作ったり、相手の気持ちを考える大切さを教えることが親にとって大切な姿勢です。

そして何より親が成長続けないといけないです。


第1章 頑張れない我慢できないー今の子ども時代に足りないもの

・傷つきやすい若者が増え、叱責、注意、アドバイスにも落ち込んだり反発したりする風潮が強まっている
・注意されたり叱られたりといった経験が乏しいため、それらに対する耐性が極端に乏しい
・先生の指示に従えば間違いないし、勝手に動いて叱られるのは嫌なので、失敗しないように先生のサポートに頼る傾向がある
言われたとおりにやれば上手くいくなら、あえて自分からチャレンジする必要もないと考える
これから先の読めない予測不可能な時代になっていくので、失敗を避けることはできないので、失敗への対処能力を高め、失敗から学ぶことが重要
子どもが失敗しないようにと親が先回りして指示やアドバイスをすることで、子どもの自発性が奪われ子どもが失敗しながら試行錯誤する経験が奪われたりする
背景には親が忙しくなっていることがある
両親がすべきことに追われて気持ちの余裕を失って、子どもに過剰に指示を与えがちになる
・分からない事を質問されても、ヒントを与えて考えさせるのではなく、すぐに答えを教えたりしてしまう

伸びる子どもは◯◯がすごい
ISBN978-4-532-26412-3
P18〜P53

第2章 早期教育に走る親たち

・早期教育が大切とメディアを通して喧伝されているが、子どもにとってもっと大切なことは挫折状況をなんとか耐え抜く精神力、苦手なことでもできる限り頑張ってみる意欲、できないことにくよくよせず気分転換してできることに全力を傾ける楽観性、好きなことに没頭する集中などである
大切なことは、知りたい、分かりたい、できるようになりたいと思う心
父親は子どもと心理的に距離を置いているため冷静に対応でき、一緒に遊んだりケンカを仲裁して仲間とのかかわりに必要な社会性を注入する
心理的発達度合いの高い子は、父親とよく遊ぶ傾向があり、情緒性、社会性、自発性が高いといった知見も得られている
かつて近所の子供たちの遊び集団が機能していた時代は、仲の良い子、そこまでの子も一緒になって遊んでいたため、さまざまな距離感での関わり方を日常的に経験して成長した
知的な早期教育に夢中になっていると、もしかしたら社会で生きていく上で重要な人とかかわる力が致命的に乏しくなっている、ということも起こりうる
自然はなかなかこちらの思い通りにならないところがあり、自然体験は思い通りにならない人生を生き抜くための忍耐強さや知恵を与えてくれる、さらに自然との触れ合いは感動する心や待つ心を育てるなどあらゆる発想の源となる

伸びる子どもは◯◯がすごい
ISBN978-4-532-26412-3
P56〜P91

第3章 幼児期の経験が将来の学歴や収入を決める

・ノーベル賞を受賞した経済学者のジェームス・ヘッグマンが人生のどの時点において教育に金をかけるのが効果的かを探る研究を行った
・幼児期の教育的介入により、IQは伸びたが8歳の時点ではほとんど差はなくなった
幼児期の教育の効果は一時的に見えるが40歳までモニターすると大人になってから人生における成功率が高いことが分かった
・ヘッグマンは幼児期において重要なのは認知能力(知的能力)でなく、非認知能力と結論づけた
非認知能力とは自分を動機付ける能力、長期的な視野で行動する能力、自分を信じる能力、他者を信頼する能力、自分の感情をコントロールする能力など
非認知能力の核となるのが「自己コントロール力」
・非認知能力の高さを調査すると親が「子どもに努力することの大切さを伝えている」「最後までやり抜くことの大切さを伝えている」などが影響していた
・IQが高くてもEQが高くないと社会で活躍できない

EQとは対自的能力と対他的能力に分けることができる
①対自的能力
+自分の感情や欲求に気付く能力
+自分の感情や欲求をコントロールする能力
+自分を鼓舞しやる気にさせる能力
+粘り強くものごとに取り組む能力
+ものごとを楽観的に受け止め前向きになる能力

②対他的能力
+人の気持ちに共感する能力
+人の立場や意向を想像する能力
+人の言いたいことを理解する能力
+人の気持ちを伝える能力
+人と気持ちを通い合わせる能力

ネガティブな心理にもポジティブなパワーがある
ポジティブな気分な時は気が大きくなってつい慎重さに欠ける判断をしやすいが、ネガティブな気分のときは慎重になり、その慎重さが周囲への注意を払ったり、相手をしっかり観察した判断となる
・不安のようなネガティブなものを排除しようとせず、不安を利用してより完璧な準備をして失敗を減らしたり、思い出すと嫌な気分になる失敗経験を忘れるのではなく教訓にして似たような失敗を二度と繰り返さないようにするというようなネガティブな心理を活かすような心構えを意識する事が大切
・ポジティブだけで決して良くないので、子どもをポジティブな気分にさせようとする子育てや教育が広まっていることに対してもっと疑問や警戒心を持つべき

伸びる子どもは◯◯がすごい
ISBN978-4-532-26412-3
P94〜P 142

第4章 子ども時代に非認知能力の基礎をつくっておく

子どもの非認知能力を高めるには、何よりも親が子どもとじっくりかかわることが重要
・いつも身近にいて守ってくれる親の存在を感じることで、子どもは落ち着いてものごとに取り組む事ができる
日常の親との何気ない会話が子どもの心に大事なものを刻み、忍耐強さ、やる気、粘り強さ、思いやりなど非認知能力の諸要素として身についていく
・子どもの自発性を高めるには、親が何でも先回りせず失敗してもいいから自分で考えてものごとに取り組むような環境が大切
・傷つけないように配慮しすぎることで、傷つきやすい子どもや若者が増えていく

ものごとに対するタフな受け止め方を養う方法は
1、小さな失敗や思い通りにならない状況を繰り返し経験し、失敗による感情的な落ち込みに慣れる
2、思うような結果が出なかったときに、自分はダメだと自分を責めたりせずに前向きな気持ちになれるように適切な声がけをする

能力(頭の良さ)でなく努力(頑張り)を誉めることで、また頑張ろうというモチベーションにすることができる
・幼い頃に遊びを通して友達とのやりとりを十分経験しておかないと、非認知能力の基礎が形成されず、友達とどう関わってよいか分からなくなる
子どもの非認知能力高める上で特に大切なことは親自身の非認知能力を高めること

伸びる子どもは◯◯がすごい
ISBN978-4-532-26412-3
P144〜P184

第5章 子ども時代の習慣形成でレジリエンスを高める

・何かを継続するには強い意志の力が必要
・欲望を我慢する力は子どもの頃の習慣によって培われる
いきなり30kgのバーベルを持ち上げて筋肉を痛めた人がいるからといって、筋トレは危険だからやってはいけないというように、無理のない範囲で荷重をかけて行くトレーニングをすれば良いだけの話
筋トレの例と同じく、心の負荷も小さな失敗や苦しい状況を繰り返し経験することで、失敗や苦境に対する免疫が高まり、多少のことでは傷つかないし、傷ついてもへこたれずに頑張る心が作られる

伸びる子どもは◯◯がすごい
ISBN978-4-532-26412-3
P186〜P222


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?