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PdMは組織も作る_#1_プロダクトリーダーシップを俯瞰する

いよいよEMPOWEREDの内容を読み進めていきます。
前回記載したようにこれまでPdM関連の本を何冊か読んでいますが、この本もきっとPdMを知るうえで、バイブルとなると信じています。

ちなみに、前回SNS×PRも学んでみましたが、結局「商品力=プロダクトの良さ」がないとPRしても意味がないということが分かりました。

良いプロダクトとは何か?
良いプロダクトはどうやって作るのか?

を理解することを目的に見ていきたいと思います。

文字数

参考図書


Part I:一流のテクノロジー企業から学んだこと

Part I:Prologue

・多くの企業でプロダクトチームに求められる仕事のやり方が許されていない
仕事のやり方に根本的な差がある事が分かった
①テクノロジーの役割
テクノロジーは中核事業の実現に不可欠な存在でなければならない
・にもかかわらず、多くの企業でやむを得ないコストと考えている
・テクノロジーチームが真の顧客から切り離され、ステークホルダーを顧客と考えてしまっている

②コーチング
・全くコーチングが行われていない

③人事
・人材不足の課題解決方法や、プロダクト担当者に求めるべき資質を勘違いしている

④プロダクトビジョン
・草生期にビジョンがあったのかもしれないが創業者が去り、色褪せている

⑤チームトポロジー
・チームの分け方に問題がある

⑥プロダクト戦略
・戦略がなく、手持ちの人材、時間、スキルを使ってできるだけ多くのステークホルダーを満足させるに過ぎない

⑦チームの目標
・OKRをプロダクトロードマップや社風に手をつけずに、重ねる形で導入した気になっている

⑧他部署や経営幹部との関係
・テクノロジーチームと他部署との関係が良好でない
テクノロジーチームが価値を認められていない、傭兵部隊のようになっている

⑨チームのエンパワーメント
・テクノロジーチームに顧客に愛され、ビジネスになる形で問題を解決する権限ない
プロダクトマネージャー(PdM)がプロジェクトマネージャー(PM)になっている
・エンパワーされたプロダクトチームに移行する事が大切 

・本書では一流企業がテクノロジーを活かしたプロダクトを作る方法と、その他大勢の一流になれない企業の方法の違いを明らかにする

EMPOWERED
普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ
ISBN 978-4-8207-2924-2 C2034
P18~21

Chapter01:優れた企業の背後にあるもの

・社風は非常に重要であるが、優れたプロダクト企業にはもっと根本的や違いがある
・優れたプロダクト企業とそうでない企業の差
1、テクノロジーの役割への見解
2、テクノロジーに取組む従業員の目的
3、従業員がどのように協力して問題を解決することを会社が期待するか
に行きつく


・企業の社風のうち以下の二つの要素を仕分けてみる
要素①:創業者の個性を反映
要素②:継続的なイノベーションに不可欠な部分

ビル・キャンベルのコーチングは大きな要素であり、数ある金言のひとつに
「リーダーシップとは全ての人に優れた点があるという事実を認識し、リーダーはその優れた点が発揮される環境を整える事」
がある

◼️優れたプロダクトチームにある重要なポイント
①テクノロジーの役割

・テクノロジーは経費でなくビジネスそのもの
テクノロジーこそが顧客に提供するプロダクトやサービスを実現する原動力と位置付けられている
・プロダクトチームの目的は、顧客に愛されビジネスがうまくいくプロダクトを作ることにより、顧客に奉仕するということになっている
(多くの企業ではプロダクトチームは中核事業に奉仕するために存在してしまっている)

②優れたプロダクトリーダーシップ
・大半の企業ではプロダクト戦略が存在しない(=単に中核事業の奉仕)
・旧来の命令・統制型は、やるべき仕事のリストや作成すべき機能のリストをチームに与え、出来るだけ早く仕上げるように命令するのは難しくない
・優れたプロダクト企業は、プロダクトリーダーは会社の中でも特に影響力のあるリーダーの一人
・ここで言うプロダクトリーダーは、プロダクトチームの「人事」「コーチング」、プロダクト戦略の立案と戦略から行動への変換、結果を出すためのマネジメントを担う

③エンパワーされたプロダクトチーム
・優れたプロダクト企業では、プロダクトチームは作るべき機能や納期でなく「解決すべき問題」を与えられる
与えられた機能を作るのではなく、チーム自身が最適と考えるベストな方法で問題を解決できるようにエンパワーされている
・エンパワーされたプロダクトチームのPdMには以下のように明確な責任がある
責任1:ソリューションに価値がある(顧客が購入する、あるいは選んで利用する)
責任2:事業実現性がある(ビジネスの必要性を満たす)

EMPOWERED
普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ
ISBN 978-4-8207-2924-2 C2034
P22~31

Chapter02:テクノロジーの役割

・多くの企業にある「機能開発チーム」と「エンパワーされたプロダクトチーム」の違いは、Chapter01でも言及したが、「チームをビジネスとして成り立つ形で顧客に奉仕するもの」と考えるか否かの違い
Teslaはテクノロジーを事業の中核にした分かりやすい好例
・テクノロジーを自動車開発の必要経費として扱うのではなく、中核に据えインターネット経由の更新を可能にし、買ってから進化する車に変えた
Pixarも好例
・長編アニメーションにテクノロジーを中核に据えて何ができるかを証明した
・テクノロジーチームがクリエイティブチームと同じくらい高く評価されている

