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夢日記(3)「登り坂、雑巾がけ、四条通り、エメラルド色のパンツ、疾走」

ほとんどの夢は、時間も場所も登場人物もコロコロ変化し支離滅裂ですよね。

不思議なイメージの羅列でとても文章にすることができません。

でも、たまにリアルであったり、なんとなく筋が通ってたりするので、そんな夢を書き残してみたいと思います。

夢を日記に書くと危険だと言われてますね。だんだんリアルな夢を見るようになり、夢と現実が分からなくなるとか・・・

危ないと感じたらやめればいいし、そもそも書けるような夢なんてほとんど見ないでしょう。

やっぱり危険ですかね?

今回は第3話です。



「登り坂、雑巾がけ、四条通り、エメラルド色のパンツ、疾走」


私はマラソンランナーだ。

と言っても趣味で色々な大会に出ている素人ランナーだけど。

今、走っているが、調子はいい。

それでも、招待されているような有名選手には到底かなわない。

いつもなら·····


調子がいいので、珍しくトップグループの少し後ろで食らいついている。

頑張って追いつこうとするのだが、

何故か足が軽すぎるというか力が入らず、ひょこひょこと変な動きになってしまう。
自分の足ではないかのようにコントロールが効かない。

それでも思ったよりスピードは出ている。
「もっと足に力が入れば追いつけるのに」と、もどかしい気持ちになる。


やがて、コースは登り坂になってきた。

体が前がかりになり、足に体重がかかる。しっかりと地面を蹴ることができ、みるみるスピードが上がる。

そうなのだ。私は登り坂にめっぽう強い選手なのだ。


あっという間に先頭に立った。
こんなことは初めてで、気分が高揚してくる。

大会のルールで、何故か登り坂では、アスファルトの地面を雑巾がけしながら走らねばならない。

これが、強豪選手たちを苦しめているようだ。逆に私は軽快に地面を拭きながら疾走している。

しかし、さすが強豪選手たち。少し後ろまで来ている気配がする。
追われる立場になると、とたんにプレッシャーがかかる。
振り返る余裕がないので、集中して後ろの気配を探る。

「いんぐりもんぐり いんぐりもんぐり いんぐりもんぐり」

何かの呪文のような声が聞こえてきて気になって仕方がない。
焦って足の運びか乱れそうになる。

確かこれは某有名選手が発する声だ。
気合が入ると自然と口から洩れるらしい。
さすがだ。
とてもこのままトップを維持できる気がしない。

私が優勝できるとすれば今日しかないだろう。私は精一杯足に力を込める。



いつの間にか場面は変わり、私は四条通りの歩道を疾走している。
私はアパレルの女子店員で、店にお客様をお待たせしているのだ。

手に持っているエメラルド色のパンツを早くお渡ししなければならない。
とても素敵な色で、その色の周りはまるでモノトーンのように霞んで見える。

少し離れた倉庫からお店に向かって走っている最中なのだけど、
パンプスというのかな?
この履物はランニングシューズと違ってとても走りにくい。

さっきまで履いていたランニングシューズ・・・
マラソンの記憶がかすかに頭をよぎるが、今はそれどころではない。
私は必死なのだ。

四条通りは人通りが多く、ジグザグに走るためなかなか前に進めない。
私は困ってしまい近道を探す。そうだ、百貨店の中を横切ってしまおう。

入口から飛び込んで、百貨店の廊下を風のように疾走する。
このエメラルド色のパンツを万引きして逃げているように思われないかな?
ふと心配になる。

突如、体が揺すられ転びそうになる。
何が起こったのか?ゆらゆらと揺れて、スピードが出せない。



と、そこで目が覚めました。
時計を見ると夜中の3時過ぎです。
まだ、お客様に品物を届けなければという気持ちがかすかに残っています。

ひょっとしてと思い、スマホで検索すると、数分前に震度3の地震が発生していました。
それで体を揺すられたのか。

「なんのこっちゃ」と思い、再び眠りにつきました。



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