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ライティング歴15年超えの書き手が執筆のコツをまとめてみた

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2006年に出版デビューしたライターによるマガジン。独自のノウハウ、考え方を思い付くまま公開しています。
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#文章術

デビュー作で50万文字の本を書き上げて掴んだこと

デビュー作で50万文字の本を書き上げて掴んだこと

Web ライターと呼ばれる人の多くが、「文章を書くのが好き」とか「自由な働き方に憬れて」とか「憧れのライターさんみたいになりたくて」といった理由から書く仕事に足を踏み入れたと思う。あるいは「小さな子供がいて外で働けないから」という観点から始めた人もいるかも知れない。

僕の場合はまったくの偶然だった。

ときは2000年。いまから20年も前だ。まだブログは影も形もなく、Web媒体もクラウドソーシン

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ライターとして書く

ライターとして書く

「私の言ったことをきれいに言い換えてまとめただけじゃない!」
一般の方から聞き取った体験談を原稿に落とし込んだときの話だ。ご本人に確認して頂いたところ、こんなお叱りを受けたことがある。

たぶんこの方は、自分の生き様をドラマチックに謳い上げるとか、「プロの物書き」の手で華麗な美辞麗句や讃辞を交えて自分のことを紹介するとかして欲しかったのだろう。
原稿という小宇宙のなかでは、世界はこの方を中心に廻っ

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上手い文章とは翻訳しやすい文章。どういう意味?

上手い文章とは翻訳しやすい文章。どういう意味?

●上手い文章とは?この記事を読んでいるあなたは、きっと「上手い文章を書けるようになりたい」と考えているにちがいない。

では、あなたはどんな文章を「上手い」と感じるだろうか?

一昔前なら「上手い文章」とは、「優美な筆致」あるいは「文学的で華麗な表現や格好いい言い回しを駆使した文言」ということになったかも知れない。

しかし読書や執筆(発表)の主戦場がネットに移ってから、「上手い文章」の意味すると

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文章の上手い下手って結局リズムでしょ?

文章の上手い下手って結局リズムでしょ?

先日投稿した「もっと上手く書けるようになりたかったら、ライティングで食っていくことは諦めなさい」が、割と良い感じで「スキ」されている。

そこで図に乗って、自分なりの上手く書くコツをちゃらっと開陳してみようと思う。

ただしここでは「起承転結」とか「最初に問題提起して、それから答えを書いて、その下に根拠を並べて……」といったテキストの構造論については触れない。

上手い人の文章には、なぜ接続詞が少

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ライティングにドラマトゥルグ制度を導入できないか?

ライティングにドラマトゥルグ制度を導入できないか?

note にはライターさんがたくさん棲息しているらしく、文章の書き方の記事が好まれるようだ。

そこで以前から試してみたいと考えている方法に関して、書いてみようと思う。

●ドラマトゥルグとはなにか?近年演劇など舞台芸術の世界では、「ドラマトゥルグ」という役目の人を入れて作品を作ることが多い。
ドラマトゥルグというのは演出家や振付家などのそばにいて、作品を深掘りしたり、方向性について考えたりする際

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