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やすみと花火

こんにちは、『やすみ』です。

真上に登った太陽が、濃い影を落とす。
うなじにじんわり浮き出る汗が夏を感じさせる。

そう、夏なんです。

ここのところ雨続きで肌寒い気温に落ち着いていますが、
日本は夏なのです。

夏の思い出って実はあんまり無いんですよね。
ずっと水泳一筋で青春を過ごしていたので。

夏祭りに参加した記憶も薄ければ、
恋人と浴衣を着てデートしたこともありません。

唯一覚えている夏の1ページは、
高校一年生の花火大会。

当時気になっていた方と花火大会に行ったのです。
それはそれは緊張しまして、もはや唾液が飲み込めないほどに。

私、その日が生まれてはじめての花火大会でしてね、
完全に油断してました。
どこを向いても人混み、人混み。
こんなにも混雑するものなのか、と驚きました。

そんなこんなでやっとこさ花火が見られるスポットまでたどり着きまして
初花火に感動しつつ見上げていたわけです。
するとどうでしょう……次第に気分が悪くなってくるじゃないですか。
(あ、やばい……)と思ったときにはもうアウト。

バタンと倒れてしまったんです。

気づいたときにはテントで作られた医務室のようなところで横になっていました。
気分は最悪で手足の感覚が薄く、しばらくしてから倒れたことに気が付きました。
ぼーっとしていると、ハッとします。
一緒に来ていた方がいない……
医務室の方に尋ねたところ、私を置いて帰られたそうです。

意識が回復してから私はトボトボ一人で帰りました。
当然その方とはその後何もなく、
初の花火大会は、私の貧血によるバッドエンドで幕を閉じました。

もうね、トラウマでしたよね(笑)。
当時は花火大会が嫌いになりましたもん。

そして大人になった今も花火大会には行ってません。
行きたいんですけどね、恋人と浴衣着たりとかして。

ただ、この話は夏になると
毎年呼び起こされる苦い思い出です(笑)。

ビー玉ころん、夏の音。
閉じ込められたビー玉を、光にかざして揺らして覗く。
ゆがんだ光が瞳に映って乱反射。
君の笑顔に今日も癒やされ、冷たいラムネとひとやすみ。

やすみ

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