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がん様々 7 はじめての仕事復帰、はじめての脱毛との付き合い方

がん患者による、がん患者のための
がん治療対策マニュアル


2章 抗がん剤治療開始

8 仕事復帰!

翌日から仕事復帰です。今まで、このように仕事を休んで自身の身体にだけ集中して生活することがなかったため、仕事の感覚が鈍っていました。
胃の周りの筋肉が固まり背中が痛く、果たして仕事はできるのかと心配になりましたが、自分で自身の施術をし、かなり楽になったときには、初回投与後からはじめてホッと感を覚えました。
私は、本当に仕事一筋の生活だったんだなぁ、とこんな時に感じます。

投与からの休み中は、食事の摂取量が少なかったことによるものか、体力低下が著しく、それに伴い寒気がありました。“これはいかんっ!対策を練らねば”です。

6日目。仕事復帰。お1人目は緊張しましたね。今までに味わったことがない、「どうやって施術していたのだっけ!?」状態になっていました。
施術の情報も感覚も、体のどこかに納められているのか……手探りしながらのスタートでした。

しかし、いざ施術で身体を動かしはじめると、昔よく乗っていた自転車に不安ながらも久し振りに乗ったら、あっという間に思い出したと同じような感覚で、施術の感覚も戻ってきたのです。
施術をするごとにどんどん身体が軽くなり、どこに隠れていたのか!?と驚くほどの尿が排出され、みるみる身体が軽くなっていったのでした。
ここでもまた、動くと身体は楽になる、が起きたのです。

終業後は、初回投与日に付き添ってくれた Gさんが、お夕飯を作ってくれることになり、生姜焼きとお味噌汁をリクエスト。すべておかわりし、Gさんには「中学の野球部員並みに食べたね」と言われたほど、食べました。
施術で身体を動かし、エネルギーが巡り、細胞が完全に動き出した感覚です。
7日目から、食事量は元に戻りました。

この頃、2つの症状が現れていました。

1つは、眩しいネオンを凝視しているような光が、視界の左半分で半楕円状にチカチカと光り続ける症状が出現していました。視界の邪魔になり、外を歩けるか心配になりましたが、この症状は長くは続きませんでした。

もう1つは、しこり痛や頭痛。しこり痛は、発見時の炎症を起こしているような痛みではなく、しこりが縮んでいくような痛みと背部中央部痛、頭痛がありました。
しこり痛は抗がん剤が効いてのことのような感覚でしたが、寒気や頭痛は血流不足によるのではないかと思っています。

9  唯一の悩み…頭髪の抜け

私が最初から最後まで悩み続けていたのは、髪のことだけです。落ち込みはないのですが、髪が無くなるという想像がつかず、面倒くさい感覚もあり、段階を踏んでまずは中学生以来のショートカットにしました。何なのでしょうかね、この感覚。髪はやはり、女の命なのでしょうか。

ただ、だからといって悲観的な感情はなく、いかに楽に抜けた髪を処理するか、その方法ばかりを考えていました。

坊主頭にしてしまうという手も考えたのですが、毛穴に残ったわずかな短さの髪が抜けてお布団に埋もれることを想像したら、それが刺さってチクチクと痛そうだし、少々不気味な感じもあり、即却下です。

だいたい初回投与日から2週間経った頃から抜けはじめると聞いていたので、順調な展開でした。ここで予想外に起きた症状が、毛穴の奥に炎症が起きているような痛み。とにかく頭皮の中が痛くて、頭全体で起きるものですから、洗髪するのも苦痛を伴うくらいでした。

ここで、REMANO(レマーノ)ハンド美容液と出会いました。

直感で効果がありそうな気がしたので頭皮につけてみたところ、なんとビックリ!痛みが激減し、とても楽になったのです。このREMANOは、無添加、無防腐剤、無酸化防止剤、無香料、無着色剤、アルコール不使用、パラペン不使用を徹底し、無駄なものを一切いれずに、水を安定させる技術の成功により作り上げられたものです。負荷がかからないのを感じます。

この頭皮痛の症状は、後に増えた“がん友”からも聞くこととなり、ご相談をいただく都度、このREMANOハンド美容液をご紹介しています。

現在の治療では、顔や放射線治療痕にも使用しています。後にお話いたしますが、現在の抗がん剤治療で、放射線治療を受けた場所にのみ、微塵も想像していなかった症状が起きたのでした。

髪の抜け毛処理は、シャワーで流していると、とにかく止めども無くダラダラと抜け続けるので、どの時点で流し止めようかタイミングを逃し、抜けはじめた最初は、1時間も髪を流し続けていました。いっそのこと、掴んだ髪がすべてスポンっと抜けてほしいと思いやってみましたが、そう望み通りの状態にならず、徐々におさらばしていくという、少々面倒なこととなりました。

流し方は、頭を起こした状態でシャワーを浴びると、必然と抜けた毛は身体へと落ちてきて気持ち悪いことになる上に、かなり面倒くさいことになるので、椅子に座り、頭を排水溝の上へ下ろし、後頭部からシャワーを流すという手法で落ち着きました。

しかし、現在の治療による脱毛対策は違います。この経験から、もっと楽な進化版策を見つけました。洗面シンクの上に頭がくるように座り、手櫛でひたすら落としていく、というかなり大した差のない対策ですが、お風呂で裸でひたすら流すより大変楽でした。
最善の策は結構、単純なものだったりするのですよね。

最初は、毛がどんどん落ちていく様子が楽しくて手櫛を1時間もしたのですが、気付けば、シンクに溜まった毛が、そのまま被れそうなカツラのような形状になっていました。これを2日間ほど続けたら、8割ほど抜け落ちてくれました。

その時の状態 ココから徐々に抜けていきす

果たして、これが皆さんのお役に立つのか、お試しアレ。

寝るときは、綿のナイトキャップをかぶりベッドに散らばらないようにし、起きたらナイトキャップを裏返しコロコロで処理していたのですが、この方法は手間入らずで楽です。

一週間もすれば、ごっそりと抜けるのは止まり、処理が楽になりました。初回の抗がん剤では、髪の毛は1割ほど残り、眉毛とまつ毛が抜けたのは1割ほどで、ほぼ変わりませんでした。
この脱毛は、頭や眉、まつ毛だけでなく、鼻毛も体毛も抜けます。そして、生えてきます。

現在の治療では、脱毛の様子が少々変わりまして、5年という年月が経った歳の差を感じています。この5年で毛質や毛穴が歳を取ってきたのを感じていたので、抗がん剤による副作用の出方も変わって当たり前なのでしょう。

いずれにしても、抜けてみれば楽なもので、乾かす手間もブローする手間もいりません。生え揃ってくるとドライヤーを使う面倒さも戻り、あの楽な時期がたまに懐かしくなりますが、やはり生えていることは嬉しいですね。
そして今はまた、その楽な時期を過ごしております。

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