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推し本の魅力を、非言語による映像表現に①〜船橋市立金杉台小学校5年生の実践〜

こんにちは。F.ラボアンバサダーの高村ミチカです。小学校教員を11年経験後、現在はフリーランスライター/編集として活動をしています。元教員だからこそ、学校と学校の外側をつなぐ学びの結び目のような存在でありたい。「本物の学び」を引き出すお手伝いをしたい。そんな思いで、F.ラボアンバサダーを務めています。

F.ラボは現在、小中高大や特別支援学級の他、フリースクールや塾など30以上の教育機関と連携して、60以上のワークショップや授業プログラムを実施中です。

この度、お邪魔したのは、千葉県にある船橋市立金杉台小学校の5年生の教室です。

非言語表現だけで映像をつくるワークショップを通じてプロっぽい映像をつくる経験をした子どもたちが、それぞれの推し本の魅力を映像表現にまとめる活動に挑戦。国語の「読むこと」の学習と関連させながら、総合的な学習の時間を活用して取り組みました。

今回は、カントクや友達からフィードバックをもらう中間発表会の様子をレポートします。


エモい映像をつくろう〜推し本の魅力を、非言語による映像表現に〜


<プログラムの概要>

目標
・非言語による映像でメッセージを伝える活動を通して、その方法の特徴や良さについて理解し、自分たちが伝えたいことをより効果的に表現する手段を増やす

流れ  
8月  教員研修「インタビュー映像をつくろう〜プロの映像制作の流れを学ぶ〜」
10月  授業プログラム(2コマ)「エモい映像をつくろう〜非言語による映像表現に挑戦〜」 
11月   国語の「読むこと」の学習関連させながら、総合的な学習の時間を活用しながら推し本の魅力を映像にまとめる
12月  中間発表会(1コマ)カントクからのフィードバック

※詳細は、https://f-lab.info/page-programをご覧ください

対象
小学校5年生

実際の映像成果物
推し本の魅力が伝わる映像(1分程度)

事前準備
夏休みを利用し、教員研修を実施。先生方には、撮影や編集のレクチャーを行っています。先生方自身が体験をすることで、先生のお悩みや心配ごとをクリアにすることができ、子どもたちの学習効果も飛躍的に高まることが期待できます。また、先生自身が映像制作の過程を単元のどこに位置付けるかをイメージしやすくなります。


より良い作品づくりへの意欲を促す、プロのフィードバック

これまでに、子どもたちは、推し本の魅力についてどうやったら伝わるかを考えて映像をつくってきました。今日はいよいよ中間発表会です。初めて、みんなの前で大きな画面に映して発表するので、最初はかなり緊張気味な様子……。

みんなの前で発表!電気を消すなど雰囲気作りも大切

映像を見たカントクからフィードバックが入ります。カントクからの「いいね!」「みんなすごい!」の言葉に、だんだんと子どもたちの緊張がほぐれていきます。

「一番最初のカットがいい。ローポジションで、なめている(手前に物や人物を置く構図)から、奥行きが出ているね」
「いいねー!あえて音楽を入れないところがあって、登場人物の気持ちの変化を感じるね」
「ここ、とめて!これって、登場人物が見ている世界になっているよね。映像を見ている人が同じ目線で見るから、物語の中に入り込めるね」
「曲がフェードアウトした後に、画面が暗くなる。終わり方を工夫しているね。この後どうなるか気になる」

フィードバックというと、ダメ出しをするイメージがあるかもしれません。しかし、カントクからのフィードバックはポジティブなものがほとんど。それは、表現に正解はなく、あくま好みだというカントクの思いからです。

そもそも一度つくった作品を改善しようとする過程は、子どもたちにとっては必要感を感じにくいもの。だからこそ、良かったところを伝えるポジティブなフィードバックを全体ですることに価値があるのです。子どもたちのワクワクを高めるだけでなく、他者がやっている表現の工夫を自分の表現にも取り入れてみるなど主体的な学びを促すことにもつながるでしょう。


授業後、カントクに直接フィードバックをもらいに…
休み時間になると、すぐに映像を改善する子どもの姿も


映像にしか表現できない「エモさ」がある

授業の最後に、最近エモいと感じた映像をカントクが紹介してくれました。

それは、JR東海のこのCM。

映像を見た子どもたちからは、
「たくさんの人の視点で、景色が変わっていくのがエモい」
という声が挙がりました。

仕事に向かう人
友達と会う人
田舎に帰る人
たった1分の中に、それぞれの視点が描かれている。
確かに、それは映像表現だからこそなせる技です。

「この映像には、ほとんどセリフがない。文字がない。非言語表現だけで『なかなか会えなかった人に会いに行ける喜び』を表現できている。その気持ちを作り手も観る側も共感できるから『エモい』と思う」

と、これはカントク。

「エモい」の語源は、「emotional」ではなく「えもいわれぬ」からではないかという説があるそうです。「えもいわれぬ」とは「言葉で言いようもない」つまり、言語表現では伝えきれないという意味。まさに非言語表現にぴったりの言葉ではないですか!

言葉では伝えきれない「物語」を映像の中に感じた時、「エモい」表現になる。非言語表現の伝える力を実感する時間となりました。


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