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お金と働きがい、どちらを取るのか?

自分のキャリアや人生を考える時、
「お金と働きがい、どちらを取るのか?」
との悩みは多いと思います。

私も、そんな相談を受けることは良くあります。
あなたはどう思いますか?

働きがいある仕事は薄給

転職支援の仕事で相談者の方々から
就きたい仕事の希望を聞くと、
他者や社会の役に立ちたい!
人の為、社会の為、日本の為、世界の為、
になる仕事をしたい!
・・・といった素晴らしい思いをお聞きすることが多いです。

例えば、具体的な希望をあげると、、、

・教育ビジネスで次世代の育成に携わりたい
・貧困家庭の支援をしたい
・スポーツや芸術の発展に携わりたい
・起業支援をして夢の実現を手助けしたい

などなど熱い思いをお聞きすることが多々あります。

ただ、これら“理想的な”仕事は諦めて
現実的な仕事を選択する人々が殆どです。
なぜなら、これらの仕事は給料が安いからです。
それも非常に薄給です。

満足いく年収を確保しつつ、
働きがいある仕事をするのは難しいのでしょうか。

妥協して近い仕事を選ぶ?

では、妥協して希望に近い仕事を探すとします。
上述した希望の職業例の場合だと、
少しでも希望のテーマに携わりつつも妥協して
収入を確保できる現実的な職業選択をする場合は、
下記の様なイメージでしょうか。

「教育ビジネスで次世代の育成」
⇒学習塾、予備校、研修会社
(教育ではなく受験ビジネス、、、生徒確保の業務も多い)

「貧困家庭の支援」
⇒地方自治体の職員
(ただ、試験に合格する必要有、部署は選べない)

「スポーツや芸術」
⇒広告代理店等で時々部分的に関わる
(しかもスポンサー企業の為の仕事、、、営業活動しないと)

「起業支援」
⇒起業支援でなく既存の会社の経営コンサル
(経営支援の観点では似ているけど対象が違うし、
お客さんの為にハードワーク)

ベンチャーキャピタル
(起業家の為だけでなく、投資リターンを得ないと、、、)

・・・こうやってみると、
どれも働きがいを100%満たすことは出来ませんね。
しかも、収益を上げる為に集客とか、営業とか、
お金を稼ぐことが目的の活動が中心になります。
非情に資本主義的な側面が目立ちますね。
当たり前ですが。

最低限必要な収入水準をはっきりさせる

じゃあ、やりがいは諦めるしかないのでしょうか?
やりがいよりもお金を選択する、、、と言う言葉も
頻繁に聞きますよね。

でも二者択一ではないと思います。

ただし、今の産業社会では生きていく為の
収入は必要です。
その最低限必要だと自分が思う収入は必ず確保すべきです。

これを無理すると仕事を続けられないだけでなく、
自分が不幸になります。
よって大切なことは、
まず自分が最低限必要な収入の水準をはっきりさせることです。

最低限必要な収入の水準はどれくらい?

もし自分にとっての最低限の収入水準を
イメージしにくい場合は、
次の様に考えると良いでしょう。

①    生活する為に必要な金額
(住居、食費、光熱費や通信費など)
②    自己投資の費用を賄う金額
(知識やスキルを得る為の学びの資金、
仕事に必要なものを買う資金)
③    息抜きの為に必要な金額
(レジャーや趣味の費用)

以上の3項目でそれぞれ月、年間でどの程度
必要であるのかを算出します。
そして、それらの合計が最低限必要な収入です。

上を望めばキリがありませんので、
ポイントは「最低限これくらいは必要」と思う金額です。
逆に言えば、その金額を下回る給与の仕事は、
絶対受け入れられないと言う水準です。

例えば、独身の場合、
月単位で考えてみると、、、(あくまで一例です)

①の生活費用が、食費8万円、家賃8万円、
住居の管理費・光熱費や通信費等の固定費4万円。
これらでざっくり20万円。

②の自己投資費用は、学習の為の費用として
本の購入やサブスク費用、
仕事で必要な物を買う費用(月にならして)
など合計で3万円。

③の引き抜きに必要なレジャー費用は、
友人との食事代や趣味等に5万円、
などなど。

これら①②③を合計すると、28万円ですね。
これに将来の為の貯蓄や予備の費用を加えて
合計で月30万円は最低限必要だとすると、
税込みの月収は約35万円以上となり、
年収だと420万円くらいが最低ラインとなります。
(実家暮らしで家賃など固定費が下がったり、
自炊中心で食費が抑えられるなどすると
この最低ラインは引き下がります)

まずは、この水準の収入を得ることを目指します。
これを下回れば、やりがいがあっても選択しない
ということです。

最低ラインの収入以上なら働きがいを優先

収入については、以上で算出した金額を下回るなら
その仕事がどれだけ働きがいがある仕事であっても
選択はしないと割り切ります。

最低ラインの収入を下回る仕事を無理にやると、
猛烈な不満が生まれますし、辛いだけです。

一方で、この最低ラインを上回るならば、
一旦お金は“それでヨシ”として、
働きがいを追求すれば良いでしょう。

お金はあるに越したことはありませんが、
一定水準を超えると満足度は鈍化します。
しかし、働きがいの満足度に天井はありません。

よって、最低ラインを超える仕事なら、
働きがい度合いが高い仕事の方を選ぶとの考え方です。

お金の問題で働きがいを捨てなくてよい

こうやって考えれば、
お金の問題で働きがいを捨てなくて良いですね。

まず、最低限必要な収入を得ることを優先し、
その金額を得られる仕事であれば、
あとは自分の希望に合う
働きがいを満たせる仕事を選ぶという
2ステップの考え方です。

また、もしも働きがいを満たせる仕事を
今すぐに選べる状態でないのであれば、
まずは最低ラインの収入を得ることを
当面の目標とすれば良いでしょう。

その上で、経済力を身につけたら、
先々に働きがいを持てる仕事に移行していく
という中長期戦略もあります。

希望を捨てずに戦略的にキャリアを考え
構築していけば働きがいと収入の両方を満たす
ことは実現出来ると思います。

(2023年1月23日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士

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