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不当な差別を「差別」、正当な差別を「区別」と呼んではダメなのか?

SNS上で『差別の本来的な意味は差をつけて区別する事であり、正当な差別も存在する以上、不当な扱いを伴わない差別(区別)を「区別」と呼び、「差別」の語を不当な物とするのはおかしい』という意見を何度か見かけました。

しかし、現代日本では自然言語的に差別(区別)する際に不当な扱いが行われる場合を特に「差別」と言い習わし、不当な差別以外の分別を「区別」と呼んで、その差別が不当か不当でないものかを呼び分けているわけです。

 差別→不当+差別(区別)
 区別→正当+差別(区別)

つまり、正当な差別・不当な差別、差別・区別は同義語の言い回しの問題にすぎません。

実際、”商品の差別化”など価値中立的な差別の用法も残っているわけで、差別の語を「不当な差別」、区別の語を「正当な差別」という意味で扱う事はこれらの語の一用法として適当であるといえます。

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