ハワイと日本の「氣」の違い。

毎回、ハワイから日本へ戻ると感じることがあった。それは「日本に漂う空気が重い」ということだ。ハワイの空気に比べて、日本を覆っている空気はどこかずっしりと重い感じがしていた。
その理由をずっと考えていたのだが、ある時、その答えがわかったのだ。
その土地を覆う「氣」を作っているのは、その地に住む人の「感情」だ、ということである。

コンクリートやアスファルトに囲まれて、空を見上げてもどこかぼんやりした色の空しかなく、そんな空さえ見上げるゆとりもない人たちもいる。
満員電車に揺られて、本来の自分を押し殺しながら長時間労働を強いられ、休みも満足に取れずに、挙句の果てには、体も心も疲弊してしまい、悲しいことに自殺率も極めて高い。
メディアがネガティブなニュースを繰り返し洗脳のように流し続けている。電車に乗っても中吊りには、事件・事故・不倫・嫉妬・お金のトラブルなど、ネガティブな話題が踊り続けている。
人の心が重くなってしまうのは至極当然のことで、それが日本全体の「氣」を覆っているのだ。日本全体を覆う重たい「氣」は、人が発している「氣」の重さなのだ、と私は感じたのだ（あくまで私個人的な意見である）。

経済活動はもちろん大切なことだ。しかし人としての心を失う過剰な経済活動は果たしてどうなのだろうか？
「忙」という字は「心を亡くす」と書く。「あー、忙しい」と口にするたびに心を亡くし、無意識にネガティブな「氣」を発していく。それが常態化すればエネルギーはどんどんと重くなっていってしまう。

心の豊かさを優先すること、笑顔を増やすこと、自然の中に身を置くこと。自分自身を愛すること、人を愛すること、深呼吸を多くすること、テレビを見ないこと、できるだけネガティブな情報から遠ざかること。
必要な情報はすべて自分の中にすでにあると言う。自分自身と繋がることで自分に必要な情報は自然ともたらされると言う。しかし残念ながらその自分自身の魂と繋がることができずに思考優先になってしまっているのが現状なのだ。

ハワイにいると誰もが明るく笑顔で「Aloha!」と挨拶する。それがとても心地良く感じられ、みんなが挨拶を交し合い、知らない人でも笑顔を向ける。視線の先にはいつだって豊かな自然の美しさが心を癒してくれている。
人の「氣」は自然の中で浄化され、癒されるものである。本来、人間の本質は「愛」そのものだと言われている。自分と繋がること、自然の「氣」を取り入れること。自分本来の「氣」の良さを常に維持していれば、自然と運は開けていく。

世界でも類を見ない「氣」のいい場所、それがハワイだ。古代ハワイの人たちは「マナ」と呼ばれる生命エネルギーの存在を強く信じていた。マナとは「氣」であり、大自然の持つパワーそのものである。
森羅万象すべてに神々が宿ると考えていた古代ハワイの人たちは、自然を敬い、自然と繋がり、自然のリズムで、自然と共に生きていたのだ。
ハワイは氣がいいと言われる理由、それは大自然のエネルギーを存分に感じられる地球上でも稀に見る特別な環境だからに他ならない。
自然界には四大元素というものがある。火、水、土、風の４つの要素は自然界を構成する要素であり、人間も自然の一部という考え方に則れば、人間を構成するエネルギーでもあるのだ。
ハワイが世界にも稀な「氣」がいい場所という理由は、この四大元素が大きく関係しているのだと思っている。ハワイ島には今も活動を続けている火山があり、火のエネルギーが強い場所だ。カウアイ島のワイアレアレ山は年間平均降水量が世界一であり、水のエネルギーの強い場所だ。さらにハワイはすべて地球のマグマが爆発して誕生した火山島であり、大地（土）のエネルギーが非常に強い場所。同様に一年を通してトレードウインド（貿易風）が吹き、風のエネルギーも豊富なのである。

地理的にもハワイは太平洋の真ん中に位置していて、どの大陸からもかなりの距離があるというユニークな条件下にある。
日本からは約3850マイル（6300km）、本土のカリフォルニアから約2500マイル（4000km）、南半球のオーストラリアからは5060マイル（約8100km）の距離があり、どこの大陸からも隔絶された島で、大陸で起こっているネガティブで淀んだ氣は遠く届かない。
このような自然の恵みが豊かで、地理的条件も素晴らしい島は、地球上どこを探してもハワイ以外にはないのである。

古代ハワイの人たちがマナを大切にしていたように、今を生きる私たちも大自然から素晴らしい氣をいただき、自然を日々感じながら、自然に感謝して生きていくこと、それが幸せな生活への第一歩だと思うのだ。
コロナの影響で世界は混沌としている今だからこそ、自分自身と繋がること、自分の生活環境を見直すこと、自然と触れ合って繋がりを取り戻すことを考えるタイミングなのではないだろうか。