EMPOWERED
普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ
ISBN 978-4-8207-2924-2 C2034
P32~37

Chapter03:優れたプロダクトリーダーシップ

プロダクトリーダーシップとは、
  「プロダクトマネジメント部門のリーダーとマネージャー」
  「プロダクトデザインのリーダーとマネージャー」
  「エンジニアリングのリーダーとマネージャー」
を意味する

リーダーには「インスピレーション」マネージャーには「実行力」が求められる

◼️リーダーシップの役割(刺激を与える)
・プロダクトリーダーのビジネス目標以外の4つの職責
①プロダクトビジョンと原則
ビジョンとはプロダクト企業が作ろうとしている未来と、その未来が顧客の生活をどのように向上させるかを記述したもの(3から10年後を見据えたもの)
・プロダクトビジョンが優秀なプロダクト担当者をスカウトするためにも強力なツールともなる
・プロダクト原則はビジョンを補うものでプロダクト特性を記述する
プロダクト原則は企業の価値観とチームが難しい局面で適切に判断する一助となる

②チームトポロジー
チームトポロジーとは、それぞれのプロダクトチームにどのように仕事を割り振れば素晴らしい仕事ができるかを表す
A)プロダクト戦略
+ビジネスニーズを満たし、ビジョンをどのように達成するかを示す
戦略に沿ってインサイトを活用し、インサイトを行動に落とし込み、仕事をマネジメントして完成に持っていく

B)プロダクトのエバンジェリスト
+リーダーはプロダクトのビジョン・原則・戦略をプロダクト組織内と社内全体に伝える
+会社が大きくなればなるほど、エバンジェリズムに優れている必要がある
エバンジェリズムとは、メンバー全員がより大きな目的を心から信じて参加している状態

③マネジメントの役割(実行する)
・ここで言うマネージャーとは、「職能横断型プロダクトチームの実際のメンバーを採用し教育を行う責任者」
・部下を持つマネージャーがプロダクトのビジョン・原則・戦略をシニアリーダーから受け取って理解し効果的に部下に伝えることができない限り、変革はできない
・上述した重要な役割以外にも必要な職務
A)人事
チームの候補者を探し、スカウト、面接、オンボーディング、評価、昇進、そして必要に応じて入れ替えを担当する
+人事部がある場合は、マネージャーの業務を支援するが、マネージャーの代わりにはなれない

B)コーチング
+最も重要な要素
+コーチングには毎週の部下との1on1が含まれる
「部下の弱点を理解し向上の手助けをする」
 「学んだ教訓のガイダンスを提供する」
 「障害を除去する」活動を指す

C)チームの目標
+一般的に四半期ごとに1つか2つの明確な目標を割り当てる
+これらの戦略はプロダクト戦略から直接導く
目標を立てることでインサイトが行動に変換される
Objective:ごく少数の具体的な問題を与えて解決してもらう
Key Results:チームは問題を検討し、成功したかを明確な指標で提案し、マネージャーと話し合う
エンパワーとは、割り当てられた問題(目標)を解決する最善の道をチームが決められるかどうか

EMPOWERED
普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ
ISBN 978-4-8207-2924-2 C2034
P38~44

Chapter04:エンパワーされたプロダクトチーム

・ほとんどの企業でエンパワーすることに納得せず、その理由は「信頼」に集約される
リーダーがエンパワーするのに必要なレベルの人材がチームにいないと考え、「命令・統括型」マネジメントになる

EMPOWERED
普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ
ISBN 978-4-8207-2924-2 C2034
P45~46

Chapter05:リーダーシップの実践

結局のところ、プロダクトリーダーはプロダクトチームのメンバーの人事とコーチングの責任者

EMPOWERED
普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ
ISBN 978-4-8207-2924-2 C2034
P47~48

Chapter06:本書のガイド

・Part II:
 有能なプロダクトリーダーにとって最も重要な職責である「コーチング」と「人材開発」に焦点を当てる
・Part III:
 プロダクトチームの採用について焦点を当てる
・Part IV:
 これから作ろうとする未来を定義し、プロダクトビジョンと原則について理解する
・Part V:
 会社のニーズに合うチームトポロジーに編成する方法
・Part VI:
 プロダクト戦略について理解する
・Part VII:
 各プロダクトチームの目標(解決すべき問題)を決めて、プロダクト戦略を行動に変える方法について理解する
・Part VIII:
 ケーススタディの紹介
・Part IX:
 プロダクト組織が他の部門と築くべきコラボレーションについて理解する
・Part X
 すべてをつなぎ合わせ、一流のチームや企業のように仕事をする会社へと変革するプラン

EMPOWERED
普通のチームが並外れた製品を生み出すプロダクトリーダーシップ
ISBN 978-4-8207-2924-2 C2034
P49~50

<所感>

JMAMのPdM関連の本はどれも内容が濃いな、と思います。
内容のすべてが重要で、エッセンスの抽出が難しく相当時間がかかります。
noteに書くことによって、

・読む
・書く
・重要ポイントをボールド表記にするためにもう一回読む
・公開前に誤字・脱字がないか確認するためにもう一回読む

ということができています。
JMAMの本はこれがものすごく時間かかります。

ただその分、勉強になっているのでストレスはありません。

今回は全般の説明でしたが、「INSPIRED」「チームトポロジー」「プロダクト・レッド・オーガニゼーション」の要約のように感じました。

より実践的な内容だな!と期待することができました。
時間はかかりそうですが、読み進めていきます。



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