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明治23年創業の老舗割烹の姉妹店で絶品鮭のかま焼きをいただく【となりのトトや @赤坂】

今日は焼き魚が食べたい気分だなぁ。

一人暮らしをしていると、焼き魚を食べる機会が少ない。というか魚を食べること自体少ない。一人暮らしでのおうちご飯となると、つい魚よりも割安で腹がふくれる肉料理となってしまうことが多い。だから食べログやインスタで美味しそうな焼き魚の写真を見るとつい惹かれてしまう。


この日は赤坂にやって来た。赤坂で絶品の焼き魚ランチを提供するお店があると知ってGoogleマップにピン留めしておいたお店がある。そのお店は「となりのトトや」というお店だ。某ジブリ作品を彷彿とさせる名前のこのお店は、赤坂で知る人ぞ知る名店、「赤坂とゝや魚新」の姉妹店である。この「とゝや魚新」は明治23年に赤坂で創業した本格的な割烹料理屋。故に少し値が張るお店となっているが、姉妹店である「となりのトトや」は本店と比較してリーズナブルさをウリにしたお店。僕のようなド庶民でも手が出しやすい値段設定になっているらしい。


赤坂駅で降りる。もうすぐ昼休みの時間になれば赤坂の町には溢れんばかりのサラリーマン達が姿を現す。そうなれば赤坂の飲食店はどこもスーツを着たサラリーマンでいっぱいになる。彼らより先にお店に辿り着かなければ僕はその昼休みパニックに巻き込まれることになってしまう。駅を出た後はGoogleマップを頼りに早歩きでお店に向かった。

お店は赤坂駅からすぐ。歩いて2分くらいで着いた。僕がお店に着いたのは開店の約5分前。開店前から並んでいる客はおらず、誰もいないお店の前で開店を待つことにした。ラーメン屋でいうポールポジションってやつだ。まもなく僕の後ろに40代ぐらいのご夫婦が並び始め、そのタイミングでお店から店員さんが出て来て、

「開けましたのでどうぞ」

と言って僕たちを店内に案内した。お店の開店は11時半のはずだったがこの日は2分くらい早くオープンしたようだ。

お店の外観

店内に入りカウンター席に案内された。ちょっと薄暗くて優しいウッドの壁と艶のないグレーのカウンターがいかにもど都心の高級店ってって感じの雰囲気を醸し出している。


さて早くメニューを決めよう。メニューは旅館の献立のような細長い紙に筆で縦書きで書いたような見た目だ。右からさまざまな魚の定食が並んでおり、焼き魚以外にもお刺身や煮付けもあるようだ。どれもそそるなぁ。僕は銀鮭のかま焼きを注文することにした。他にも銀鮭の塩焼きや鯖の塩焼きも気になったけど、それらよりもかま焼きの方がレア感があると感じたからだ。

メニュー

僕が注文を終えてから5分後くらいにおひとり様のお客さんが来店。30代くらいの男性だ。彼は僕の隣の席に座った。するとまだ開店して5分後だというのに店員さんは銀鮭のかま焼が終了してしまったと説明していた。開店5分で終了するかま焼き、一体どれほどのクオリティなのかと期待値が上がってしまう。この時僕は開店前から並び始めて良かったと本当に思った。


注文してから10分も経たないうちに、目の前で店員さんが茶碗にご飯を盛り始めた。保温ジャーから発せられるご飯の匂いがこっちにやって来て食欲をたまらなく刺激してくる。ああお腹が減った。僕のかま焼きはいつ出てくるのだろうか。湧いてくる食欲に思わず焦りが生まれてしまう。しかしそんな焦りは必要なかった。それからすぐに僕の元に注文していた鮭のかま焼きが運ばれて来た。

銀鮭のかま焼き

もう鮭が光り輝いている。テッカテカだ。この脂がたっぷり乗っているであろう鮭をこれから頂くと考えるだけでよだれが出て来そうだ。いやそんな暇などない。早くこの定食をむさぼろうではないか。まずは味噌汁から。あぁ美味い。まもなく始まる鮭のパレードを予告する味としては十分なクオリティだ。

続いてご飯をちょっといただいてみよう。ご飯はちょっと柔らかくて粘り気が強い。ここはちょっと惜しい気がした。僕は固めで粘り気の少ないご飯の方が好みだ。厨房を見た感じ炊飯器ではなくお釜で米を炊いていそうなことから、時によってムラが出てしまうのは仕方ないだろう。決して米そのものが良くないわけではないというのは分かる。

そしてメインの鮭に箸を伸ばす。綺麗に整った身を箸で崩す瞬間は一種の罪悪感すら感じる。身を慎重に崩し、一口分を口へと運ぶ。見た目どおりの脂の乗り具合。口の中で鮭の脂、旨みをめちゃくちゃに感じる。明治からの歴史を感じるさすがの美味さであり、程よい塩加減とふっくらしたら焼き加減はまさに職人技だ。これはご飯が進む。粗めの大根おろしとの相性も抜群だ。また鮭に添えられている小さな卵焼きはあっさりとした味で美味しかった。

小鉢は日替わりで二種の中から選ぶことができる。この日は「トマトサラダ」と「厚揚げと木の子の黒胡椒煮」の二択だった。僕はもちろん厚揚げの方を選択した。メインだけでなく小鉢も美味しい。割烹料理屋に相応しい小鉢だ。


小鉢

ご飯がおかわり無料だということで一回だけおかわりをした。この鮭のためだったら罪悪感などない。食べ終わった後は大満足。今日はわざわざ赤坂までやって来てよかった。

気づけば店内は満席になっていた。そりゃあ、これだけ美味しければ満席にもなるだろう。サラリーマンの普段利用には少し値が張るお店かもしれないが、僕がこの辺りで働くサラリーマンだったら最近仕事がんばってる気がするし今日はちょっと良いランチ食べちゃお、というような特別ランチとして利用しそうなお店だ。

せっかくの外食、普段家で食べない焼き魚を提供してくれるお店は本当にありがたい。これからは焼き魚ランチをどんどん開拓する男になろうかな。



今回行ったお店


となりのトトや
●住所:東京都港区赤坂4丁目3−12
●アクセス:赤坂駅1番出口から徒歩5分
●営業時間:11:30~14:00 / 18:00~22:00
●定休日:日・祝
●支払い方法:現金、クレカ、PayPayなど
●駐車場:なし


頼んだメニュー


●銀鮭のかま焼き ¥1300

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