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【スーパーアキダイがロピアに身売りした訳】

野菜の値段が急騰したり、スーパーのネタに困った時、メディアはこぞってこの「スーパーアキダイ」の秋葉社長にマイクを向ける。庶民的な語り口やその人柄は、視聴者の知名度も高く業界でも唯一無二の存在である。

このスーパーアキダイはまだ創業して30年余りの、比較的新しい個人スーパーチェーンである。大手との競争に負けず、その社長のキャラを前面に出し、熱狂的なファンをベースに強者との戦い生き残る「ランチェスター戦略」の見本でもある。

私もスーパーの社長時代は「この秋葉社長の様に、自分のキャラを売り物にしてやる!」といつも意識していた。しかし彼とは違って(100年もやっていたが)最後には倒産の憂き目に遭った。私は彼とは違った、すべて自業自得である。


一部報道には出たが、この「スーパーアキダイ」が全株式をあの「ロピア」に売却し、完全子会社になったことを知る人は少ない。

👤私はこのニュースを聞いた時、とても複雑な思いがした。

「アキダイだけは大手の軍門に下ることなく、最後まで戦い続けてくれるだろう!そして全国の中小ローカルスーパーの星として今後も君臨してくれるだろう」と思っていたのに…

👤「な〜んだ、結局は身売りして競争から降りたんだな。今後は(資金面でも)なんの心配もなくロピアが面倒見てくれる。期待してたのにガッカリだ。これからも個人スーパーのフリしてテレビに出るんだろうけど、言葉に重みは無くなるよな」

☝️まあ完全な私のヤキモチである_| ̄|○


秋葉社長でさえ、「このまま個人のスーパーチェーンを続けていても、近い将来必ず壁にぶち当たる。それなら従業員の未来を考えても、(M&Aの)お誘いがあるうちにそうしよう。これからは利益よりも継続していくことこそ最優先される」と決断したのだと思う。勇気がいる決断と理解する。

ご本人もできれは人の手など借りたくなかっただろうし、ロピアがこの規模の個人チェーンを買収するメリットもない。あるとすればこの秋葉社長のキャラにロピアが◯◯億円の値段を付けたということ。そしてその対価として彼は(一定期間)看板を残すことができた。

私にも過去同じ様な申し出があった。そしてそこそこ良い値段がついたことを覚えている。

👤「大手のスーパーがウチを買収に来たぞ。もし売れば社長の俺は億万長者になれるし、お前たちはもっといい環境で働けて、生活も安定する。どうするかみんなで決めよう。俺はどっちでもいいよ」

私はその時、従業員に腹を割って相談した。
そして全ての従業員に「反対」されてその話はオジャンになる。その後はその大手スーパーに私のスーパー(ドル箱)のそばに出店が続き、最終的には倒産することになる。

会社の舵取りは「社長」の責任である。
アキダイは生き残り、私は消え去った。ゆえに彼は一流の経営者である。

#人の軒下で商売したくなかった私



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