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[1月16日]決算後、株価下落警戒せよ!

今週からいよいよ決算シーズンを迎えます。去年が金利がマーケットを左右する1年だったが故に、昨今はFOMCや消費者物価指数、雇用統計に注目が集まりました。引き続きこれらの指標は重要なのは変わりないですが、今後は相対的には決算、EPSが重要になってきます。2023年最初のFactsetがリリースされましたので深堀していきます。

タイトルは大人の事情で強めにしていますが、今まで業績下方修正が続いてきたので、今回も業績下方修正があるかもしれない。というくらいのニュアンスの結論にしてます。Q4の決算の一部が終わりましたが、今のところ無難にこなしているようです。もし業績下方修正が止まればいよいよ底打ちも見えてくるのではないかと考えてます。

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23年のEPS成長率予測がどうなるか?

決算において最も重要なのは2023年、24年のEPS、23年のQ1のEPS予測がどう変化するかです。株価はEPS * PERと定義されますが、以前のノートでも解説した通り、去年はPERが大きく下がる相場でした。今は予測金利がほぼピークに達しているため、金利によるPERの下落は落ち着いてくるでしょう。一方で、もう一つの構成要素であるEPSは23年予測ベースで-8%ほど下落してきましたので、こちらはあまり話題になりませんが、株価に-8%ほどの影響があると考えれば無視できないでしょう

引用 : https://www.factset.com/

上記図は23年の予測EPSと24年のEPSになりますが、ともにQ2決算、Q3決算後に大きく下落しています。この下落が続いている限り株価回復はむつかしいものになります(利下げがない限り)。今はリセッションがどれくらい深刻になるかがマーケットのテーマの一つですが、Q4の決算が終わった後で23年のEPS予測がどう変化するかが、マーケットがリセッションをどう織り込んでるかと言っても過言ではありません。 決算が終わり、色々な企業のEarning Callを聞いた後にアナリストが「23年も厳しそうだ」と考えればEPSの予想を引き下げ、23年と24年の予測はまた一段下がるでしょう。逆に「23年のリセッションは大したことないな」と考えればEPSの予想を据え置き、もしくは上方修正し、予想は底打ちか上昇していきます。現時点ではどっちになるかわかりませんが、2度あることは3度ある。今は予想が引き下がることを警戒すべきでしょう。

ただ、少し良くなる兆しも見えます。上記図でQ3決算後のQ4期間において、23年のEPS予測はズルスル落ちている一方で、24年予想EPSはかろうじて横ばいを保っています。

24年のEPS成長率は+10%

引用 : https://www.factset.com/
引用 : https://www.factset.com/


上の図は23年のQ1, Q2のEPSの成長率予測ですが、今現時点ではわずかながらマイナス成長が予測されています。ですが、下の図の2023年全体では+4.3%と予測されてますので、Q3-4から業績は底打ちし徐々にプラス転換していくと今は予想されているようです(残念ながらQ3,Q4個別のデータはありません)。そして24年に関しては+10%のEPS成長が予測されています。おそらくですが、年末か来年の頭に利下げが予想されているため、それに伴い業績も徐々に回復していくということなのでしょう。

この予想通りに行くのであれば、Q3の決算を迎えるまでには株価は底打ちし、来年にかけて大きく上昇していくというものになるでしょう。ですが、これもあくまでも予測に過ぎないので、まずはこの予測がどのように変化していくかが注目です。

PERは限界値

引用 : https://www.factset.com/

新年に入り消費者物価も一定の減速を示唆し、株価は2週連続で上昇し幸先の良いスタートとなりました。PERは現時点で17.2となります。基本的に株価が継続的に上昇するには 1)利下げによるPERの上昇 2)業績回復によりEPSの上昇のどちらかが必要です。今の所、23年の前半は少なくともEPSの成長が芳しくないので、株価が継続的に上昇するにはやはり明確な利下げのサインが必要でしょう。ですが、FOMCやパウエル議長のコメントを見る限り利下げが今年前半に来るということは今のところないでしょう。CME FedWatch Toolにおいても、利下げは23年の12月とされています。

EPS成長しない中で、株価が継続的に上昇するにはPERが18、19へと上昇していくことを意味するのですが、利下げがあればその可能性はありつつも、FRBがまだ冷や水モードである中、継続的にPER、株価が上がっていくことはまだむつかしいのではないかなと考えてます。

所感・今後の見通し

何度か書きましたが、今回の決算で一番重要なのは23年のEPS予測がどのように変化するかです。今までの決算で予測は段階的に引き下げられてきましたので、2度あることは3度ある。今回も引き下げを警戒すべきでしょう。ただ、前回のノートで書いた通り、今のところ決算は無難にこなしているみたいです。ドル高も一服し、10年金利はピークより下がってきましたので、その観点から少しずつ見通しも明るくなっていくでしょう。このトレンドが続けば23年・24年のEPS予測が下げ止まり、反転上昇への下地が整う可能性もあるでしょう。

引き続き債券中心に

今現時点では23年・24年のEPSの予測は下落していますので、これの下げ止まりが確認できるまでは債券中心に積み立てていくという方針でいいのかなと思ってます。ただ、上述した通り今回の決算で予測が下げ止まるということも十分にあるでしょう。もし、Q4の決算が終わりEPSの成長予測の下げ止まりが確認できれば債券とQQQに同時に積み立てていくというのもありかもしれません

買うのであれば、2月は季節的に下がりやすい季節です。株価が上昇し続けることはあり得ないので、しっかり押し目を待って買っていきたいですねと今は思ってます。FOMC, 雇用統計, 消費者物価指数など下がる理由はいくらでもあるでしょう。

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