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【マリアビートル】と【AX】を読んで

今日は連休明け&雪で終日布団が恋しい一日だったなぁ。あいらぶオフトゥン。

三連休は読書に一日半くらい使った。
後はお墓参りと、ヴィーナスフォートにお別れを告げに久しぶりの東京へ。
Zeppもヴィーナスフォートも無くなってしまって本当に悲しいな…。たくさんの思い出をありがとう。
ヴィーナスフォートには変わったテナントがたくさん入ってて、天気と時間で空模様が変わる照明を初めて見たときの衝撃が忘れられない。
夕方になるとその照明のおかげで薄暗くなるから、落ち着けて居心地よくて好きだったな。
またあそこのエリアにも量産型商業施設が生まれてしまうのだろうか。
どうか、原宿駅の二の舞になりませんように。。。


さて、本題。
今回は伊坂幸太郎さんの【マリアビートル】と【AX】を読みました。

はい、伊坂幸太郎さんをよくご存知の方はあれ?と思ったかもしれません!!
お気づきでしょうが、【グラスホッパー】はまだ読めていません。また1番最初のストーリーを1番最後に読む流れになってしまいました(笑)
図書館で本を探しているからこういうことになるのですが、それはもうご愛嬌です。

そもそも今回は【マリアビートル】が実写化されるということで、このシリーズを読むことにしたんですもん。
ブラピが好きなので新作映画の情報は嬉しい!
楽しみだー。


【マリアビートル】は純粋に楽しかった。
さくさく良く読み進められて、疲労感もない。登場人物の中学生には度々イラッとしたが、そのかわり檸檬と蜜柑の噛み合っているようないないような、テンポ良い愉快な会話の掛け合いでそのイラつきも相殺できる。
天道虫のどこか憎めない、愛らしくて笑える鈍臭さも好き。

私は伊坂さんの書く《ちょっと不器用だけど真面目な性格のキャラ》が好きなんだなー。
最後まで檸檬と蜜柑と天道虫には笑わされた。

ストーリーはめちゃくちゃ好きな終わり方でした。

暗殺者たちの話なのに重くも暗くもなくて、残酷なことをしているはずなのに、何故かコミカル。
ハラハラするのに、ところどころはドタバタ劇を見ているよう。
よく練られたコントを見終えたときに
『なるほど、こういうオチだったかぁー』と言いたくなるのと同じ、読み終えた時には気持ちの良いスッキリとした満足感で満たされました。



この作品をブラピがきっと飄々と演じてくれるのよねー!飄々としたブラピがめちゃくちゃ好き。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドとかすごい好き。
《ノンストップアクション》みたいな謳い文句になるのかな。
いやぁ、楽しみだーーー!!!


立て続けに【AX】へ。

こちらも【マリアビートル】のように、軽快な暗殺劇(?)かと思って読み進めてみたら、、、




なにこれ??



愛に溢れた物語じゃないですか!!!






アットホームなシーンもたくさんあるし、スリリングなシーンもある。
それなのに、肩身の狭いお父さんの話も違和感がない。

なんとも絶妙なバランス。



すごいなーーー。

そしてこの話好きだわあああああーーーー!






【AX】の主人公である兜も、《不器用だけど真っ直ぐで真面目》。
不器用ながらも奥さんと息子をすごく大切にしていて、奥さんには全く頭が上がらない。

こんなキャラを嫌いになんてなれるわけがないでしょ。



だから、ラストの兜が覚悟を決めた立ち回りが涙無くして読めなくて。。。


伊坂さんがすごいのか、
私が涙もろくなったのか(笑)


父のことを考えながら読んでしまったから、余計に泣けてしまったんだよな。
父は私のことをどう思ってるのかなぁ…と思ってしまい。。



姉妹が過去最悪に険悪な状況に陥ってしまった我が家。
父はこの状況をどう思っているのだろうと考えてしまったら、つい泣けてきちゃって。。



特にここのところのギスギスは、本当にしんどくて苦しくて仕方なかった。
『何で私が我慢しなくちゃいけないんだ』と、黒いドロドロとしたものを抱いてしまうことも多々あった。


でも、兜の言葉を読んで、そんな肩の荷が少し軽くなった。
刺さる言葉がたくさんあった。



もういい、やることはやった。
あとはなるようになる。

逃げてもいいんだ。


私の今の状況に、とても適した本だったかもしれない。

家族とうまくいってない人に、ぜひ読んで欲しいと思った。《問題を解決する答えがある》とかじゃないけれど、少し気持ちが楽になるかもしれない。


ストーリー的には、兜が最後に残す仕掛けのオチと展開は、割と早いうちから想像がついた。
でも、最後にはちゃんと予想を上回る、クスッとできるのに泣けて、あたたかな気持ちにしてくれる結末が準備されていた。

優しくて、幸せな気持ちで読み終えることができた。



そこまでたくさんの作品を読んだわけじゃないけれど、伊坂さんの作品は、例え何かを失ったとしても、その喪失感を埋める《爽やかさ》や《あたたかさ》をちゃんと感じさせてくれるから好き。


また良い作品に出会えて良かった。
ずーっとモヤモヤしていたけど、むしろこの気持ちでこの作品を読めて良かったのかもしれない。

たくさんの言葉が、モヤモヤを少しずつ回収していってくれた。

やっぱり本は良いな。



『良い作品を読んだ』と言う気持ちを、こうやって言葉にして振り返ると、また充実した気持ちで満たされるから良い。


充実した気持ちを噛み締めて、そろそろ寝ましょ。



また素敵な作品に出会えますように。
おやすみなさい。

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