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"よい教材"とは?社会科の教材研究に生かせる本を紹介します!
こんにちは。やしろです。
今回は、
教材づくりについて、
最近読んだ書籍を紹介しつつ、
自分なりの実践をアウトプット
していきます!
今回のテーマは、
「"よい教材"とは?」
です。
X(旧Twitter)で、
「教材研究のコツ」というシリーズで
何度かポストしていますが、
【教材研究のコツ⑦】
— やしろ@中学校社会科の先生 (@yashiro_edu) January 19, 2024
📝教材研究の3ステップ
「社会科教師の学ぶ技術に問題はないか?」という視点で、有田和正氏の示す教材研究の段階をまとめてみました👍
自らの実践を振り返り、教材研究の段階に整理してみることをオススメします!(自戒も込めて) https://t.co/4D6zYUb3Pd pic.twitter.com/F3dzKTnwpO
そもそも
皆さんは、
”よい教材”とは?
ということについて
考えたことはありますか?
おそらく、多くの方は、
そこまで深く考えたことは
ないのでは?と思います。
安心してください。
私もその一人でした(笑)
![](https://assets.st-note.com/img/1705646733304-waaAuOmWio.png?width=800)
何となく
"授業をするために必要なモノ"
というイメージがあると思いますが、
社会科ほど、
教材で授業の質が
左右される教科は
ないと思います!
良く言えば、
教材次第でいくらでも
面白くアレンジできます!
(その逆も然り・・・)
なので、
教師自身が
"よい教材"について
理解できているかどうかが
とても重要です。
(1)"よい教材"とは?
今回参考にした本は、
『社会科実践の追究』
(東洋館出版社)です。
著名な5名の先生方の
実践や社会科教育
に対する想い等が
綴られておりましたが、
特に心に残ったのが、
有田和正さん(1935-2014年)
の"よい教材"についての話。
有田氏は、
日本の教育者・教育学者です。
コチラ↓で紹介されているので、
参考にしてみてください。
有田氏によると、
"よい教材"とは、
この教材にめぐり会ったために、生き方を飛躍的に発展することができた教材のこと
言い換えると、
"子どもが「調べたい!」と思い、
追究する中で様々な見方や考え方を
更新し生き方に役立つような教材"
と言えます。
私が、普段つくっている教材は
このようなものになっているか?
と改めて考えさせられました。
また、有田氏は
"よい教材"の条件として、
以下の4つを挙げています。
① 固定観念をひっくり返すもの
~子どもの常識的な見方をゆさぶりひっくり返すもの~
② 子どもの意表をつくもの
③ 事実を見直さざるを得なくなるもの
④ 子どもの目を開くもの
※本書筆者による編集あり
どうでしょうか?
だいぶ分かりやすく
言語化されていますよね。
「主体的・対話的で深い学び」
の視点で授業改善を進めるには、
このような条件を頭に入れて、
教材づくりを進めたいですね。
今後、
学習指導要領が変わろうとも
この条件は変わらないのでは?
と感じました。
(2)自分の実践に置き換える
"よい教材"の条件を基に
自分の授業実践に置き換えてみます。
内容は、
地理的分野の「気候」について。
第2編 世界の様々な地域
・第1章 世界各地の人々の生活と環境
「標高の高い土地に暮らす人々」p46~47
・第2章 世界の諸地域
2節 ヨーロッパ州 -国同士の統合による変化-
「ヨーロッパ州をながめて」p76~77
前時までの学習で
"赤道付近や周辺には、年間を通して熱く、
季節による変化はほとんどない、熱帯の地域が広がる"
ということを学びます。
赤道付近というのも、
緯度から判断できるので、
緯度0度付近=熱帯
というのが、
子どもの常識です。
また、
"高緯度(赤道から離れる)ほど、
年間を通して気温の低い冷帯・寒帯が広がる"
ということも学習済みです。
これも子どもの常識。
そこで、
以下の雨温図を提示します。
![](https://assets.st-note.com/img/1705649580417-TcWSRPGZCr.png?width=800)
左がキト(エクアドル)、
右がジャカルタ(インドネシア)
の雨温図です。
キトは、
細かくいうと
南緯0度13分なので、
「南緯」と表記しています。
どちらも赤道付近です。
ここで生徒は
「あれ!?赤道付近なのに違う!」
「赤道付近は暑いんじゃないの!?」
と反応します。
まさに条件②・④です。
さらに、もう一つ。
![](https://assets.st-note.com/img/1705650656243-NxvY7EPMTL.png?width=800)
左がロンドン(イギリス)、
右が札幌(日本)
の雨温図です。
そして、
冬の気温に着目させます。
またしても生徒は、
「緯度は同じくらいなのに・・・」
「ロンドンは、札幌よりも北なのに暖かい!?」
と反応します。
まさに条件②・④です!
この4つの雨温図から、
これまでの子どもの
常識的な見方は通用しない。
と固定観念がひっくり返ります!
正しく言い直すと、
常識的な見方が通用しない
"ことも"ある。
でしょうか。
まさに、条件①の状態。
![](https://assets.st-note.com/img/1705711633557-KehBpGGKSn.png?width=800)
ここまでくると
子どもの中に
「なぜ!?」
という問いが生まれます。
「なぜ」は、
→調べたい!
→追究したい!
と、子どもの
学習意欲を喚起させます!
同時に、
「これまでの見方は正しかったのか」
「それとも別の見方があるのか」
これまでの事実を見直さざるを得ない状況。
これこそ条件③!
このような流れで
条件①~④を満たした
教材をつくっていきます。
タネを明かすと、
緯度だけの見方
(これまでの常識)
だけでなく、
標高、海流、風などの
自然的な要因も気候に
影響を与えている。
という見方が必要だったわけです。
今回、有田氏の
"よい教材"について、
自分の実践を振り返ったことで
改めて足りない部分や
気づかなかった視点を
明確にすることができました。
ぜひ、みなさんも
ご自身の実践で"よい教材"を
使えているのか考えてみてください。
(3)本の紹介-『社会科実践の追究』(東洋館出版社)-
今回、読んだ本は、
前作『社会科教材の追究』の続編。
厳選された22冊の「古書」から、
歴史に残る「社会科実践」について
解説されています。
本記事ではふれませんが、
古書を読み解くことは、
過去の歴史との対話をすることにより、
現在の様々な教育課題に対して
新たな洞察をもたらす機会
であると感じました。
そして、
著名な先生方の実践や熱量を
肌で感じることができる一冊です。
具体的な事例も
取り上げられているので、
授業をもう一歩深みのあるものに
したいという先生方に
オススメできます!
是非、読んでみては
いかがでしょうか。
詳細は下記を参考にしてください!
前作はコチラ↓
最後まで
お読みいただき、
ありがとうございました!
それでは、
次回の記事もお楽しみに。
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