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粘土色の服を来た女たち

こないだ「笑コラ」を見ていたら、所さんが女性スタッフ陣を見て「なんだきみたちは揃いも揃って粘土みたいな服を来て」と指摘していたのを見た。

その瞬間、つい私も「そう!それ!粘土!みんなして!」と心の内で強く同意したのだった。

所さんの前に並んだ4-5名の女性スタッフ陣の服装は…
今年の流行色なのだろうか?
上下ともに、ベージュや薄めのブラウンや、他の色味だとしても一様にグレーがかったようなくすんだ風合いで、しかも素材はスウェット生地やニットでどれもオーバーサイズめだった。

つい先日私も仕事場で、やはり女性スタッフ3人ほどがみな、上下をベージュ・白で合わせ、もったりとしたシルエットの服装であったのを目にし、「あら、みんなおそろいね…」と思い、街に出てよくよく周りを見回すと、やはり似たような服装の女性が多く見られた。

「今年の流行なのかな」と思い、まず流行を楽しむのはとてもいいことだと思えた。

流行っているから、という理由でそれまで手にしなかったものを試してみるのはとても素敵なこと。
深く考えず、軽やかに、流行りものに手を出せば、新しい自分を発見できたり、たとえ失敗したとしてもそれは学びだ。

けれど、それでもやはり私は「人とおなじはつまらない」と思う人間なので、流行りものを取り入れる時にも「より自分に似合うもの」や「すこしだけ珍しいもの」を探そうとする。

また「今年の流行はこれ!」という風向きは移り変わっていくものなので構わないし、楽しめるが、やはり色も素材も「粘土っぽい」のはどうかしら?と思う自分がいる。

家を出る時に鏡を見て「私ったら粘土みたい」と思わないのかしら。

しかもみんなして。

トイレの鏡にみんな並んでみて「私たち粘土みたい」と思わないのかしら。

粘土はいい。粘土は好きだ。得意だったし、陶芸もやっていた。

素敵な粘土服がいちばん似合う方は、粘土を着てこそ輝くだろう。
でも…ハサミのようなシャープな子もいてほしい。折り紙のようなカラフルな子もいてほしい。ひとりひとりがいちばん輝く服を探してほしい。私はそれを見たい。

ゴスロリも、トゲだらけの革ジャンも、穴だらけの網タイも、Tシャツにデニムも、和装も素敵。
なぜ素敵か。
それはきっと、やっぱりファッションはただの衣料品じゃない。
それを着るものの主義主張スタイルでもあるからだろうな。

もしかして、私に感受できないだけで、粘土にも主張が?
みんなして粘土を着ることに、どんな?
粘土を着ている子に聞いてみたい。
なぜみんなで粘土を着るの?
(きっと変な顔をされるだろうな)

ファッションは好きだ。楽しい。でも詳しくはないし、自信もない。

個人の考えだけれども、女性は服装のどこかに、自分の体の丸さやしなやかさを楽しむ部分があると素敵だと思っている。

そして、妙齢の頃には、色もシルエットも自分の内面にいちばんしっくりくるものを定め、それを基盤にしてその時々の流行を楽しむのが理想的だと思っている。
これは、私の信奉するあるマダムの指針そのままだけど、私もそれを目指して修行の身といったところだ。

申し訳ない。
粘土のような服を来た女性たちのことを、いささか貶める内容になってしまったかもしれない。
どうか今は粘土を楽しんでください。実際の粘土も触ってみてください。
そして今年も春夏シーズン、また新しい色やシルエットが流行るようです。
いろんなものを試して、楽しんで、だれより素敵なあなたに辿りついてください。
私もがんばります。

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