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本州最南端の岬へ【GW近畿一人旅⑩】

こちらの続き。

くじらの町、太地町でくじら料理を堪能した私は車を走らせさらに西に向かった。
もう間もなく、本州最南端である。
途中、和歌山を代表する名勝である橋杭岩を見た。

潮は割と引いていたし岩がある方まで歩けそうだったが、雨上がりで靴が汚れそうだったので行かなかった。白いスニーカーってカッコいいけどこういう時損するよね。

ちなみにここの道の駅は本州最南端らしい。

続いてやって来たのが串本市にあるこちらのおカフェ。「カフェ こより」さんだ。本州最南端の近くではどんなおしゃカフェがあるのかと調べた結果出て来たおしゃカフェである。

こんなオシャレな古民家カフェだが、駐車場の場所が分かりづらかった。私は駐車場の場所が分からなくてこの辺りの狭い住宅街をぐるぐる回った。駐車場は無事見つけることができ、スムーズに駐車ができたのだが、私が駐車をしている最中、近所のおばあちゃんが私の車をずっと凝視していたのがなんだか不気味で怖かった。別に違法駐車とかじゃないですよと言ってあげたかったがおばあちゃんの視線の鋭さに怖気付いてしまい何も言うことができなかった。

お店ではいちごのタルトとコーヒーとカヌレを注文。一般的な大人なら1デザートと1ドリンク、つまりタルトとコーヒーだけ注文するのがセオリーな気がするが、私は欲張りなアイドルなのでタルトもカヌレも注文してしまった。

そしてここのタルトがかなり美味しい。
いちごソースが濃くてとても私好みだ。

カヌレはチョコ味で一般的なプレーンカヌレとは一味違った代物。
こちらも美味しかった。
オシャレな古民家カフェで大の大人がタルトとカヌレを頬張る姿は隣で勉強してた女の子にどういう目で見られてたんだろうか。

さて、甘いものも補給したことだしいよいよ本州最南端を目指そうじゃないか。
私は車を走らせ、やって来たのは本州最南端にある潮岬。

本州最南端の地が和歌山県にあるということは意外と知られてないのではないだろうか。私も少し前まで九州にあると思っていた。ちなみに最北端は青森県、最東端は岩手県、最西端は山口県にある。

そしてその最南端の潮岬のランドマークとなっているのがこちらの潮岬灯台

そりゃそうだ。本州で最も南にある場所には海からの目印となる灯台があるに決まっている。よく考えたらすぐに分かりそうなものだが、実際に行ってみると「こんなところに灯台があったのか」というセリフが脳内で流れてしまう。

実はこの灯台、「中に入って上まで登る灯台」である。
日本にある灯台には入れる灯台と入れない灯台があり、こちらの潮岬灯台は本州最南端という立派な看板を背負っていながら観光客を入れてくれる、とても懐の広い灯台なのだ。

そう聞いたら、登るしかない。入場料金を払い、灯台の中へ進む。中は螺旋状の階段が続いている。2分くらい登り続けるとこんな景色が見られる。

いかがだろうか。灯台の上からでは本州最南端の景色が丸見えだ。目の前には広がる海。当然本州の端っこだからこの海の先に本州は見えるはずはない。この先はただただ太平洋が広がっている。

そして陸側の景色もまた素晴らしい。こんな絶妙な高い位置から見る木々たちも圧巻だ。かつて灯台が使用されていた頃、当時の人たちはこの景色を見ていたのだろうか。

灯台を出て車で2分ほど走ると、望楼の芝生と呼ばれる場所に着く。本州最南端の広々とした芝生だ。他の芝生の公園と同様にボール遊びやキャンプを楽しんでいる家族連れを多く見かけるが、なんといってもここは本州最南端。それを表す碑が建てられており、観光客がここに来る目的は大体この碑の写真を撮るためだ。

そしてさらに車を走らせ、橋を渡ると紀伊大島にたどり着く。
橋から先は本州ではない。島だ。
せっかく潮岬まで行くのならこちらも行ってみたいスポットだった。

紀伊大島で有名なものといえば、エルトゥールル号。
エルトゥールル号、と聞いてピンと来る方はなかなかの歴史好きだろう。

エルトゥールル号とは、1890年に紀伊大島やって来たトルコ(当時はオスマン帝国)の軍艦である。正確には、軍艦自体は紀伊大島にやって来てはいない。この軍艦は紀伊大島近くの海上で遭難したのである。

この海難事故の結果、587名が殉職。生存者は69名。数字を見るだけでこの事故がいかに悲惨な事故だったかが窺えるだろう。

ではなぜそんな過去の事故が今も紀伊大島で話題になっているのか、それは当時の紀伊大島の島民たちがその生存した69名を懸命に救助したからである。当時の島民は決して裕福な暮らしをしていたわけではなかったが、非常用の食料や衣類などをすべてこの生存者達に捧げたらしい。彼らの懸命な救助の結果生存者たちは神戸に送られ、無事治療を受けて生きて帰ることができた。

この出来事は紀伊大島では今でも語り継がれる有名な話になっただけでなく、日本とトルコが良好な関係を築く源となっている。トルコが親日国家だといわれる理由の一つだ。

紀伊大島にはそんなエルトゥールル号に関する資料を取り扱った「トルコ記念館」がある。ここでは事故にいたるまでの経緯や当時の資料などについて詳しく解説されており、個人的には歴史好きではなくても是非訪れてほしい場所だと思っている。

ちなみに、紀伊大島にも灯台がある。こちらの樫野崎灯台だ。
こちらの灯台は先ほどの潮岬灯台とは違って中に入ることはできないが、トルコ記念館の近くにあるのでせっかくここまで来たなら是非立ち寄った方がいい。

近くにはオスマン帝国のトルコの英雄、ムスタファ・ケマル・アタテュルクの銅像もある。

さて、この時の時刻は大体17時ごろ。陽が傾き始める時間だ。そろそろご飯とお風呂のことを考え始めよう。
お風呂は紀伊大島から車で1時間弱走ったすさみ町にある望海の湯に寄った。

こちらのお風呂はその名のとおり露天風呂から海を望むことができる好ロケーションのお風呂だ。
しかもお湯は温泉。私がちょうど立ち寄った時はもうすぐ陽が沈みそうなちょうど良い夕焼けタイミング。
露天風呂からはこのような夕焼けを眺めることができた。

お風呂から出たときにはもうすでに陽はほぼ沈んでいた。
風呂で濡れたタオルを首にかけた私は車に乗り込み、
夕ご飯を目指してさらに西へと進む。

そしてこの日の夕ご飯が、今回の旅行の中で一番ガッカリしたご飯なのであった…。
続く


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