参列した結婚式の中でもっとも短かった主賓の挨拶に度肝を抜かれ結果オーライだった話。
前回の記事では、これまでに出会った結婚式のスピーチで一番インパクトのあった忘れがたい思い出を記事にしたんだけど、今回も結婚披露宴にまつわる思い出を書いてみたいと思う。
私が司会をさせていただいた結婚披露宴の中でもっとも短くて、これまでの人生で参列した多くの結婚披露宴を含めても、ダントツで一番短かった主賓の挨拶の話なんだけど、読んでちょうだいね。(^_^)b
前回の記事はこちらです。
その結婚披露宴は私が人生で初めての司会を頼まれた司会者デビューの披露宴だったんですが、新郎が高校時代からの親友で「どうしてもお前にやってもらいたいのよ!」っていう強引な彼の頼みを引き受けたわけですね。
引き受けたはいいものの、なんせ25歳の若造なうえに出席者が150人近くになる大規模な披露宴というんで、依頼されてから司会のやり方を書いた書籍を何冊も買い求めて自分の進行用スクリプトを作ったんですよ。
そして、朝晩の通勤をそれまでの鉄道利用の通勤から、自家用車の通勤に切り替えて運転中に声を出して予行演習をしたわけですね。
こんなことを毎日繰り返して、往復3時間ぐらいの司会者トーキングで滑舌を鍛えて結婚披露宴当日を迎えました。
さすがに出席している人の数に圧倒されながらも、媒酌人夫婦や祝辞をもらう予定の主賓・来賓・職場の同僚の方々に挨拶してまわり、開宴のときをそわそわ落ち着かない気持ちで、手に汗をかきながら待ちました。
手元にはしっかりと司会進行用の手作りスクリプトもスタンバイして、準備万端整いました。
ややうわずった声になったけど、司会者の開宴の挨拶のあとに新郎新婦の登場です。
会場を埋め尽くす人たちの拍手の中を、左右に愛想を振りまく余裕もないのか引きつった表情の新郎と、うつむいたままの新婦がひな壇まで歩くわけですね。
そして、ひときわ大きな拍手とともに立ったままで媒酌人の挨拶に入りました。
その媒酌人の話が長々と続いた後に、新郎側の主賓挨拶もまた議員の先生らしく、長々と祝辞なのか自分の業績アピールなのか分からん話を並べ立ててぜひ清き一票を、なんてシメで言うんじゃないかって心配するほどでして。
まぁね、媒酌人さんもそれなりに社会的地位も高い肩書をお持ちで、新郎側の主賓も負けじとばかりに張り合ったんでしょうが、なにしろ時間が長くて予定の進行より大幅に遅れてしまったんですよ。
会場の担当からも遅れがでていることを耳打ちされて、司会者としてはなんとか取り戻さなきゃ会場の次の披露宴に迷惑がかかるって言うんで、焦る気持ちを募らせながら対策を考えないと・・・そんな状況です。(´д`;)
どうしたもんかと考えて、友人同僚のスピーチや余興の芸を切り詰めるしかないなぁ・・・と覚悟を決めたんですよ。
そうこうしているうちに、やっと長ったらしい新郎側の主賓挨拶が終わりました、やれやれですね。
相当な時間遅れで新婦側の主賓挨拶になったんですが、この方、種子島から出てこられた新婦側の遠い親戚のおじさんでした。
ぎごちない様子でマイクの前に立たれて、挨拶が始まりました。
「本日は・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
挨拶の切り出しが出たままで、無言のまま時間が過ぎていきます。
どうでしょう、どのくらい経過したんでしょうか、無言のままの主賓の様子にざわざわとした小声の話し声が広がる中で、いったんマイクに背を向けて
すぐにまたマイクに向き直ると、また挨拶が始まったんですよね。
「本日は・・・。」
そのまま次の声が出てこないんですよ。
次第にぶるぶる震えだしたかと思ったら、いきなり両手を挙げて
「ば、ばんざあ~~~~ぃ!ばんざあ~~~~ぃ!ばんざあ~~~~ぃ!」
何と言うことでしょう、万歳三唱をやっちゃったんですよ!
これには度肝を抜かれちゃいましたが、こんな万歳三唱の主賓挨拶って2度とありませんでした。
万歳三唱をした主賓は真っ赤な顔のままで、ぺこりと頭を下げると自分の円卓にサササッと戻りました。
「いやぁ~~~!本当に感極まって・・・言葉にならない思いを、万歳三唱でお祝いいただきました!本当にありがとうございましたぁ~~~!」
そう言って拍手をしたら、会場中も笑顔に溢れて拍手大喝采でした!
媒酌人の挨拶より、新郎側の主賓挨拶よりも、もっと盛大な拍手をもらったのが、新婦側の主賓として万歳三唱で切り抜けた田舎のおじさんでした。
これが私の出会った祝辞の中で、もっとも短かった主賓挨拶です。
この方の挨拶は1分もかかっていなかったと思うんだけど、司会者としてはまさに救いの神となった短い挨拶でしたね!
ここで相当な時間遅れを取り戻せましたし、会場が一気に笑いの渦で包まれて和やかな雰囲気に変わるきっかけになりましたから。
そのまま、余興の時間と友人・同僚のスピーチを短めにお願いしただけで人生初となった司会者の仕事は無事終了できたんですが、ひとつだけ想定外の局面にぶつかったんですよ。(´д`)
想定外のできごとは、お色直しで新郎新婦の再入場のときに、会場の照明がぜんぶ消えて、読み上げるつもりのスクリプトのカンペが真っ暗で見えなかったんですよね。(^_^;)
最近は司会者用の演台に手元照明が付いているようだけど、当時はそんな気に利いたものは無かったですからね、準備もしていなかったけどまぁ、なんとか喋ることはできましたけど、想定外でしたね。
ことほどさように人生では何が起こるか分かったもんじゃありません!
日頃から万一の時に備えておいたほうがいいですよ。(^_^)b
いざというときの覚悟も胆力も、元気な身体に支えられてこそ、っていうことですね。
ってことで、今回は
「参列した結婚式の中でもっとも短かった主賓の挨拶に度肝を抜かれ結果オーライだった話。」という結婚披露宴のエピソードでした。
では!
万歳三唱も のほほんと。
この記事をわざわざ読んでいただいたご縁に感謝します! これからもクリエーター活動にがんばります!サポートを心の支えとクリエーター活動に活かしますので、よろしかったら応援よろしくお願いします。