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簡単にわかる 総理・内閣・政権党による裁判所(司法)支配

 簡単にわかるシリーズを始めてみました。

 比較的容易に物事がわかるようにした記事を書きます。

判事は任期制


 裁判所に勤務する裁判官の事を判事と言います。

 また、司法修習を終えて就ける裁判官の職を判事補と言います。

 判事補は10年経つと判事になる資格を得ます。

 判事は採用されたら定年まで勤め上げられる通常の公務員とは異なり、任期制となっています。

 任期は10年。

 10年の任期を終えると、再任用されるかどうかが審査されます。

最高裁判所事務総局が裁判官人事を支配


 最高裁判所事務総局は判事の人事を握ります。

 裁判所と裁判官に対して、絶大な影響力を行使しているのです。

 判事や判事補らが時の内閣や政権党に逆らったり、不興を買うような判決を出した場合、再任用されない可能性が高くなります。

 実際、国賠訴訟をはじめとする一部の裁判では、国の意向に逆らう判決を出す際、判事は辞表を忍ばせて法廷に出ると言われるくらいです。

最高裁長官を決めるのは政権党


 憲法上、最高裁長官は内閣の指名に基づき、天皇が任命する事となっていますが、天皇の権限は象徴的な権能に限られている為、実際には、政権党の幹部らが誰にするか決めています。

 当然、判事補に任命されて以降、国の意向に忠実に沿う判決を下し続け、階段を駆け上ってきた人物が任命されます。

司法を完全掌握する総理・内閣・政権党


 最高裁判所事務総局は、局長、課長等殆どのポストに裁判官が充てられています。

 最高裁判所事務総局の要職を経験した裁判官の多くが最高裁長官、同裁判官、高裁長官に昇進しています。

 事務総局は最高裁裁判官、高裁長官候補生を育てる養成機関であり、最高裁裁判官は原則として事務総局勤務経験者から任命される慣例があります。

 事務総局勤務経験者が最高裁長官や同裁判官等の上部ポストを代々独占し続ける人事制度によって、事務総局は国内全ての裁判所に強い権限と影響力を持つ事になっているわけです。

 もっと簡単に言ったらこういう事です。

 司法修習を終えて判事補になって以降、内閣と政権党の政治家達、裁判所上層の意向ばかり気にして、ずっと上を向いて職業人生活を送ってきた者達(こうした人達の事をヒラメ判事と言います。勿論、魚のヒラメの事です)が出世競争をして、少しでも上に気に入られたものが、より上に進む事のできるサバイバルレースをしている。

 無論、全ての判事がこうではありませんし、良心的な人もいますが、そういった人は出世しないか、端から出世を諦めている事です。

 こうして裁判所は内閣と政権党の意向に沿った判決しか出さなくなる。

 このあたりは項目を割くまでもないのでこのまま行きますが、検察はそれ以上に内閣と政権党の意向に忠実で、政治的な圧力や政治家の影響行使に弱い(例外は政治家の不正を捜査する地検特捜部)わけです。

 送検されてきた事件を担当する検事を、所属する検察庁の幹部が呼び出し、「この事件は穏健に済ませて欲しい(=不起訴処分とするように)」といった言葉を伝えて、そのような事件処理をするテレビのドラマで見られるような事も、実際にあるようです。

 一応言っておくと、検察官も裁判官と同様、最初から上に上がっていける人とそうでない事(組織内エリートと非エリート)が選別されている為、非エリート側に属する人は、その人の性格次第になりますので、お上の意向など知った事かといったノリで真面目に仕事する人もいます。

 逆鱗に触れれば左遷されますが。

 ですので検察も、裁判所と同様、全員が全員、お上の意向に沿って仕事をしているわけではないのですが、全体としてはお上の意向に沿う動きをする事になります。

 更に警察です。

 もう言うまでもないですよね。

 もっと露骨に政治の影響を受けます。

 結局、国賠訴訟や行政訴訟、憲法裁判、内閣や政権党、政権党の大物政治家が関わっているような事件、そういった機関や政治家の意向が働くような事件に関しては、まともな裁判など初めから期待できない、という事です。

意外な例


 騒音おばちゃん事件はご存知でしょうか。

 もう何年も前から、本当は加害者でなく、某宗教団体の嫌がらせの被害者だったのではないかと言われている女性に関する裁判です。

 女性の事をKさんと呼びます。

 Kさんに関しては、法廷の場で受けた嫌がらせと嫌がらせが始まるに至った経緯のかなり細かい事を訴えている事、また、匿名ながら、地域住民を名乗る人物が、嫌がらせはあったとネット上に書き込んでいる事などからも、事実である可能性が高いものと考えられます。

