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生産管理システムを勉強してみた#2-1(前編)

新しいキャリアに挑戦予定

すぐに戦力になれるように生産管理システムについて勉強を開始

昨日初めてアップした記事に多くのスキとフォローの反応がありました。正直、初めて尽くしでしたが素直に嬉しかったです。

スキ・フォローしてくださった皆様ありがとうございます。

参考図書

第一章の振り返り

第一章では生産管理システムの導入目的が立場・業態で全く異なる。ゆえに生産管理システムが漠然としてしまっており、高額な投資だが使いこなされていない。という現状の課題を整理してくれていました。

1点「カイゼンに対応できる柔軟性のあるシステム」が重要というメッセージには疑問を持ちつつも第2章に進んで行きます。

第2章はセクションが2-11まであり、本書の中では最もセクション数が多いのでしっかり要点を抽出できるように頑張ります。

セクションが多いので各セクションにタイトルもつけています。(参考図書に準拠) 2-6までを#2-1(前編)として投稿します。→それでも長いです。

第二章 生産管理システムを俯瞰するための基礎知識

2章前編のまとめ

06_まとめ

セクションが多いので切れ目が難しくかなり長くなりました。

前編は製造業の企業単位での説明でした。2章のタイトルは”俯瞰するために必要な基礎知識”

後編はSCMやグローバル単位でより俯瞰した大きな視点の説明が続くようです。

1章に引続き人生2回目の投稿。前回も書いたようにただ読む(インプット)ではなく、書く(アウトプット)が重要という気持ちが大きくなりました。

そしてこの気持ちは大きくなり続ける一方だと確信しています。

読んだり、学んだりした内容を発信という形で記憶に刻むというのはなかなかの良質な経験です。引続き頑張ります。

<2-1 要点>製造業の情報システムは生産管理中心で考える

ダーツ

「生産管理」は最小の原材料を投入して、最小の経営リソースを用い、最短の時間で、誤りなく生産活動することをコントロールすること
生産の仕組みは「①調達(購買)」、「②生産」、「③販売」、「④開発」、「⑤管理」の5つが基幹機能
管理の対象はヒト・モノ・カネの3つの経営リソース
製造業は生産管理を中心に考えるべきで「生産管理システム=ERP」と言われている。
モノの動きと情報の流れがポイント
ペーパーリードタイム(=紙と人手に頼るため情報伝達が遅れることで発生するリードタイム)の排除もポイント

引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1  P22~24参照

<2-1 所感>

製造業において生産がコアでありながら、もっとも標準化が難しかったのだと思います。なので生産は人手に頼り、経理システムが優先されてきたのではないかと感じています。(あくまで個人的な意見)

お客様は神様。というマインドが、どんな要求も受け入れる生産体制になり職人化・属人化しシステムに落とし込めなかったのではないでしょうか。

生産のモジュール化、標準化を進めながらも、コモディティ化しない独自生産体制が市場要求なのかもしれません。DXが重要でそれを達成できないと厳しい世界だな・・・と危機感を抱きました。

<2-2 要点>企業ごとに異なる「ものづくり」の考え方

01_思考

生産形態の5つの切り口
①「受注生産」と「見込生産」
受注生産は製造側が注文(仕様)が確定してから製造開始するので、納品までの時間がかかる。生産リードタイム(以下LT)が長くなりがちで「生産LTの短縮」「受注の変動をできるだけ平準化して稼働率を一定に保つ」ことが重要。
見込生産は需要予測の精度を高めることと、需要変動に柔軟に対応できる生産体制を確立することが重要
実際は受注生産と見込生産の中間的な生産形態が多い
②「少品種多量」と「多品種少量」生産
多品種少量のほうが生産管理が面倒で原価も高いが消費者ニーズへの柔軟な対応が可能で商品ライフサイクルを短くできる。
③「Pull生産(引取方式)」と「Push生産(押出方式)」
Pull:後工程から生産指示情報を記載したカンバンがきて、前工程の生産が開始(完成品・仕掛在庫を減らすことができ、アイドリングタイムの減少も生まれ製造LTが短縮される)
Push:前工程から加工済み製品が来て後工程の生産が開始
④「フローショップ型」と「ジョブショップ型」
フローショップ型は、製品の加工工程順に機械設備が配列されている。
一般に見込み生産・量産生産向き
ジョブショップ型は、同じ機能・種類の機械を1カ所に配置し、どの機械で加工するかが一定でない。
一般に受注生産・多品種少量向き
⑤「個別」「ロット」「連続」生産
個別生産:受注ごとに生産。製番方式で管理
ロット(バッチ)生産:品種ごとに一定の生産量をまとめて生産。一般的
連続生産:同一製品を一定期間連続して生産。素材産業に多い

引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1  P25~27参照

<2-2 所感>

この本の特徴は、製造業を本当に上手に分類してくれていると思います。ジョブショップやロット・バッチなどなんとなく使われている言葉の意味を理解することができました。

どうしてもPush方式(カンバン方式)だけまだちゃんと理解できていないので、詳細が出てくれば強調するようにします。

<2-3 要点>すべてのステークホルダーが合意するシステム化とは

02_ステークホルダ

生産管理システムは部門ごとにシステム化の対象が異なる
部門とは「開発」「営業」「生産」「管理」など
また部門内でも役職によって要求は異なる
システムベンダーはまとまらない要件に頭を抱える
部分最適でなく全体最適を追い求める必要がある

引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1  P28~30参照

<2-3 所感>

第1章でも出てきた内容ですね。部分最適と全体最適は私の所感で記載していましたがやはり重要なキーワードのようです。

私の口癖でもありますが、「日本人はシステムに業務を合わせるのではなく、業務にシステムを合わせる」という悪い部分が影響しているみたいです。ただこれは、システムがなくても回る精錬されたオペレーションを独自に作りだすことができる文化とも言えます。

