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わたしの好きな詩 丸山薫「北の春」

どうだろう
この沢鳴りの音は
山々の雪をあつめて
轟々と谷にあふれて流れくだる
このすさまじい水音は

丸山薫「北の春」より引用

という書き出しではじまるこの詩は、私の好きな詩のひとつです。

小学4年生の時、宿題で、自分の好きな詩をひとつ選び、それを授業で発表(朗読)するということがありました。

私は、詩の名作集(*1)の中から、丸山薫作「北の春」を選び発表しました。

朗読している途中、男子生徒から、
「なげ~(長い)」「長くない?」といったヒソヒソ声が聞こえてきました。「(これって)詩なの?」といった言葉もあったかと思います。
私はなんだか恥ずかしくなり、不安にもなり、確かに長いかも、と思いつつ、それでもこれは詩だよ!間違ってない!とも思いながら、朗読を続けました。そんな思い出があります。

小学生の頃は、詩というと、とても短い文という固定概念みたいなものがあったのでしょう。

皮肉にも、このエピソードがあったせいか、その後もいつまでも印象に残る詩となり、大人になってからも読み返すことが度々ありました。そして今でも、わたしの好きな詩の中のひとつです。

<文・見出しイラスト/犬のしっぽヤモリの手>

(*1)
ジュニア版*名作文学
小海永二編
こころの詩集
学習研究社

***
<© 2023 犬のしっぽヤモリの手 この記事は著作権によって守られています>

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