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24時間ジムが大人気、4年で3倍以上の店舗数に拡大できた秘策とは?

巷では相変わらずの筋トレブームが続いているように見えるのだが、実は最近のジム通いをする人たちの目的は、これまでのようにダイエットやメタボリック症候群対策のためにジムに通うのでは無く、美ボディボディメイクのためにスポーツジム通いをしている人たちが増えてきたようだ。

ダイエットメインのジム通いから、ボデイメイクメインに変わってきたということ。

また、これまではスポーツジムに通うことが困難だった勤務態勢の人たちが通える営業時間帯のスポーツジムの登場で、一気に潜在ニーズまで拾い上げることで利用者を拡大基調に乗せているジムも出てきたようだ。

これまでのスポーツクラブ、ジムの課題とは?

スポーツジム、スポーツクラブ運営のアキレス腱は、なんといっても新規顧客の確保難と会員の途中解約防止対策だろう。高い集客コストをかけて会員契約までこぎつけても更新前に尻切れトンボで自然退会というケースがとても多いのだ。

この理由としては定期的にジムに通うには、運動用のシューズや着替えなど荷物が多くなるので、通勤時に抱えて出勤するめんどうさもあって足が遠ざかり通わなくなってしまうのも理由の一つである。

また会社の同僚などにスポーツクラブやジムに通っていることを、ある程度カラダに成果が出てくるまでは隠しておきたいという心理も働いているのだろう。加えて営業職などは出先からそのまま帰宅するケースもあるので、ますますジム通いの予定が立てられなくなるのだよね?

一言でスポーツクラブやスポーツジムといっても、大規模施設としてのスポーツクラブと小規模で運営可能な個人のパーソナルジムまで、様々な規模や特徴に別れているのがフィットネス業界の実状なのだ。

大規模施設になるとマシントレーニングスペース以外にもスタジオやプール、テニスコートまで備えておりパウダールームにサウナ・水風呂まで完備しているところが多い。

パーソナルジムの場合にはビルの1室を借りて床マットを敷き詰め、数種類のマシンをおいてマンツーマンの予約制で営業しているジムが多いようだ。
施設によりシャワールームやパウダールーム完備というジムもあるが、中にはロッカールームのみの簡素な施設も見受けられるようだ。

どちらも施設の維持管理費が経営の足かせとなっているようで、プールなどの施設があると開業時だけでも1億円以上の費用が余分にかかる上に、水の浄化システムや莫大な量の給排水費用などが重くのしかかるので、利益を出すことが難しいのが多くの施設共通の現状。

だから必死で、入会金0円キャンペーンなどを打ち出して会員獲得に全力を挙げているのだが、一巡してしまった後の新規会員獲得は容易ではない。

そういった既存のスポーツクラブ、ジムの隙間をついて出現したのが営業時間を24時間とした24時間ジムの登場である。

新しいタイプの24時間スポーツジムとは?

営業時間帯を24時間にして「いつでも、思い立ったときに通える」スポーツジムに特化した業態であり、施設もプールやテニスコート、サウナ・水風呂といった維持費のかかるものを併設せずに、筋力トレーニング用のマシンや走行用のトレッドミル、フィットネスバイクで構成されている。

営業時間が24時間ということで、仕事が遅くなっても終電に間に合いさえすれば通えるし、月極契約でロッカーを借りれば手ぶらで通うこともできるので人気となっている。

なぜ24時間ジムが店舗を急拡大できたのか?

24時間ジムでは JOY FIT 24 が最大手だが、2012年に1号店を開業してからの店舗拡大ぶりが目覚ましく、翌年の2013年には 8 店舗となり、2014年には 29 店舗、2015年には 70 店舗、2016年には107店舗、2017年134店舗、2018年には175店舗、2019年末現在で 221 店舗と、ここ4年で3倍以上の急成長を遂げている。

この店舗急拡大を実現させた要因を探ってみると、まず24時間営業ということはもちろんだが、出店場所に比較的郊外の住宅地を選び最寄り駅の近くに開業していることが通勤途中に寄りやすく、休日でも通いやすいジムとして人気の要因である。

また郊外の住宅地にある最寄り駅という立地は、買い物ついでに主婦も通えるので、会員対象顧客層を広げることに繋がっているようだ。

あと見逃せないのが料金の安さである。一般的なスポーツクラブの場合は月額で1万円くらいが相場となっているのに対して、この24時間ジムでは月額6,900円~と30%前後も安い料金で通うことができるのだ。

