【本の紹介】君のクイズ/小川哲
子供の頃から、テレビでクイズ番組を観ることが好きだった。
とくに家族そろってクイズ番組を観ているとき、おのずと家庭内クイズ大会みたいな雰囲気になり、誰が1番早く正解を答えられるかを競うのがとても楽しかった。
テレビの中で、タレントが早押しボタンを「ピンポン!」と鳴らし、答えるまでの数秒の間に、テレビを観ている私たちが必死に脳内から正解を探し出し、口に出す。
それが当たっていたときの嬉しさは、とても大きかった。
クイズの面白さ・醍醐味は、知識の量を競うところではなく、問題文の途中でその後の問題文を推測し、たった一つの正解を導き出すところにあると思う。
クイズの達人たちは、まるで常人には想像がつかないようなタイミングで早押しボタンを押し、正解する。
昔、アメリカ横断ウルトラクイズ、という番組があって、その決勝戦は早押しクイズだったけれど、そのハイレベルな戦いは、とてもお茶の間が参加できるものではなく、単純にスポーツ観戦のように「すごい人たちを見て楽しむ」体験になっていた。
小川哲著『君のクイズ』では、クイズ番組の決勝戦で、問題文が一文字も読まれていないのに正答し優勝を果たすという珍事件ついての真相に迫る。
あり得ないでしょ!と思ったものの、物語を読み進めるうちに、真相が少しずつ明らかになってきて、そのワクワク感がたまらなかった。
クイズって、なんでこんなに楽しいんでしょうね。
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