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歴史の小箱

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自作記事のうち、歴史に関わるもので特に読み応えのありそうなものをまとめました。
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#日本古代史

「四道将軍」考

「四道将軍」考

古墳の分布を見ていると、吉備に造山古墳・作山古墳、丹波(丹後)に網野銚子山古墳・神明山古墳、越に秋常山1号墳、毛野に太田天神山古墳と、その地域で隔絶した規模の前方後円墳が築かれている。これは在地豪族の墓ではなく、中央(ヤマト王権)が派遣した節度使的な人物の墓ではないかと自分は考えている。これらの古墳はだいたい4世紀後半〜5世紀に築かれているが、この時期はヤマト王権の中央集権化が一気に進んだ時期で、

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馬見古墳群、佐紀古墳群は誰の墓か

馬見古墳群、佐紀古墳群は誰の墓か

日本ではおおよそ3世紀から7世紀にかけて、古墳と呼ばれるマウンドを伴った大型の墳墓が権力者によって造営されてきた。そうした古墳はときに古墳群を形成するが、他を凌駕する規模の大和古墳群、馬見古墳群、佐紀古墳群、古市古墳群、百舌鳥古墳群を「畿内五大古墳群」と呼ぶ。このうち大和古墳群だけが古く、あとはおおよそ5世紀に盛期がある。

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継体天皇の出自について

継体天皇の出自について

今回は継体天皇の出自について書いてみる。
継体天皇は越前の出身で、北近江の息長氏や三尾君との関係が取り沙汰されているが、記紀によると応神天皇五世の孫となっている。

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