 この宗教団体は政治に強い影響力を持ち、警察に対しても影響力を行使可能ですので、警察に対して、Kを騒音攻撃をしてきた一方的な加害者として扱え、Kが訴えている被害は被害妄想だった事にして処理せよ、という働きかけ(事実上の指示)を行います。

 すると警察では、県警上層部から現場の警察官に「そのように扱え」という指示が出ますから、刑事達、捜査を取り仕切る捜査幹部ら(警部補や警部)は、そのような形で事件を処理し、証拠収集をして、地検に送ります。

 地検でも、宗教団体を支持母体とする政権党が、圧力かけます。

 すると地検の幹部が事件の担当検事を部屋に呼び出して、「最近は被害妄想で嫌がらせを受けたなどという事件が増えているようで、本当に飽き飽きするね。最近も愛媛の方で嫌がらせを受けたと言って調べてみたら、被害妄想だったそうだよ。そういう手合いは取り合わない方が効率的だ」等と、案にKの訴えには耳を傾けるな、と含ませるわけです。

 すると担当検事Kさんが訴えている被害について、調べた形だけは残しますが、実際にはガン無視して事件を処理し、Kさんが一方的に加害行為を働いた悪い人間だった事にして起訴します。

 裁判が始まると、今度は、担当している判事(裁判長)が、地裁幹部の裁判官にごちょごちょと言われるわけです。

 暗に、Kの言い分は無視しろ、騒音攻撃で被害者を酷い目に遭わせた極悪人として事件を処理してしまえ、と。

 検事と判事は判検交流もあり元から関係が良好なので、Kさんを執拗な騒音攻撃で一方的に相手を苦しめた異常者として罰する判決を出す方向で話を進める。

 そもそも警察自体がその方向で判決が出るような証拠集めしかしていないので、Kさんが訴えている被害に関しては、弁護士が独自に動いて証拠を集めるしかありません。

 しかし、近隣住民らは、証言をする事で地域社会からはばにされては堪らないと考えて、誰も証言しません。

 それ以前の問題として、この宗教団体がバックで暴れていたという話になったら、みんな報復を恐れから、誰も証言する筈がありません。

 そうして結果どうなるか。

 Kさんは自分が受けた被害については裁判所から門前払いを食らい、何も被害を受けていない状態で、一方的に加害行為を働いた悪辣な人間として、単なる騒音トラブル以上の重い刑罰を言い渡されて、終わる。

 Kさんが本当に例の宗教団体の嫌がらせ被害者であった場合、逮捕から判決が出て刑が確定するに至るまで、このような事が裏で起きていた可能性が高い事になります。

 酷い話ですし、理不尽極まりないですが、これが現実なんです。

 あの裁判について、ここで書いたような悲惨な事、法治国家とは呼べないおぞましい事が行われていた可能性に関して、言及している人は見かけた事がありませんので、気づいている人自体、少ないのかも知れませんが、あの裁判にはこうした見方もできるのです。

 司法システムと警察を完全に抑えられてしまうと、こういった怖ろしい事が現実に起きてしまう、という事なのです。

 山口県周南市(旧都濃郡鹿野町)で発生した村八分への報復殺人も、ここで触れたような問題が生じていた可能性があります。

 他にも、もしかしたら、こうした事があったのではないかと、個人的に疑っている事件はありますが、あくまでもそれは個人の想像の域を超えませんから、ここで触れる事はしません。

 ですが、これだけは断言できます。

 この宗教団体にとって都合の悪い判決は、事実上、出ないという事です。

※この宗教団体が訴えられた裁判で、被害者側に完全に証拠を揃えられ、裁判官が宗教団体側に都合のいい判決を出せないようなケースは別です。

 また、この記事を読んでいてピンとくる事件(当てはまる事件)があったとしたら、恐らく、そういった事が裏で起きていた、という事です。

日本は中国やロシアと大差ありません


 これをお読み頂いてわかったと思いますが、日本という国は既に、中国やロシアと大差ない、政治家の意向で裁判所の判決すら変えられるような、人治主義的な国に変わり果ててしまっている、という事です。

 日本では三権分立がきちんと機能しておらず、分離できていないという指摘が古くからあったわけですが、現状では、その指摘があった頃など比較にならないくらい、腐敗が進行し、最早、浄化による正常化が期待できるかどうかすら、怪しいところまで来てしまっているわけです。