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手の匂いをかがされる


炭酸飲料の匂いって手に残るんだよな。


会社にて。
15時からの10分休み。

事務所で「カレーパンサイダー」と「メロンパンサイダー」を皆で飲んだ。
小さな試飲用サイズの紙コップに注いで、デスクに置いたり、喫煙所にいる人に配って回ったりした。

カレーパンサイダーはコーラのような色と味だが、香料のせいかカレーがあとで口に広がった。
「これはカレーじゃなくてほんとにカレーパンだね」という感想を聞く。すごいじゃんカレーパンサイダー。
対してメロンパンサイダーは、かき氷のメロン味のシロップをサイダーにした感じ。無難に美味しい。

飲みやすさはメロンパンサイダーだけど、再現度はカレーパンサイダーだった。


問題はこの後です。
休憩でやんわり盛り上がって、それぞれぼちぼち仕事に戻って数分後。
私がエクセルで支払表を作っていたら、上司(女性)が「ちょっと匂って」と言う。
目の前に白い手があり、何も考えずに匂うとそれはメロンパンサイダーの匂いだった。

「これカレーパンの方?」と上司は聞き、
「いやぁメロンパンと思います」と答える。

「よねぇ」と言って給湯室へ去って行った。

私はまたエクセルの画面に意識を向ける。
少しドキドキした。
人の体が不意に近づくとドキッとするんだ私は。



あっ、これはサイダーの話というより、ときめきの話だよ。


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