この料金の安さは余分な施設を設けないことと、余計な人件費を使わないことで実現できているのだが、夜間はスタッフもおらず会員は勝手に入店してマイペースで好きなだけトレーニングした後、いつでも勝手に帰ることができるのも人気の要因だろう。

施設自体に24時間常駐のスタッフを置かずに、会員利用の多い時間帯のみスタッフが勤務する体制にすることで、維持管理費を低く抑えて利益をだすことを可能にしているのだ。

店舗によっては女性専用フロアを設けていることも人気の要因だろう。
トレーニングしている姿を異性に見られたくないというウォンツは理解できるし、女性専用フロアで気軽にいつでも利用できるのが人気となっているようだ。

noteで他の方の投稿だが、深夜に夫婦で仲良く24時間ジムに通うという記事を見かけたくらいなので、郊外住宅地の最寄り駅立地というのは正解なのだろう。

売上アップの要因として注目すべきなのがプロテインサーバーを備えていることだ。このプロテインサーバーで提供しているプロテインドリンクは「筋トレ用」「ダイエット用」「美肌用」「回復用」と4種類のプロテインがサービスされ、月額3,000円のオプションで飲み放題となるらしい。

このプロテインサーバーを利用するためだけに、ランニングの後に立ち寄る会員もいるとのことだったが、これは目玉のオプションといえるのではないか?

最後に忘れてならない人気要因をもう一つ紹介しておくが、土足のままで施設を利用できることである。これは土足用のシューズBOXを不要にするだけで無く、ランニングの前後にそのまま利用できたり、運動用のシューズを持ち歩く必要もないことから目立たないけど人気の要因になっているのでは?

24時間ジムの今後はどうなる?

このまま24時間ジムが快進撃を続けるのか?それとも大手のスポーツクラブが巻き返しを図るのか?その点について考えてみよう。

まず大手が24時間営業を始めることについては、困難なのでは無いかというのが答え。現状の大箱のままの施設だとどうやっても無人での営業なんて考えられないだろうし、施設の立地も24時間営業で立ち寄りやすい立地とはいえない施設も多い。

従業員の数もそれなりに多くこれまでの勤務実態や労働協定などの制約から、新たなスタッフを採用するにしても深夜の人員を確保することが難しくなりそうだ。

また施設の24時間稼働で発生する電気代、水道代、清掃管理代などが上乗せで生じるために24時間営業で追加利益をひねり出すことは難しいだろう。

では、パーソナルジムの場合はどうだろうか?
いくら24時間対応しますといっても、パーソナルジムはスペースとトレーニングコーチのマンパワーとしての制約が生じるために、完全予約制でのマンツーマン営業では、どうやっても24時間ジムは困難ではないだろうか?

パーソナルコーチが寝ないで済む人なら実現可能かも知れないが、睡眠をどこかでとるのなら営業する時間帯が変わるだけで、24時間通しての営業は無理というものだ。自営業だからと頑張ってもカラダを壊してしまうね。

ということでここでの結論を述べると、24時間ジムは出店のペースダウンはあっても今後も拡大していくだろうということと、装置産業としてのイニシャルコスト軽減が魅力となって異業種からの、それも資本力のある新興企業からの参入が予想されるね。

日本企業だけにとどまらず、資本は海外からというのも考えておいたほうが良い。最適立地さえおさえておけば良いので(運営ノウハウは難しくない)
外食チェーン店の不採算店舗を業種・業態転換という形で、店舗の箱を持つ企業が参入して来ることも大いにあり得るだろうから競合は激しくなる。

私たち利用者の立場で言うと、自分のニーズ・ウォンツに合わせて健康になるための選択肢が増えていくというのは望ましいことなので、新規参入組が現れて競合激化による競い合いで、多様化とサービスレベル向上の恩恵を受けられるのなら申し分は無い。

24時間・365日、いつでも、どこでも、いくらでも、カラダ磨きに精を出せる環境が整うのは誠に嬉しい限りである、ね?

24時間ジムに通わなくても、ひとりで自宅でできる運動から、まずは始めて見たらどう?

ってことで
今日のテーマは健康。24時間ジムの話題でした。

きょうも のほほん。

では。

この記事をわざわざ読んでいただいたご縁に感謝します! これからもクリエーター活動にがんばります!サポートを心の支えとクリエーター活動に活かしますので、よろしかったら応援よろしくお願いします。