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【本紹介】我が友、スミス/石田夏穂

この本を読んだきっかけは、タイトルとジャケットのインパクトに惹かれたからです。

なんだか、今までにない純文学と出会える予感を感じました。

そして、その期待は見事に当たりました。


本の入手経路、値段

2022年1月に販売開始された比較的新しい作品ですが、図書館で待ちもなく予約することができました。

というわけで、費用0円。


感想、オススメどころ

女性のボディビルという、かなりマニアックな世界を描いた作品で、とても興味深かったです。

ああ、こんな世界があるんだと、学びになりました。おそらく著者はかなりの取材を重ねたと思えるほど、女子ボディビルの内実が垣間見れた感じでした。

本の帯にも書かれているように、この本の主題は「別の生き物になりたい」ですが、その言葉の印象とおり、とても熱くてまっすぐで、それでいて儚いストーリーだったと感じました。

私が特に印象的だった箇所は

やっぱり外部に向けて物事を主張することには、そうしないこと以上の価値があると考えるから。第三者に認められようとすることで、人間は一皮も二皮も剥けるものだから

というセリフです。
なんとなく、このnoteやSNSでアウトプットすることで、自分の思考が磨かれていく過程と似ているなと思いました。


終盤のカタルシスもとても味わい深く、素晴らしかったです。心にジンときました。

ジェンダーの問題も絡んでいて、社会的な文脈でもとても読み応えのある作品です。


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