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和風のキャリアデザイン:まず行動。そして感情と論理のハイブリッドでビジョンを立てる。

働きがいを持てるキャリアを見つける為には、
納得感を持てる職業選択が必要です。
その為に、人生やキャリアのビジョンを描くことを
促されることは多いですね。

ただし、日本で生まれ育った日本人の場合は、
その為に、いきなりビジョンを明確にしようとしても、
上手く考えることが難しい場合があります。

キャリアデザインの諸理論は欧米発が中心ですので、
どうしても西洋文化に根差した考えが土台になっています。

シンプルに言えば目的(ゴール)を明確にして、
そこに向かう道のりを小さなステップに分けて、
行動計画を立てる…という目的論的な考え方です。
コンサルティングでも、コーチングでも、
この型をベースに行われることが多いですね。

<キーになるのは情緒>

では、日本育ちの日本人がキャリアを考える時、
何がキーとなるかと言うと、情緒です。
我々日本人は使命に対して行動するという
西洋的な思考に基づいて行動するよりも、
その瞬間に何を感じたか、で動く傾向にあります。
歴史的にも日本人はその様にして生きてきました。

例えば、スポーツでも格上のライバルに対して、
普通に戦っても負けることが分かっていても、
正々堂々と正攻法で戦うことを優先します。
その結果、予想通り敗北しても、
爽やかな涙を流すものの
選手は納得感を持てることが多いでしょう。

また、一見、卑怯にも見えるしたたかな作戦で
勝ったチームよりも、多くの人々に支持されます。
正々堂々と戦い、潔く散ったと。

また、戦前の政府は米英と開戦した場合にどうなるか
シュミレーションをして、100%敗北するという
分析結果を出していました。
なのに、開戦しました。

これらの行動の根っこには、全て情緒があります。
その時に自分達がどう思っているのか、
その情緒に正直に行動する性質を多かれ少なかれ
日本人は持っています。

科学的根拠や論理よりも、
情緒を優先する性質を持っており、
それは目的と切り離されています。

試合に勝利するという目的を犠牲にしても、
戦に敗北しないという目的と命を犠牲にしても、
その時の情緒に正直であることが支持されるのが
日本社会の気質でしょう。
(ここでは、その良し悪しは一旦カッコに入れておきます。)

<心が動く機会を創る>

そうすると、日本育ちの日本人が自分のキャリアを
考える時には、いきなりビジョンメイキングをするよりも、
まず行動してみて何が起こるのか、何を感じるのか、
試してみると良いのではないでしょうか。

そして、何かが起こったり、新たな人に出会うなど、
想定外の出来事が生じたら考えるのです。

何か起こった時に自分がどう感じるのか?
突如発生したチャンスを掴むのか?
あるいは、スルーするのか?

自ら動いて偶然を引き起こして、
その時の情緒に正直になるということが
案外、我々は最もしっくりくるのではないかと思います。

ま、如何にも日本的な行動として述べていますが、
心理学的にはJDクランボルツの
社会的学習理論的な考えと言えますが(笑)

いづれにしても、心が動く機会を創り、
その時の自分の感情に向き合うことが大切です。

<感情と論理のハイブリッド>

まず行動して、偶然の出来事や出会いを発生させて、
その時の自分の感情に向き合い、
それに対して正直な選択をする…。

そして、この時に必要な目的やゴールを明確にして、
それらを実現する為の行動計画を立てて、
後はそれを実行していくだけです。

この段階になって、ビジョンメイキングからの
行動計画→実行という目的論的な考えでの行動をします。

つまりは、具体的なゴールがなくても、
まずは偶然を引き起こす為に行動して、心が動く機会を創る。
自らの情緒に対して正直な選択をして、
それを実現する為の目的と手段や計画を明らかにして、
後はそれを実行していく、、、
という感情と論理のハイブリッド作戦です。

この様な情緒をキーとして、
自らのキャリアの構築をしていくことが
和風のキャリアデザインと言えるのではないかと思います。

仕事を見つけないといけないのに、
自分がやりたいことが何か分からずに足踏みするなら、
この和風のキャリアデザインを試してみては如何でしょうか。

(2021年3月29日)
山本恵亮
プロフィール
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