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杉の皮でカゴ作り! その3「編み組み」 作り方付き

今回は、前回に加工したひごを使って、いよいよカゴを編んでいきます!

記事を書くに先立って、写真を撮りながらかごを完成させ、そこから具体的に記事にしていくのですが、いざ順を追って書き始めると、途中で間違いに気づいたりして、何度も作り直すことになりました。(´・ω・`) それでも、最後はなかなかの出来に仕上がりましたので、最後まで楽しんで見ていってください。

それから、ご興味のある方は、前回書きました「ひご作り」の記事もご覧になってみてください(´∀`* )

今回使う材料・道具

★材料
・前回作った杉のひご
・縄ないひも(カラムシの縄ないがおすすめ)

★道具
・とじ針
・洗濯ばさみ(たくさん)
・麻ひも or ビニールひも

「ヨコ材・タテ材・マキ材」の準備

はじめに、カゴ編みに必要なヨコ材・タテ材・マキ材を、ひごをカットして作ります。まずは自分が作りたいカゴのサイズを決めましょう。私はカゴの大きさを [ 縦幅 = 20cm、横幅 = 11cm、高さ = 7cm ] に設定しました。
それと、ひごの横幅も自分の好きな幅に決めます。太ければダイナミックに、細ければ繊細な感じになります。今回私は1.8cmにしました。まとめると以下のようなサイズになります。

カゴのサイズ
縦幅 = 20cm、横幅 = 11cm、高さ = 7cm
ひご
横幅 = 1.8cm、縦幅 = これからカットして決める

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次に、用意してあるひごから、必要本数分、縦幅を決めてカットすると、ヨコ材・タテ材・マキ材ができます。その際、先ほど決めたサイズに従って、「縦幅」「必要本数」を計算してカットします。

★ヨコ材・タテ材・マキ材の「縦幅」と「必要本数」の計算

タテ材
・縦幅 = (カゴの縦幅) + (カゴの高さ) × 4 + 4cm
・必要本数 = (カゴの横幅) ÷ (ひごの横幅)
ヨコ材
・縦幅 = (カゴの横幅) + (カゴの高さ) × 4 + 4cm
・必要本数 = (カゴの縦幅) ÷ (ひごの横幅)
マキ材
・縦幅 = (カゴの縦幅) × 2 + (カゴの横幅) × 2 + 4cm
・必要本数 = (カゴの高さ) ÷ (ひごの横幅)

私の場合は以下のような計算になりました。

カゴのサイズ:縦幅 = 20cm、横幅 = 11cm、高さ = 7cm
ひご横幅 = 1.8cm、なので

タテ材
・縦幅 = (20cm) + (7cm) × 4 + 4cm = 52cm
・必要本数 = (11cm) ÷ (1.8cm) ≒ 約6本
ヨコ材
・縦幅 = (11cm) + (7cm) × 4 + 4cm = 43cm
・必要本数 = (20cm) ÷ (1.8cm) = 約11本

ですが、ひごの厚みによって、出来上がるカゴのサイズがかなり異なる場合があります。うすく削れば削るほど、この計算に近くなりますが、私が作ったかごは、しっかりさせたかったので、かなりひごを厚くしました。そのため出来上がり寸法が20cm ×11cm × 7cmですが、

タテ材 : 縦幅 = 52cm、必要本数 = 5本
ヨコ材 : 縦幅 = 43cm、必要本数 = 7本
マキ材 : 縦幅 = 63cm、必要本数 = 3本

となりました。

ひごの厚さやカットの具合などで、必ずしもぴったりとはいきません。大体実際より大きめになります。ひごの長さが足りない時は、継ぎ足して作ることもできますが、なるべくゆとりをもって用意してください。

1. タテ材にヨコ材を組んでいく

まずヨコ材・タテ材を編み組んで、カゴ底の部分を作っていきます。

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ヨコ材を1本とって、それをタテ材の上下に互い違いに通していきます。2本目は、下の画像のように、交互が逆になるように通します。これを、先ほど決めたカゴの縦幅の長さになるまで、繰り返し通します。

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最後まで組み込みました。

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2. 底部をひもで固定する

底の部分が組めたら、底の周りをぐるっと、PPテープ等を使って、2本縄編み(ひごを2本のPPテープで挟み込むように鎖状にかけていくやり方)で、固定します。これをするのは立ち上げをやり安くするためです。
ちなみに山のワークショップでは、環境のことを考え、麻紐でやっていますが、今回はわかり易いようにPPテープを使いました。

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3. 脇部を立ち上げる

四方に余っているひごを立ち上げていきます。

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立ち上げたひごの根元の部分は、しっかりと折り目をつけておきます。

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4. マキ材で側面を組み込む 

立ち上げに折り目をつけたら、マキ材を側面のカゴの端から組み込んでいきます。組み込み方はこれまで同様、交互にマキ材を通すやり方です。注意することして、カゴの「底」と「側面」の両方でマキ材が交互になるように組み込んでください。