同じものを大量に効率よく作る時代にはピッタリはまったのだと推察されます。

<2-4 要点>生産管理のおける4つの情報

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情報を「計画」「事実」「属性」「管理」に分けて考える
①計画情報
生産計画、販売計画、在庫計画、需要予測、内示情報、作業指示情報など
生産管理システムには計画情報が多いことが特徴
計画情報は時間の経過とともに内容が変化する(Dynamic)
②事実情報
事実情報=伝票データとほぼ同義として良い
事実データは種類が多い
事実情報は「確定受注」→「発注」→「納品」→「倉庫への入庫・出庫」→「半製品の入庫・出庫」→「各工程の作業実績」→「出荷」→「送品」の順に発生し多岐にわたる
③属性情報
属性データはシステムの対象に備わる名称、仕様、住所のような固有の性質や特徴の情報
固定的でデータの発生や更新は頻繁ではない(Static)
大半はマスタ情報として扱われる
④管理情報
管理情報=集計情報
時系列分析またはクロスセクション分析に用いる情報
(クロスセクション分析とはほかの情報と組み合わせて、特定の事象に対する影響因子の相互関係を分析すること)
管理対象を見える化する仕組みが重要
管理情報ばかり増やして、その対応に追われ仕事の生産性が落ちないように、管理目的と方法を明確にすることが重要

引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1  P31~33参照

<2-4 所感>
同じことばかりで恐縮ですが、この本では製造業の当たり前が体系的に整理されています。むしろこの整理する能力がないと生産管理システムは成功しないのだ。とも思います。

また引用文章中にDynamic、Staticを注記しました。これは私見ですが、動的なものと静的なものは考え方全く違うよな。と思っています。

物理学でも動的方程式は(絶対ではないし専門家から言わせれば違うかもしれませんが)一般的に非線形で答えが複数あったり、あるいは答えが存在しないこともあります。

だからこそ動的方程式はたくさんの仮定を置いたな。と古い記憶から感じています。

仮定に、ある程度割り切りをつける必要があるし、正しいか分からない。また仮定を正しく静的情報としてインプットする必要がある。という生産管理システムの必須条件が完璧主義者にはしんどいのかな。と思っています。

今時点の気付きとしては、柔軟な管理システム=静的情報をどれだけ簡単かつたくさん入力できるか。なのかもしれません。(まだ自信はないですが)

<2-5 要点>工場のどの業務を見える化するかが重要

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変化の早い工場では「受注」「仕入」「在庫」「生産状況」をひと目で把握することが重要
「今」の情報を刻々と提供して工場の見える化を実現させることが必要
著者の経験上、生産管理システムを導入する目安は30名以上、工場出荷高3億円以上、品目500品番以上、100ロット/月以上。これ以下の場合は一般的に導入効果が低くなる

引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1  P34~35参照

<2-5 所感>

経験値である。と前置きをしてくれていますが、生産管理システムを導入する目安数値が具体的に記載されています。小規模工場では人手でなんとかなる。というのはおっしゃる通りで納得しています。

ただし、ユーザー側は会社を成長させたいと思っているはずですし、属人化させたくない。と思っているはずです。人手のフレキシブルさは最強ですが、引継ぎや継承を考えると時間がかかり過ぎます。

導入検討顧客としっかり向き合い、課題と成長性を共有することで導入ステップは刻めるな。と思います。

<2-6 要点>ITで工場の問題を共有化する

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見える化とは問題発見から問題の共有までのプロセス
見える化ができていない組織は

・担当者が問題を発見し、直属の管理者に報告、その管理者が問題と認識すればトップに報告
・トップも問題と認識すれば問題解決の指示と方針が管理者にフィードバックされ担当者がカイゼンに着手
・管理者およびトップが問題と認識しなければ問題が放置される
見える化できている組織は
・担当者が問題を発見し、それをレポート情報として加工し、組織内に共有
・問題解決に対して組織として行動する
・これを繰り返すことで現場の競争力が高まる
どのような製造業でも共通して必要な情報
①需要情報(計画情報)
②生産計画(計画情報)
③工程進捗(管理情報)
④購買実績(管理情報)
⑤出荷実績(管理情報)

引用:生産管理システム構築のすべて ISBN 978-4-534-04674-1  P36~38参照

<2-6 所感>

見える化という言葉をこんなに丁寧に製造業にスポットを当てて説明した本はないかと思います。

私もユーザーに見える化ツールを提案していましたが、見える化→共有まで実現できるユーザーは多かったです。そして組織全体が自分の仕事に責任を持ってどうすればカイゼンできるか。自発的に考える場合は共有までで成果が出ている会社が多かったです。

つまり現場に任せる。というスタンスを持った経営者です。

一方である程度大きな企業になると現場改革という名目(いわゆるDX)で見える化に着手します。そうすると見える化→共有→「分析」までの流れになります。

この分析が厄介です。2-4からさらに引用ですがまさにこれ

管理情報ばかり増やして、その対応に追われ仕事の生産性が落ちないように、管理目的と方法を明確にすることが重要

分析が厄介な理由は情報がどこまで統一されているか。です。ラインごと設備ごとに出力されるデータが異なると前工程にもあの情報が必要、後工程にもこの情報が必要。でもその情報は出てこない→分析できない。結果頓挫となってしまいがちです。いまあるデータから着実にカイゼンする。というステップ論が必要ですが、ここを会社全体に提案するのは大変です。

所感としつつ、経験談になってしまいました。


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