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村の昔の生活史

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昭和43年から続く小さな村の広報誌。ページをめくると大野見の歴史や民話、暮らしぶりが記されている。 そこには歴史の教科書に出てくる偉人など一人もいない。
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#豆腐屋

町に豆腐屋があるという贅沢。

町に豆腐屋があるという贅沢。

畠の肉とも呼ばれる程栄養価も高く消化もよい、みそ汁に、すき焼きに日本人の食卓に欠かすことのできない豆腐、この豆腐を製造し続けて四十余年。

雨の日も風の日も豆腐に明け暮れ、私の生きる道と定め、ひたすら豆腐造りに精出している「豆腐屋のおばさん」 こと黒岩挙(あぐる)さんを今回は紹介してみたい。

豆腐との出会い

 挙さんは明治四十年(1907年)一月、窪川町東又で七人兄弟の五女として生まれた。
 

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