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収入アップしたければ自分の代役がいない状況を目指せ

「収入を上げる為にはどうすれば良いのか?」と多くの人々が考えて頑張っていることと思います。収入アップを目指して身を粉にして働いても収入の伸びは微々たるものであることや、最近であれば多少アップしても物価も上がって相殺されてしまって、トホホということも生じているでしょう。
では、どうすれば良いのでしょうか?収入を上げる為には。


時給1100円で年収200万円

例えば、多くの小売店などのパートの時給は1100円程です。正確には東京都の最低時給は1113円で、多くの小売店で時給を最低時給とほぼ同じ水準に置いています。我々が日常生活で接するお店などの人々が得ている時給です。

1日8時間労働で月20日働くと月給が18万円弱、年収だと200万円強ですね。パートでフルに働いた時に得られる上限がこの水準です。
正社員のスタッフクラスだと、これより少し良い水準や賞与があって年収で250万円~300万円程でしょうか。

これはとても多くの人々が得ている水準ですね。1日中大変忙しく働いて、こまごまとした色々なタスクをこなし、体力を使って働いて、しかも大変感じの良い顧客対応をして、同僚には気を使い、1日の労働が終わるとクタクタになります。

でも、そこまで働いて、仮にしばらくしてから昇給しても僅かです。なぜでしょうか?

年収2000万円の仕事

私が人材エージェントの仕事でジョブマーケットを見ていると、年収2000万円程の年収を出す仕事が増えています。新卒入社で1000万円というのも珍しくなくなって、最近はニュースにもなりません。もちろん、新卒の年収で破格であるのは間違いないのですが。 

金融、コンサルティング、IT、ヘルスケア(製薬会社など)など年収が高い業界や、最近では伝統的な大手製造業でも専門職で経験豊富な中堅クラスなどに2000万円以上を払うケースが見受けられます。
(もちろん、これらの業界でも全員が2000万円以上を稼いでいる訳ではないですよ。その水準でもらっている人がそれなりに多いという意味です)

これらの仕事は、上述した年収200万円~300万円の仕事よりも10倍大変なのでしょうか?

「大変さ」のタイプは多少違うでしょうが、働く人それぞれが感じる主観的な大変さは、あまり変わらないと思います。どっちの仕事も同じように大変です。けっして小売店の仕事よりも、例えば、金融の仕事の方が10倍大変ということはありません。

なぜ収入が10倍も違うのか?

同じように大変な仕事ですが、どうして収入が10倍も異なることがあるのでしょうか?

一口で言えば、200万円の仕事で働く人の代役は沢山いるが、2000万円で働く人の代役は少ないから、です。

例えば、ある2000万円の財務系の仕事で必要なスキルは、一般的な財務会計のスキルに加えて、経営管理やM&A実務スキル(にともなうファイナンス、税務、法務、財務分析、ビジネス分析、等の知見)、ビジネスレベルの英語力、論理的思考力、高いコミュニケーション力やビジネス・スキル、そして、これらの専門性が裏付けられる実務での実績などです。こうして書くと、専門的ではあるけれども、レアな募集要件というわけではないですね。

でも、これらのスキルや経験を備えていて、募集している仕事や業界に興味を持つ人となると数はかなり限られます。その社員の人が辞めると、後任者を探すのが大変で、時間がかかるうえにお金もかかります。募集を始めて採用が決まるまでに半年以上は必要で、採用した時に人材紹介会社に払う仲介手数料が(年収2000万円の人材の場合)600万円~700万円もします。

1人採用する為に、これだけ時間とお金のコストがかかるのであれば企業もその社員を大切にしますし、昇給もさせます。
また、この水準を支払わなければ、誰も応募してくれないのであれば(最近そのような状況が増えています)企業も年収水準を引き上げます。

要するに、収入が10倍も違う理由は「代役がいないから」です。

収入アップの秘訣は希少性

つまり高い収入を得る為のポイントは、自分を希少な人材にすることです。代役がいない人材になることです。

分かりやすいスキルは、英語力ですね。日本では英語を流ちょうに話せる人が少ないので、それなりに英語を使えるようになると他の多くの人々と差別化できます。コスパの良いスキルです。

同じように、IT、会計、、、などその仕事にあると有利なスキルを身につけることや、あと高いコミュニケーション力や良い人柄(→と思われるような振る舞いやマナー、対人能力)なども大変有利な差別化要素になります。

加えて、所属する会社や業界が成長していることも大切です。
成長産業や成長企業、儲かっている企業、お金が集まる業種などは、お金が潤沢にあって人材不足ですから、給料が高くなるのは当然と言えば当然です。

自分の代役が沢山いる状況から、自分の代役がいない(少ない)状況を目指すことが収入アップのコツです。ポイントは、ビジネスと同じで、希少性です。

(2024年5月7日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士



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