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だんだん高くなる星屑ドライブ【ショートショート】

ドッドッドッ。

相変わらずうるさい車だなぁ。
家の遥か手前から存在をアピールしてくる彼の車。
いつもは煩わしいあの音も、今日はなんだか愛おしい。
玄関の鏡で、前髪の最終チェックを済ませる。

今日は私の誕生日。
付き合って5年になる彼が、夜景の名所に
ドライブに行こうと計画してくれた。


ドッドッドッ。

年季の入った車はぐるぐると螺旋を
描くように山を駆け上っていく。
木々の隙間から麓の煌めきが見え隠れする。

ドッドッドッ。

美しい夜景の片鱗に、私は先日彼がスマホで
見ていた一粒の煌めきを思い起こした。

ドッドッドッ。

サプライズが本当に苦手な人だなぁ。
馬鹿正直で、ちょっと抜けている人。
そういうところに惹かれたのだった。

ドッドッドッ。

もうすぐ山頂に着く。
足元には星屑が散りばめられているようだ。


ドッドッドッ。

彼はその星屑の中から一粒を掬って、
私に手渡してくれるだろう。
どの星よりも、眩く輝く一等星を。


ドッドッドッ。

これからの未来に、胸が高鳴っていく。



まず410文字ぴったりで書けたことに拍手。
お題を見て、ありきたりな山へ夜景を見にいくドライブ
しか浮かばず、1週間悩んだ末にこうなりましたとさ。
発想の貧弱さをなんとかしたい…

たらはかにさんの企画に参加させていただいてます。
素敵な企画をいつもありがとうございます。


今週はプライベートで結婚記念日があったり、
仕事では年度終わりの締めくくり作業が忙しかったりと
とにかくバタバタの週だった。

なんだかんだで20代の寿命が1ヶ月を切ってしまった。
ネクストステージではもっと発信をしていけるようにしたいな。
また抱負などをまとめていこう。

今回も読んでくださりありがとうございました。

ではまた。






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