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<31>面接に合格する話し方と必要な準備

転職で面接を受ける時に必要な準備は自分自身への理解と仕事についての理解です。これまで本マガジンでは自己理解の為に自己分析をする方法を主に書いてきました。ただし、自己理解だけでなく、仕事への理解も同じように必要です。

前回<30>準備不足で面接に挑むとどうなるのか? では面接を受けたAさんが、仕事理解をしていなかったばかりに面接官の質問にタジタジになってしまう様子をご紹介しました。
今回は、そのAさんが反省をして、仕事の理解をした上で面接に挑み、面接官と会話した事例を記載します。


前回の面接を発生して挑む~面接での会話②~ 

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面接官:
どうしてM&Aアドバイザリーの仕事を志望しているの?

Aさん:
はい、大きく2つあるのですが、まず、これまでの仕事を通じてM&Aは企業の経営課題において非常に重要な施策であると身をもって実感していまして、この様な経営に大きな影響を与える局面でプロとしてクライアントを支援したいと考えています。

また、この仕事が自分のスキルと性格に合っているのではないか、とも思っています。

面接官:
ふーん、どういうこと? 続けて。

Aさん:
まず、1つ目のクライアントへの支援ですが、例えば、現職の会社が直面する経営課題を考えると、私は企業には時間をかけて有機的な成長に取り組むのではなく、ダイナミックに組織を再編することや、買収によって必要なリソースをスピーディに獲得すべき時があると思っております。この様な企業の命運を左右する重要な取り組みを成功させることで、クライアント企業の発展に寄与したいのです。

面接官:
M&Aの意義に共感していることは分かるけど、何があなたにそう思わせるの?

Aさん:
そうですね…、経営へのインパクトの大きさです。平たく言えば、私は重要局面で、いざという時にこそ頼りになる救世主になりたいのです。

面接官:
おー、そういう事ですか。面白いね。で、自分が向いているっていうのは?

Aさん:はい、私は会計士なのですが、緻密な数字の分析を正確かつ迅速に行うことが得意です。また、昔から交渉事や勝負事がとても好きでアドレナリンが出ます。これらの資質はM&Aアドバイザーの仕事に役立つのではないかと考えております。

面接官:
交渉や勝負が好きって言うけど、その資質を発揮した事例を説明してくれる?

Aさん:
現職の経営企画の仕事で会社の変革を推進する為に社内のメンバーを巻き込み動かす時にもこの強みが活きました。具体的に説明させて頂くと…
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面接での発言がどう改善されたのか?

だいぶ良くなりましたよね。1つ目の事例よりも具体性が高まっています。
(ただし、面接ではこのようAさんの説明に対して更に1段、2段と掘り下げる質問がされることも多いので、綿密な準備が必要です。)

また、説明の仕方も構造的になっており、一言では志望動機を全て語ることが出来ないので、まず2つあると頭出しをして、その上でそれぞれ具体的な説明をしています。その結果、説明は整理されており相手方も理解しやすくなっています。

さらに、理屈を述べるだけでなく「救世主になりたい」「交渉事や勝負事が好きでアドレナリンが出る」と、自分の内側の思いを相手に伝えることも出来ています。

理屈だけでは人は納得しません。自分の思いや価値観、ポリシーなど自分の中身についても話しに含めていかないと、「言っていることは分かるが、本音が見えないなぁ」「どんな人か分かりにくいなぁ」と思われかねませんので注意しましょう。

自己理解と仕事理解が必要

いずれにしましても、Aさんは自己理解に加えて、仕事の理解を十分に行って、分かりやすい説明を心掛けた結果、面接官にも納得をしてもらい2次面接に進むことが出来ました。

以上が、行動力を強みとするAさんの面接での失敗と挽回の事例です。

この事例を読んで頂くと、自己分析による自己理解に加えて、仕事を理解することが大切だということが分ると思います。新しい自分をスタートして働きがいある仕事を手に入れる為には、自己理解だけでなく、仕事理解も必要であると心に留めておきましょう。  

(2024年7月8日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士

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