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スーパーヒーロー

私が最近出会ったスーパーヒーロー達から学んだもの、それは「責任」という言葉の本当の意味。

一人目のスーパーヒーローは佐藤茂さん。koyomiが野菜を調達しているパートナー農家の一社であるエコル鳴石の佐藤茂様がこの度、黄綬褒章を受賞されました。過去50年超にわたりオーガニック栽培を貫き、くらぶち草の会を創立し、他府県からの移住者を多く受け入れている。今ではオーガニックへの認知は高まっているものの、過去50年と言えば世の中は農薬まっしぐらの時代。他人や社会の常識にとらわれず、本当にあるべき姿を見極め、己を信じて、進み続ける勇気を持ったスーパーヒーローです。

「農業は他人に指図されるのではなく、自分で考え行動できる半面、自分で全て責任を持たなければならない」。自然の中で自分の価値を見出す、という強い志を生き様で示す、とってもカッコ良い方です。茂さんはkoyomiの取組みについても大変良くご理解頂いており、ご厚意を頂戴しています。エコル鳴石様とは一年を通じて、キャベツ、レタス、ズッキーニ、インゲン、トマト、バジル、小松菜、白菜、タアサイなど多くの品種でお取引があります。キャベツを分けて頂きたくて、キャベツが土台のジュースを作りたいと申し出た時に「キャベツのジュースなんて聞いたことないな。面白い。君も開拓者だね」というお言葉は本物の開拓者から頂いた言葉の宝物です。今ではキャベツをベースとした、解毒ジュース「ブラックジャック」は春と秋の訪れを告げる定番商品になりました。ついでにキャベツを発酵して作るリジュベラックジュースは、癖のある味ですが、その効能が素晴らしく、多くの女性ファンを持つ商品に成長してきました。日本では珍しい無農薬キャベツを扱える幸せに感謝です。



二人目のスーパーヒーローは星野詢さん、小学3年生の少年。上毛新聞の「第15回 県小中高生新聞感想文コンクール」の優秀賞を手にされた星野 詢さんの作品にkoyomiの取組みが語られていました。大変ありがたいことに、過去のkoyomiの記事を読み、感じて下さったことを見事に言葉にされています。本質を見て、それを言葉にする。大病を患ったお母様を見守るという小学3年生にして大人すらも挫けてしまう様な出来事を受け入れてきた経験がたくさんあるから、色んな人の気持ちもわかるし、想像力が膨らむんだろうと思います。すごい、立派だなと感じました。

文中、「岡田さんのSDGsの取り組みは、有機栽培の農家さんの助けになっていて、この活動が広がっていくと、有機栽培で野菜を育てる人が増えていくと思いました」。koyomiにとって指針となるようなお言葉に胸の真ん中を射抜かれました。詢さんの言葉を我が旅路の北極星としたいと素直に思いました。旬を語ると書いて、詢さん。素敵なお名前。koyomiがやっていることとピッタリ同じ。詢さんは母上の、そして私達のスーパーヒーローです。



三人目のスーパーヒーローはオリーブおじさんこと、三田英彦様。千年続く大地を創るをコンセプトに、持続可能で安心・安全なオリーブ製品を生産している。過去の群馬イノベーションアワード受賞者でもある三田さんは、想像と創造を常に繰り返し、抽象と具体を超高速で往復することでアイディアを生み出し、具現化していくエネルギー値のとんでもなく高い方。ビジネスモデルもkoyomiが参考とすべきところを沢山お持ちで、koyomiの何年も先を突っ走っていらっしゃる。koyomiの課題や悩みを一言話すと、全てをご理解頂き、ズバリとアドバイスを下さる。きっとkoyomiが今いる状況は三田さんにとって「見たことのある景色」なのかもしれない。koyomiが事業の第二フェーズに入るこのタイミングで天が導いて下さったご縁に感謝して、私は連日三田さんを捕まえては目の前の課題について相談させて頂いています。



学生から行政まで、周囲を巻き込みまくる姿は自分には到底真似ができないと思い、「三田さんの莫大なエネルギーはどこから来るのですか?」と問うたところ、「怒りと好奇心がエネルギー源」と即答。

佐藤茂さんもくらぶち草の会を創立した1988年当時、「自分で作ったものに、自分で価格をつけられない農家の常識に、強烈な違和感を持った」と仰っている。星野詢さんの様に小学低学年の子供にとって母は全て。母上の大病について、自分自身の命の危機をも感じたのだと想像します。きっと怒りもあっただろうし、どうにかしたいという好奇心も芽生えたかもしれない。

皆さんそれぞれの「怒りと好奇心」が起点となり、それをエネルギーに変換して人生を歩んでおられる。そして、私が最も感動したのは、その変換されたエネルギーを「どう使うか」と言う点において、スーパーヒーローの様に凛々しい皆さんの生き様だ。ご紹介した三人の方々に共通するのは、崇高な責任感。茂さんが仰る「全ては自分で責任を持たねばならぬ」というマインドセットは、スーパーヒーローには必要条件なのかもしれない。

そしてこの「責任」と言う言葉。英語でかくとResponsibility。ラテン的に分解すると、Responce(反応)とAbility(能力)。人生で起こる色々なことに対して、反応する能力。それが、責任(Responsiblity)。そして、地球上でその能力が与えられたのは人類だけ。

世の中の違和感に対して、どの様に反応するか。これによって、その人の自分自身の人生への責任感が現れる。そして、それはその人の社会への責任と同義だと思う。

茂さんは一般的な農業の実態に強烈な違和感を持った自分を信じ、オーガニック農業の実践という行動を起こし、50年という長い年月が続いた今もそのエネルギーはまだまだ高まっている。星野詢さんは小学三年生にして、他人を思いやる想像力を育み、物事の本質を捉え、言葉にする力を持っている。三田さんはご自身をオリーブおじさん、と名乗りつつも、オジサンの三種の神器「説教、昔話、武勇伝」とは無縁の清い志を持ち、それは行動と全く一致している。

皆さんの「反応」する「能力」は私を含め、沢山の人の感動を呼んでいる。だから、私は彼らをスーパーヒーローと呼んでいます。

私はかつて、自分の人生に起こることに対して、悲しみ、拒絶し、いつしか無反応になりました。その時は自分自身への人生に対して、最も責任が低かったのだと思います。でも幸運だったのは、落ちるところまで落ちたら、そこには大地があることを知ったこと。私は群馬の地で、ヨガとオーガニック野菜に出会って復活しました。結果的に、今では自然と調和しながら、自分らしくいられるエコシステムを作り経済が回り始めようとしている。自分の置かれた環境の中で、反応する力も高くなってきたことを実感しています。

そして、私はラッキーなことに、この様なスーパーヒーロー達に出会うことができました。

私もいつか、誰かのスーパーヒーローになりたい。幼少期に持った微かな夢の記憶。スーパーヒーローになりたい、という少年なら誰しも持つ夢。これを自分なりに叶えてみたいと思うようになりました。

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