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気ままな読書日記

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ジャンル関係なく、気ままに本の感想を書いていきます。
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2023年12月の記事一覧

小川金男『皇室の茶坊主 下級役人がみた明治・大正の「宮廷」』創元社

小川金男『皇室の茶坊主 下級役人がみた明治・大正の「宮廷」』創元社

著者が宮中の仕人(宮内省の様々な雑務に携わる下級職員)として、宮中で見聞きした体験(明治41年から25年間)を後日、記憶の中で確信がつくものに限って記述したものである。ただし、本人の記憶違いが全くないわけではないらしい。

本書は、1951年に『宮廷』という書名で、発刊したものを、名古屋大学の河西秀哉氏が監修し、再刊したものである。第二次大戦後、天皇制の危機にあたり、天皇の「人間」らしさをアピール

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西出ひろ子『突然「失礼クリエーター」と呼ばれて』きなこ出版(星雲社)

西出ひろ子『突然「失礼クリエーター」と呼ばれて』きなこ出版(星雲社)

「失礼クリエーター」とは、マナー講師につけられた別名だそうである。「〇〇をするのは失礼。」「××しては失礼。」と新しい失礼となることを創出しているマナー講師への侮蔑の感情がネーミングネーミングだそうである。

著者も知らないマナー、聞いたこともないマナーがテレビで紹介され、本にも掲載され、世の中に出回っていく。あいさつ、服装、言葉遣いなどについて、同じケースでも講師によって伝える内容がバラバラとい

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