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生産管理システムを勉強してみた#7

新しいキャリアに挑戦予定

すぐに戦力になれるように生産管理システムについて勉強を開始

第7章。後半戦スタート。

参考図書

「第6章 MRP(資材所要量計画)の考え方と実践」の振り返り

第6章はMRPとはなにか、が理解できる内容でした。正味在庫量の計算など詳細な内容も多かったのですが、ゆえに内容が少し分かりづらかった印象でした。生産企画→生産計画→MPS(中日程)→MRP→生産指示(小日程)という流れがイメージできるようになれば十分と思います。
第5章から続けている以下の全体振り返りもテンプレートとして載せておきます

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第1章 生産管理システムが漠然としている背景
第2章 製造業の業態と流れる情報(滞りがちな情報)の整理
第3章 生産管理システムを重要要素で分解し、ユーザーの業態要素との組み合わせ方
※第4章以降は、3-1の生産管理は7つの主要機能で考えるをイメージするとよいです。
第4章 生産計画をコアとした時の、販売管理サブシステム(特に受注)と購買管理サブシステムとの関係(EDI機能含む)
第5章 コアとなる生産計画の作成ステップと攪乱の考慮
第6章 基準生産計画に含まれる製品の生産計画と必要部材を確認して製造指示への落とし込みを実施するMRP
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第7章 生産管理の中核データベースとなるBOMを押さえる

第7章のまとめ

_まとめ

BOMがとても重要ということを本書でも繰り返し強調されています。
改めていつもの俯瞰図を見てみると
第4章で④販売管理サブシステムと生産計画サブシステムとの関係
第5章で①生産計画サブシステムそのもの
第6章で①生産計画サブシステムから製造現場への作業指示
と説明が続きました。

第7章では⑦のマスタ管理サブシステムでした。一見すると第6章の生産企画→生産計画→MPS→MRP→生産指示をつなぐ重要なマスタ=BOMと理解すればスッキリします。

ただしこのあと⑤購買管理サブシステム(第8章)、②工程管理サブシステム(第9章)、③在庫管理サブシステム(第10章)、⑥原価・生産性管理サブシステム(第11章)と話は続いていきます。

すべてにおいてBOMが必要不可欠になってきますの、で第7章の重要度を噛みしめて次章へと進んで行きます!

この俯瞰図は細かく出していきますので、
全体の中で今どの話をしているのか?
これまでの話とどうつながっているのか?
は意識してみます。

_7つの主要機能


<7-1 要点>MRPにはBOMが必要

_MPSの位置づけ

製造業の3つの生産管理システムのタイプと部品の所要量計算
①MRP方式   :MPS、BOM、CRPで所要量を計算する
②カンバン方式 :所要量計算=作業指示の方法
③製番方式   :完全受注でもネジなど共通部品は含まれるため所要量計算が必要
・MPS:ある期間に生産する製品の種類と数量を決定→MRP:その製品を生産するために必要な部品の種類および数量を決定
BOM:MRPが部品展開を行うために必要な、製品1つを作るために必要な部品とその数量を登録したマスタであり2種類に分類できる
①サマリー型(全行程が1カ所で行わる製品や組立が単純なもの向け)
+製品1つを作るために必要な部品の名称(部番)と数量を1階層で表現
+長所:必要な部品と数量がひと目で把握でき、生産計画数が決まれば簡単に必要な部品数が算出できる
+短所:構成部品がどの工程でいくつ使用されるのか、いつ必要なのかが分からない
②ストラクチャー型(中間工程や共通部品が多く、構成が複雑な製品向け)
製品と部品の関係を多段階のツリー構造で作成したもの。
+長所:部品の親子関係が分かる
+短所:データベースのプログラムも複雑になりがち

引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1  P参138~140参照

<7-1 所感>

BOMはとても重要です。マスタデータとなるのでBOMが整備されているかどうかで最初から最後まで影響します。
どんなにMPS→MRP→生産指示まで精緻に完璧に実施しても裏側のマスタデータが狂うとすべて狂います。ゆえにハードルが高いのかもしれません。
本書ではサマリ・ストラクチャ型と記載されていますが、私はマトリクス・ツリー型と教えてもらいました。以下参考ですが、分かりやすく特徴がまとまっています。正直このサイト見てもらえば十分ですね。サマリ型とマトリクス型が違うことも分かりました・・・勉強になりました。

