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#差別

論考、差別とは何か

論考、差別とは何か

最近、何かと差別が耳目を集めている。
しかし、従来の差別観そのものが差別を深める構造を有していることは未だ一般的に認知されていない。

そこで、かつて国際学会のためにアメリカまで行ったのに手続き上の不備で学会誌に掲載してもらえなかった論文を元に書いた差別についての論考を公開してみる。

0.差別とは合理的理由のない区別のことである。

 辞書的な字義

1.異なる属性を持つ者同士は常に互いに互いを

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不当な差別を「差別」、正当な差別を「区別」と呼んではダメなのか?

不当な差別を「差別」、正当な差別を「区別」と呼んではダメなのか?

SNS上で『差別の本来的な意味は差をつけて区別する事であり、正当な差別も存在する以上、不当な扱いを伴わない差別(区別)を「区別」と呼び、「差別」の語を不当な物とするのはおかしい』という意見を何度か見かけました。

しかし、現代日本では自然言語的に差別(区別)する際に不当な扱いが行われる場合を特に「差別」と言い習わし、不当な差別以外の分別を「区別」と呼んで、その差別が不当か不当でないものかを呼び分け

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