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コロナ禍での生活意識は「整理期」から「前進期」へ

コロナ禍になってすでに1年半以上になるのですが、
この1年半の間での生活者の大きな意識変化というのは2回起こっており、今年の夏頃から3回目の変化が起きたなと個人的には考えています。

まずは、現在の「前進期」について語る前に、「前進期」以前におきていたコロナ禍での生活意識の変化を振り返られればと思います。

第1期 不安・環境維持期

あまり語る必要もないとは思いますが、
コロナが流行り始めてから一気に訪れた生活の変化の中で、

・マスクや消毒液の買い占め
・トイレットペーパー不足などのデマ情報
・連日のコロナ報道(著名人の感染や死などのニュース)

などなど、世界中でのコロナ蔓延により、自分の安全が脅かされている中で
健康に対する不安が一気に高まり、不安な精神状態が継続していたかと思います。ただ、そんな中でも、コロナが流行り始めていた初期では、

・引き続き出社を前提とした企業や出社したがる社員がかなりの数いた
・リモート飲みによるコロナ前の友人関係性の維持
・音楽ライブなど趣味や好きなことを制限することに対する不満

など、一部ではフルリモート化やライブの中止などもありましたが、
初期のころはどこまで長引くのかイメージできなかったこともあり、
仕事の仕方も友人関係などもコロナ前のものを維持したいという意識や行動が多く見受けられたかと思います。
ただし、第2波、3波とどんどん感染の波が大きくなり、全く出口が見えない状態になった中で2つめの大きな生活者の意識変化が起きます。

第2期 整理・再考期

コロナの先が見えず状況が全国的に悪化していき
不要不急の外出を控える日々を過ごす中で、
NewNormalなどの言葉が生まれたように、コロナ前の環境に戻るのではなくて新しい生活様式をそれぞれの人が改めて考えるようなタイミングが合ったかと思います。(そのときにはリモート飲みもかなり落ち着いていた)
そんな中での生活者の意識でいうと、

・リモートなどの影響による会社への帰属意識の低下
・副業や兼業など新しい働き方への意識の高まり
・居住エリアの再検討を含めた自らのライフスタイルの再考
・友人、知人の整理と家族の大切さの再認識(一方でコロナ離婚も増加)
・新しい趣味の楽しみ方の模索(提供側も楽しむ側も)


など、家からも出られない、自由に行動できない中で、自分はこれからどうしていきたいのかという家族との関係や生活スタイル、働き方、知人、友人との付き合い方などを改めて考え、整理する時期がある程度の期間あったかと思います。(今年の初めくらいまではこの期間が少なくともほとんどの人にあった気がします。)そして、今年の3月頃から意識の変化が起こり始め今、世の中全体に新しい生活意識が定着したのが次の第3期になります。

第3期 前進・再スタート期

もちろん、まだコロナでの感染者は多く、2回ワクチンを接種しても
感染に気をつけて暮らしている人が多いですが、ただ気をつけてじっとしているのではなく、気をつけながらも前を向いて新しいことにチャレンジする人、そういう意識を持ち始めたという人が増えたと思っており、
早い人だと、3月には再スタートしていた人もいたかと思います。
ではなぜ、僕が前進、再スタート期だと思うかという理由が3つあります。

1つ目が、不安、ストレスを表す消費の減少
その購買商品の変化も2つあって、不安やストレスが購買につながる商品の需要減少と、前進、再スタートにつながる商品の購買増加です。

不安やストレスが購買につながる商品の需要減少でいうと
・衛生商品などの購買の減少
・高アルコール度数の缶酎ハイの需要減少

の2点で、衛生商品はまさにコロナに対する不安が落ち着いたというのはわかりやすいのですが、高アルコール度数の缶酎ハイ需要減少でいうと、不安、ストレスによって高いアルコールを求めていた人たちがある程度そのストレスに慣れた、軽減した結果、高アルコールによる身体的負担の方が辛い、新しいスタートに時間が必要で飲む機会が減少など、アルコール度数を落とす、頻度を落とす人が増えたということだと思います。
(一定数9%需要は残りますが7%や3%微アルなどの人気が増えている)

2つめが特に女性の購買、消費意識の復調です。
普段から女性の消費動向をみること消費の変化が見えることが多いですし、
少し話は変わるのですが、例えば付き合った男女が別れたときに、女性は
すぐに気持ちを整理して次に向かうのが男性と比べて早いとよく言われますが、実際このコロナでの整理・再考期を男性よりも早く整理して次に進んでいる人は女性の方が多いように思います。
そんな女性の消費でいうと、

・日焼け止めなどの増加
・サプリ、ヘアトリートメントなど美容商品の購買増加
・インナービューティーへの意識の高まり


が顕著に見えています。
日焼け止めなどは外出増加ということに直結していますが、
サプリなど美容商品の増加や特に腸活が再度人気になるなど、
マスクをすることが多く美容への消費を抑えていた女性が
特にインナービューティー活動をし始めるなど新しい自分づくりに向けて
女性はすでに進み始めているように思います。
(このコロナ禍にプチ整形やシミ取りなどの美容にお金をかけた人も一定数はいるようです)

3つ目が自己投資意欲/手軽なチャレンジの増加です。

2つめの女性の美容に対するお金も投資という点では共通しているのですが、それだけにとどまらず、男性も含めて、プログラミングなどを勉強する人が増えたり、副業をリアルに始める人など様々なジャンルで自己投資が増えています。また、投資だけではなく、まだ行動制限が多い中ではありますが手軽にできる新しい趣味や家事などチャレンジにするような人も増えています。

以前の記事でも書きましたが、人々の刺激欲求が大きく高まってきた結果として、特に自己投資に対するマインドがすでにかなり高まっており、
自己成長や手軽なチャレンジにいかにつながるのかということをしっかりと伝えていくことがこれからの消費者マインドを掴むためには大切になってくるのではないでしょうか。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

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