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がん様々 13 振り返って見えるもの

がん患者による、がん患者のため、
がん治療対策マニュアル


2章 抗がん剤治療開始

17 治療は誰かと共にある

抗がん剤治療の後半へいく前に、改めて、抗がん剤治療経験の初めてを振り返りました。
抗がん剤初回は身動きが取れない中、一人で乗り越える大変さに直面しました。
2回目からは、自然発生的にできたサポーターチームに救われました。
そして、人に頼るということを知りました。

仕事では「任せる」楽(らく)さを知っているため、自分がやるよりも得意とする人にできる限り任せています。
ですがプライベートでの私は、ある程度自分でできてしまうのと、そのほうが楽なのとで、「プライベートのことで頼る」という思考回路が極細でした。

頼るとはどういうことなのか…!?とよく分からないくらい、乳がん発覚前までは頼る道が思考のどこにあるのか知らなかったのです。
プライベートの心が頼る、ってこういう風にするのかぁ、と雲が晴れたように気付けました。
友が教えてくれた「頼る」ということ。乳がんになって本当に良かったと思う理由の1つです。

誰かの目があることは時に救いになることを思うと、シェアハウスも環境によっては安心材料になるかもしれないですね。シェアハウスにはまだ課題もあるようですが、独り身が増えている現代、そのようなことが実現するシェアハウスが増えることを望みます。

私は、このように治療は友と共にありましたが、一人で過ごすほうが楽な方もいらっしゃるでしょう。家族と共にある方もいらっしゃるでしょう。
治療生活が誰かと共にあっても、一人で過ごす環境であっても、より過ごしやすい治療生活を送れるのであれば、それぞれで良いと思います。

それに伴なって、患者本人や共に過ごす誰かの気持ちや気遣いが、負担にならず、楽であることが、前向きに生活できるコツかもしれません。
患者だけでなく、関わる人々も同じく大切です。

1ミリも落ち込むことがない、むしろ治療を楽しみ、乳がんを患って得られたことに、乳がんになって良かった、と心から感じているこの性格。
私にとって落ち込むことは、心のお薬にはならない。落ち込むスイッチがどこにあるのか分からない。
脳のどこのスイッチを押せば落ち込めるのか、分からないのです。

経験は宝です。すべて宝です。人生はあらゆるものの宝庫です。
どの経験も、経験していないと想像したら恐ろしくて身震いするくらい、私にとって欠かせません。
その思いは、リンパ節転移の治療をしている今も、変わりありません。

例えマイナスイメージが強い経験でも、未来に光る原石と思っています。


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