「全体の3割のスーパーが赤字」の記事(@_@)
スーパーの経営者だった私は特段驚きもしないが、「赤字は社会の害悪」とか「利益無きところに発展無し」と、立派な格言通りに行かないことはよく知っている。赤字のスーパーは3割どころの話じゃない!
先の投稿で「鳥取県の農協系スーパー(Aコープ)が全店閉店」のニュースを取り上げたが、こと鳥取県のスーパーは「7割が赤字」と、全国でも最も厳しい県だった訳だ。それゆえJAのスーパーがいち早く損切りした理由が分かった。
店を閉めるのにも体力(金)が要る。後始末のための支払いは、閉店の次の日から「収入ゼロ」になる財布からは出せない。故に手持ち資金に余裕がある会社だけが「閉店・撤退」が出来るのである。
さて、巣篭もり需要を生んだコロナ禍で、外食に流れていた金も全てスーパーに落ちた。しかしそれから状況が回復するに従って、ほぼ全てのスーパーの売り上げが前年割れとなる。
(スーパーだけに)良いことばかりは続かない。振り子は返り、今度は外食産業への揺り戻しが始まった。
海外の紛争を機にエネルギー価格が高騰し、商品価格も値上げラッシュ。それを価格転嫁できたと回答したスーパーの多くは「便乗値上げ」したはずだ。例えは悪いが、一時高騰した卵の価格、今はやや下がったとは言え、もう200円以下では売らない。
それに加えて人手不足と最低賃金のアップだ。良い従業員(パートさんも)を雇いたくても地方で時給1,000円出せるローカルスーパーは少ない。
大手スーパーはあの手この手(共同配送や大量仕入れ等)でなんとか利益を確保していけるのかも知れないが、体力の無い中小ローカルスーパーの未来はとても暗い。
ディスカウントスーパーOKが銀座に出店し、全国チェーンが人口が少ない街にも出店、おまけに外資もやって来る。その中で体力(競争力)の無い地域のスーパーが生き残っていくのは至難の業だ。
👤いち早く潰れて退場した私が偉そうに言うのも気が引けるが、中途半端な規模(年商100億以下)のローカルスーパーはもう生き残れないと思う。
限られた商圏人口の中に、ねじ込む様に大手や外資が参入してくる。そこに『共存共栄』などと言う呑気な考えは全く無い。例え「出店説明会」で開発の担当者がそう言ったとしてもだ。
それなら閉鎖商圏で競争がない店や、評判で固定客や名物商品を持っている個人スーパー、地域密着で街の催しへの仕出しや冠婚葬祭の食材納品、病院や学校給食・キャンプ場への納品を得意とする店の方が、まだ生き残りの可能性は残されている。しかしその店をご子息が跡を継ぐことはお勧めしない。
お客さんは店の状況なんか気にしなくていい!
自分の好きな店で好きなものを買って、どんな文句を言っても許される。
👤時代の流れと共に消えていくローカルスーパー…。
私も遅かれ早かれの運命だったのかも、と考えてしまった(^^;
※最後までお読み頂きありがとうございます!
あなたが失敗した時、迷った時、逆境の時、倒産地獄から生還した私だからこそできる励ましを届けたい。皆さんの力となり、笑顔になれる記事を投稿していきます。私もまだ発展途上です、一緒に成長していきましょう!
【小林 久ホームページ】
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