“経済”とはそもそも何なのか

社会とは何のためにあるのか。人はなぜ生きるのか。

これは究極のテーマであるが、現代では「幸福≒富」と捉えられ、その総数をいかに増加させるかということに焦点がいっています。具体的にはGDPなどがその指標。ただGDPの単位は“円”なんですよね。

つまり、いかに幸せと交換できるお金を手にするかに日夜時間をつぎ込んでいる社会です。確かにお金はその価値平等性、保存性の特徴から人々の富の交換・分配を容易にし、世の中を便利にしたと思います。
ただ、現代ますます広がる貧富格差、そして稼いでいる人が必ずしも幸せであるとは限らない。鬱病がもはや現代病となっている。多くの社会問題を抱えています。

お金を生み出す営み。効率化・合理化を求めるばかりですが、それが本当の経済の豊かさなんでしょうか。

そもそも“経済”とは何か。「経済=ビジネス」と捉えがちですが、「経済学=economics(エコノミクス)」の語源はギリシア語の「oikonomikos(オイコノミクス)」から来ていると言われています。
「“oikos”=小さい共同体(house)」、「“nomikos”→nomosu=管理・運営(management)の変化形」です。つまり『経済学=共同体のあり方』なんですよね。

さらに中国の古典には「經世濟民(けいせいさいみん)」という言葉があります。文字通り「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」。つまり『社会のつくり方』なんです。
「経済=economy」の使い方ではなく、もっと広く「政治・統治・行政」全般を意味する言葉だったのです。

今の経済は利益至上主義、マネー資本主義と揶揄されますが、人の生活(生きる活動)に直接役に立たなくとも、お金を回すことができるかというところが重要視されています。

お金というシステムを否定するわけではありません。確かにそれを循環させることで、どこかで幸せになる人が増えることは間違いではありません。
ただ、もっと経済が世のため人のためにベクトルを向けていかないと、自然環境も人も疲弊していくばかりな気がしています。

ちなみにエコロジーという言葉、(上述の通り)ギリシア語で「ecos=家」を意味し、「logos=知識」です。つまり『暮らしの知恵』ということでしょうか。自然と共生することこそ、真の豊かさだと感じます。

経済がもっと公共性を持つべきだし、政治ももっと生産性を高めるべきだと思います。今その間をNPOなどが埋めていますが、その両者が歩み寄ることが必要なのではないでしょうか。

与え合いの恩贈りで巡る世の中になったらいいな。 だれでも好きなこと、ちょっと得意な自分にできることで、だれかのためになれて、それが仕事にもできたら、そんな素敵なことはないですね。 ぼくの活動が少しでも、あなたの人生のエネルギーになれましたらうれしいです。