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なりかけた小説

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とりあえず書いてみた短い文章
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#卒業式

蝉

夏はジメジメとした日より始まるが、終わりは静かなものであっという間に秋に移り変わっている。
秋は静かに始まり静かに終わる。意識する頃にはすでに暮れで冬の足音はすぐそこまで来ているものだ。だから今この場で秋を認め感じる。

今朝、駅までの道を歩いていると路肩の白線の上にクマゼミの死骸が仰向けに転がっているのを発見した。
既に中身は蟻や微生物にさらわれて外殻のみの姿でまるで羽化後の抜け殻のようだった。

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