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マキ材を側面にぐるっと巻くと、マキ材の始めと終わりが重なるので、予め薄めに削いでおくと、厚みが出すぎず良いです↓

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途中洗濯バサミで留めながら、組み進めてください。カゴの角に来たらしっかりと折ってクセ付けし、また洗濯バサミで仮止めしてください。

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マキ材がカゴの周りを1周したら、カットします。カットする場所は、立ち上げたひごの後ろに来るようにします。すべて組み終わって乾燥してから、カッターで切った方が、誤差が出にくいです。

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2段目も1段目同様マキ材を通していきます。2段目も織物のように、1段目と互い違いになるように編み組んで行ってください。

3段目も同じように編み組みます。私はこれで終わりにしましたが、もっと高さを出したい時は、4段、5段と編んでください。

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3段目のひごを編み組んだら、立ち上げたひごを引っぱったり、組み込んだマキ材を下に押したりして形を整えます。

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5. 縁を折る

最後の段まで編み進んだら縁から飛び出たヒゴ折ります。カゴの外側に立ち上げたひごは外側に折り、カゴの内側に立ち上げたひごは内側に折ってください。

s11のコピー

折り目をしっかりつけたら、先端を一番下のひごの中に織り込みます。内側も同様にして織り込みます。

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これをぐるっと1周全部行います。これでしっかり固定されます。

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6. 飛び出たひごを調整する

最後に長めにカットして飛び出したひごや、引っ張って突き出たひごをカッターでカットして綺麗にします。

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この段階で完成にしてもOKです。

7. 縁をつける

でも最後にちょっと縁をつけると趣が出ます。縁は、上部を長いひごで挟みうちにし、紐でかがります。かがり紐は何でも良いのですが、今回はカラムシを細長く剥いだ皮を使いました。縄ないでもできます。いろいろな素材で縄ないをしてバリエーションを楽しむのもオススメです。縄ないのやり方は別記事で書いていますので、最後に貼り付けておきます。

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まずはマキ材と同じ長さのひごを2本用意します。もし、もうひごがない場合や、1本のひごの長さが足りない場合などは、短いひごを継ぎ足しても構いません。

用意したひごの一本を、カゴの縁の内側にぐるっと回して、洗濯バサミなどで固定します。このときひごの先端は、カゴの角に来るようにします。

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もう一本のひごはカゴの縁の外側にまきます。ただし、外側のひごは、カゴの角にひごの先端があると、手にひっかかったりしてちょっと危ないので、カゴの中腹あたりに先端が来るようにしましょう。ひごの先端と末端は、2cmぐらい重ねてカットします。

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縁を2本のひごで挟み込んだら、とじ針でかがります。挟みつけたひごの下からぐるぐると巻くようにかがっていきます。

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8. 乾燥させて完成

かがり終わったら、立ち上げ用に留めてあったPPテープをほどきます。全体の形を見て、整えて乾燥させます。私が作ったものは、このように真ん中が少し膨れてしまったので、紐で固定して乾燥させました。

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蓋も作りました

今回作ったカゴに、蓋をつけました。サイズは、蓋をつけたいカゴの縦プラス2cm、横プラス2cmです。今回のひごの幅が、1.8cmなので縦横それぞれ1本ずつ足しました。作り方はほぼ同じですが、違うところは、立ち上がりが3段から2段に変わったことと、立ち上げたひごの折り返しが、1段になったことです。立ち上がりが2段しかないため、1段目に差し込めません。そこで1段分だけ折り返して、折り返したところを、縁飾りで挟み込んでかがってしまいます。

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作ってみて

タロットカードとオラクルカード、タロットクロスを入れています。
カードは割と重いので、ひごを厚めに削って丈夫にし、持ち堪えられるようにしました。厚めにするとどうしても隙間ができるのですが、細かいものを入れるわけではないので、これで十分です。大きさもちょうと良く、前から携帯する時に、入れるケースが欲しかったので満足です♪

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蓋の部分は、ひごを全体的にもう少し薄くし、軽くしても良かったかもしれません。同じ厚さだといかつい感じがしました。蓋はそれほど頑丈でなくても大丈夫なので、今度はそうしてみたいと思います。また2段ではなく、3段まで作ってすっぽり覆っても面白いかもしれません。

最後に

振り返ってみると、樹皮のカゴは、結構長い道のりでした。その道のりにはたくさんの人の力がありました。現役きこりの元地主さん、サポーターのご友人、ボランティアで手伝いに来てくださった自然農会員の方、コーディネートしてくださった山の管理の方、かご編み指導の講師、そしてかご編みワークショップの仲間達、みなさんの力があってこその作品づくりでした。本当にありがとうございました!!

そしてこんなに長い記事をここまで観てくださったあなた、本当にありがとうございます。樹皮はまだ残っていますので、さらに作品をいくつか作っていきたいと思います!待っていてください♪

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