<7-2 要点>BOMはP/N(Parts Number)とP/S(Parts Structure)から成り立つ

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P/Nは工場で取り扱う品目(製品、部品、材料)の全ての情報が登録されている。品目または製品マスタと呼ばれ、製品部品の基礎情報を集めたもの
具体的には以下の3つの情報群が登録されている
①属性情報   
「材質」「形状」「色」「寸法」など個々の製品が持つ固有の属性に関する情報であり主に設計段階で規定される
②調達・生産情報
「仕入先」「発注ロット」「検査情報」「標準LT」など材料から加工途中の仕掛品を経て製品に至るまでの調達に関する情報。工場の生産管理部と購買部によって登録される
③管理情報
「標準原価」「販売価格」「出荷先」など製品管理情報を作成する場合に必要なコードや価格の情報。主に工場の会計・管理部門によって登録される
⇒P/Nは設計で作られて情報をもとに工場の各部門が情報を付加していく。
・P/Sは部品構成マスタとも呼ばれ、P/Nに登録されている部品を製品単位で紐付けて管理され、「製品構成」「所要量」「工程情報」が親子関係で登録されている

引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1  P141~144参照

<7-2 所感>

P/Sの説明が少なかったので少し補う説明に変更しました。
いま時点の素朴な疑問。
BOMは「サマリ」「マトリクス」「ストラクチャ」の3つの型があり、さらにP/N、P/Sで構成されている。
P/Nはサマリ型でP/Sはツリー型な気がしています。
?結局BOM = P/N + P/S = サマリ(or マトリクス)型 + ツリー型?
ということなのでしょうか。読み進めてみます。

<7-3 要点>名称コードの重要性とその考え方

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・P/N(品目マスタ)でキーとなる製品や部品の名称は関連する業務がすべて同じ名称コードを用いる必要がある
・名称コードとは品目をユニークに特定するコード
・製品や部品の名称は、設計図面・業務伝票・データベースが三位一体になっていることが重要

引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1  P145~148参照

<7-3 所感>

このセクションは教科書に近い本書には必要な内容ですが、正直システムを検討・提案するレベルの人は読み飛ばして良いと思います。

<7-4 要点>BOMの構成はP/Sで決める

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・P/S(部品構成マスタ)にはサマリ型とツリー型の2種類がある。

引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1  P149~152参照

<7-4 所感>

7-2で抱いた疑問の答えがありました。
?結局BOM = P/N + P/S = サマリ(or マトリクス)型 + ツリー型?
どうやら部品構成マスタに対して、どうのように親子関係をつけるかでサマリ型かストラクチャ型かが決まる、ということでした。
このセクションは以下の図で説明します。

PSの考え方_1

PSの考え方_2

<7-5 要点>設計部品表(E-BOM)と製造部品表(M-BOM)

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<7-5 所感>

このセクションは要点はなしにしました。複雑に考えずに、
・設計が作る:E-BOM(Engineering-BOM)
・製造が使う:M-BOM(Manufacturing-BOM)
・サービスが納入後の製品に使う:S-BOM(Service-BOM)
がある。ということを知っておけばよいと思います。

<7-6 要点>BOMの改廃と更新

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・機能・性能向上、原価低減、部品のディスコンなど様々な理由で設計変更(Engineering Change:EC)する
・設計変更のあった設計データはE-BOMに登録されるが、旧設計での発注や生産途中の製品があるため、従来の図面データも残っている
・通常E-BOMには「生(Available)」「死(unavailable)」「凍結(Freeze)」の3つのステータスコードを持つ。旧設計デーはいったん「凍結」となり、その後発注残、生産残を消化してから死コードに変更する

引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1  P156~158参照

<7-6 所感>

BOMの改廃、E-BOM、M-BOMとの連携。これはしっかり統制を持った地位の高い部署がコントロールしないと次から次への発注残・生産残が積み重なり、なかなか設計変更を反映できず欠品などを引き起こす可能性があります。そしてもっとも厄介なのがS-BOMです。
実は<2-9>エンジニアリングチェーンはBOMの源流でもS-BOMが大変という話をしているのですが、ここまで読み進めるとより大変さが分かるのではないかと思います。

そもそもBOMの管理がしっかりしていることが前提ですが、生産ラインでは「生(Available)」「死(unavailable)」「凍結(Freeze)」の3つのステータスで十分ですが、すでに販売してしまった商品はどうでしょうか。
BOMの改版履歴と販売済み製品の仕様がマッチングされた初めて部番が決まることになります。
ただ改版履歴までちゃんと管理しているか?また販売済み製品の部品部番が見つかってもすでに絶版だったら?と考えるとE→M→S-BOMの一気通貫の管理は難しく、S-BOMだけ独立させる、という決断もあるかもしれません。
ここは本当に難しいです。


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