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本LOG

今晩は、最近読んだ本のログを残していきます。

本の良さは、何人もの人生を追体験できることです。文字を読み、自分の頭の中で自分目線でストーリーを展開していく。ある本では刑事に、ある本では殺人者に、ある本では建築家に、ある本では美術館のキュレーターに。
本を読み終えたとき、これまでの自分に戻ることはできません。

ぜひ、自分の知らない世界を広げていってほしいです。
「自分が知らないことは山ほどにある」ということを知っていれば、あらゆることに寛容になっていきます。

一緒に本の世界にどっぷり浸かっていきましょう。

本かSNSか

前置きに、すこし趣旨のずれた話をさせて下さい。

人間の負の感情がよく目についてしまうSNS。何故、相手の事情も感情も知らないままで自分の考えを押し付けるような強い言葉のコメントをする人が増えたのでしょうか。SNSが身近になりすぎてしまったからでしょうか。それが表現の自由なんでしょうか。
私は誰かに向けられた心ない言葉を見ると、自分が言われたかのようにダメージを負ってしまうので、SNSを見ていた時間を読書時間に変えるようにしています。
自分に悪影響だと思ったことからは、距離を取って逃げることが増えました。

「何だか疲れたな」という日こそ、本を読む時間を設けています。
そして本を読むことで、自分の想像し得ない人生を送っている人がいることを知り、正論が正解でないと知ることができます。

では、本LOG本編へ

1.  くどうれいん 「うたうおばけ」

心の通った友人とお互いの誕生日に、本を贈り合いました。
今年の誕生日に選んでくれた本です。

エッセイが短編で綴られています。
れいんさんがこれまで出会った魅力あふれる人々の話が紡がれていきます。そんな個性的な登場人物たちの中でも己を見失わない、れいんさん。
リアルな感情に共感し、読むとちょっと心が軽くなるような、本です。

生活は死ぬまで続く長い実話。

「うたうおばけ あとがき」より

くどうれいんさん、去年に「桃を煮るひと」を読んでいました。れいんさん自体は全く知らずに、完全にパケ買いでした(笑)

2.  くどうれいん 「虎のたましい人魚の涙」

持ち歩きやすい薄さも魅力


れいんさんのエッセイ本は、一度読んで終わりではなくて自分の手元にずっと残して、マイバイブルにしたくなると思います。
疲れた時に、何か失敗してしまった時に、心を軽くしてくれます。

日々の忙しさに「自由になりたい」とうっかり願うたび、こころの中の野良犬と目が合う。

「虎のたましい人魚の涙 自由な犬」より

等身大且つ自然体なれいんさんの感情を読むと、自分の悪いところも肯定できるような感覚です。また、自分が言語化できなかった感情を言語化してくれることで胸のつかえがなくなります。

本として固すぎないので読みやすい

3.  東野圭吾 「白鳥とコウモリ 上下」

東野圭吾さんの本、皆さんどんな印象があるのでしょうか。
ミステリー・殺人の定番な人というのは、本を読まない人でも周知の事実だと思います。東野圭吾さんって、ただ謎解きが難しい事件のストーリーに圧倒されるわけではないんですよね。犯人をどうにか逃してあげたくなるほどに、感情移入してしまう苦しさにラストは絶対涙が止まらなくなります。人と人が繋がった糸の絡まりが、毎回予想を超えてくるのです。

何か悪いことを犯す人って必ずしも悪い人ではないんだと。なんて残酷で美しい世界なんだ…って、どうしたら全員が救われるんだ…って、しばらく考え込んでしまう余韻がたまらないです。

罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない。

「白鳥とコウモリ 下」より

今後、ニュースの見え方が変わってきますよ、確実に。私はニュースを見るだけでいろんな想像を働かせてしまい、思考の無限ループに陥り苦しくなるので見れなくなったんですけどね(笑)

被害者側にも加害者側にもそれぞれストーリーがあり、殺人者にもストーリーがある、そんな当たり前のことを知るだけで、見える世界が変わってきます。
加害者を責めれるのは被害者だけだと思います。他人は表面上のことしか知り得ないので、何かを言える立場ではないと思い知らされます。

4.  九段理恵「東京都同情塔(トーキョートドージョートー)」

Q あなたは、犯罪者に同情できますか?

どう‐じょう〔‐ジヤウ〕【同情】
他人の身の上になって、その感情をともにすること。特に他人の不幸や苦悩を、自分のことのように思いやっていたわること。

goo辞書 より


違う本で読んだことがあるのですが、「人は恐怖を感じるギリギリのところまで危険を冒す本能を持っており(狩猟時代の名残)現代人も無意味に恐怖を感じることで満足感を覚えている」「サイコパスは生まれつき恐怖心がないので、満足することができず常に退屈している」といった内容です。
サイコパスと言われる人が何か悪いことをしたいわけではなく、もうそもそもの感じ方が違うんですよ、きっと。

育った環境や生まれもったものが違うだけで、こんなにもアンフェアです。だからといって正当化はできませんが、あなたはどう感じますか?

Q なぜ、あなたは「犯罪者」ではないのですか?
Q あなたが罪を犯さずにいられるのは、あなたの知能が高く、自制心があるからですか?

「東京都同情塔」 より

「犯罪をする必要がない人生だったから」これは私のアンサーです。

そんな議論を交えながら、綺麗すぎて贅沢すぎる刑務所の建築計画が展開していきます。

建物はこれから先何十年もそこに存在し続ける。その建物が建つことで、”部屋から見える景色が変わる人がいる” ”何十年先の街並みにも浮かないような、未来を見据えて設計する必要がある” 未来を作っているも同然なんですよね。
これからはそんな目線で、見上げていきたいです。

現実はいつも言葉から始まる

「東京都同情塔」 より

本を読むと、言葉の大切さにも気付かされます。
どんな言葉にも責任を持って発言できるひとに、あえて言葉にしない選択をできるひとになりたいです。

以上、最近の本LOGでした。

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