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天照と素戔嗚の誓約は女王と男王の確執

やまとみずほの国に生まれて  第十話

魏志倭人伝原文 倭女王卑彌呼與狗奴國男王卑彌弓呼素不和
日本語訳 倭の女王卑弥呼は、狗奴国の男王卑弥弓呼と旧より不和である。

第九話の「倭女王卑彌呼與狗奴國男王卑彌弓呼素」は、最初に卑弥呼が朝貢した西暦238年から10年経った248年の記録で、同時に卑弥呼の死も記されている。「三貴子の誕生は邪馬台国連合国家の誕生」の後も邪馬台国の女王ツクヨミと長国王スサノオは確執があったのだ。不和ではなく確執であることは原文を簡略した「女王男王不和」をグーグル翻訳して分かった。

それを神話化したのが、ズバリ「アマテラスとスサノオの誓約」だ。神話はこの後最大のハイライトである天岩戸伝説を迎えるが、魏志倭人伝は実話なので卑弥呼の死と記す。魏志倭人伝に登場する人物が最初から神であるわけないから、これは卑弥呼ツクヨミが本当にお隠れになったのだろう。そしてその死因にその前に暴れたスサノオに一因があったのは間違いないだろう。

魏志倭人伝通りに日本神話を解釈しようと考えたのは後付けであり、誓約をどう解釈すれば実話になるかは既に妄想済みだった。アマテラスはスサノオの剣を砕いて宗像三女神を生み、スサノオはアマテラスの勾玉や珠を砕いて五柱の男神を生む。互いの力の象徴を噛み砕いてとは自らの力でその女神や男神が治める土地を制圧したのだ。剣と勾玉は後の三種の神器ではないか。

ならばツクヨミとスサノオの確執とは何か。それはスサノオは手っ取り早く武力で制圧しようとするが、統治を賢く行うのは北風より太陽政策であるとツクヨミが主張する。それに単身文句を言いにスサノオは長国から女王国を訪れるが、ツクヨミは表に出ず弟である祭祀王のアマテラスが相手をした。
スサノオは納得せずツクヨミの死に直接関与したためか、追放されるのだ。

宗像三女神は「国生みは壮大な王権拡大プロジェクト」の通り、宇佐神宮の辺りから宗像市へ移された。なぜ宇佐神宮なのかは神功皇后の熊襲征伐後に真ん中に祀られたからとも書いた。これはアマテラスの祭祀の力で実行されたと神話に書かれている。ちなみに阿波の神山にある宇佐八幡神社が元社で有名な称徳天皇時に道鏡が即位する宣託を虚偽としたのも元社の方らしい。

スサノオが生んだ五柱が祀られる土地を調べたら、スサノオが征服した地が分かると調べたのが上図であるが、征服された側が素直に言うことを聞くはずもなく、あまりパッとしないのは致し方ない。長男と五男が活躍するのは神武東征時なので今回は割愛する。次男は愛媛、三男は高知に祀られていて阿波讃岐以外を征服しているのは予想通りも、四男は徳島市内にしかない。

天岩戸伝説で活躍する八咫鏡を造らせたのはアマテラス。罪作り、罪創り。

#週刊少年マガジン原作大賞

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