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【Vol.6】決裁者商談におけるポイント

来週から新しい職場です。
有休消化も残り1週間を切りました…社会復帰できるか少し不安です(震)


前回は、商談相手が決裁権を持っていない場合の追客やフォローについて紹介しました。


今回は、決裁者商談におけるポイントに関してまとめたいと思います。


リードタイム最短で受注するには

SMB・MMB企業との商談


自社が取り扱う商材や対峙する業界によって、受注までのプロセスやリードタイムは異なってくるかと思いますが

  • 決裁者と直接商談

  • 企業規模が小さい(ステイクホルダーが少ない、決裁ルートが短いため)

これらの場合は、商談ニーズアップが上手く進めば、それ以外のケースと比較し短いリードタイムで受注に繋げることが見込めます。

場合によっては、即決もあり得ます。


※Enterpriseの場合は決裁者との商談セッティング自体があまり現実的ではないため、今回はSMB、MMB企業との商談についてのお話です。

SMB …中小・スタートアップ企業(Small Market Business)
MMB…中小・中堅企業(Middle Market Business )
Enterprise…大企業
企業規模まとめ


決裁者商談を制する


必ずしも、決裁者=社長とは限りません。

先方の企業規模や自社が提案している商材、金額(年間コスト)により、役員決裁、事業部長決裁で完結する場合もあります。

前提として「今回の」商談・商材における適切な稟議フローの把握は欠かせません。

決裁者(社長、もしくは一定の権限を委ねられている重役)との商談を制するには、より入念な事前準備が肝です。


初訪で社長=決裁者と商談の場合

初訪の場合は決裁者商談=社長商談と定義します。
(社長以外が決裁権を持っているかどうかは、商談を実施しないと正確に掌握できないため)


商談事前準備は基本的に決裁者商談以外の時と同じですが、特に社長の経歴・インタビュー記事なども調べます。

以前別記事にて商談事前準備をまとめています。


社長の想い・ベクトル・何代目?

ホームページの代表メッセージ、企業理念など、一通り確認します。
上場企業の場合は決算情報も読み込みます。

最近は、企業規模問わずyoutubeで企業紹介動画を配信しているものも見かけるので、そちらの有無もチェック。

この「社長の発信内容」の着眼点は
売上拡大、粗利改善、経費削減、顧客満足度、品質向上、人材育成
 などに通ずるキーワードの有無です。

どのあたりに関心があるか、具体的な施策を打っているかのアテをつけ、
自社のproductが社長の考えるベクトルと同じか否か、の事前整理をします。

何代目の社長なのか、も重要です

・創業社長
・2代目・3代目社長
・サラリーマン社長
・親会社からの出向社長  …etc


加えて、現職に至るまでの経歴も。

・生え抜き・現場出身
・2代目・未経験
・異業種(金融など)出身  …etc

一言に「社長」といっても、想定されるタイプや課題、社員との人間関係が異なってきます。


投資対効果の妥当性に繋がる手がかり


「何ができるの?」「どんなふうに?」「で、いくら?」

決裁者商談=投資対効果の妥当性を初訪から求められる傾向
多い印象でした。

(一概には言えませんが)SaaSなどのproductは人件費と比較し投資対効果見込めるか検討頂くことも多いため、現在採用活動を行なっているかも確認ポイント。求人媒体への掲載有無や募集職種から確認します。



再訪で決裁者と商談する場合

「強力な推進者」との入念な打ち合わせ

前回記事の結びで「推進者」と「強力な推進者」の違いに関して軽く触れました。


「推進者」は上申してくださる人
「強力な推進者」は上申してネックが出ても絶対に諦めずに、何度でも社内説得を続けてくださる人、です。

社長が再訪以降に登場する場合は、しっかりとニーズアップし商談相手が「強力な推進者」になっていることが前提です。

共通のゴールを目指す状態になれば、そこからは「商談」ではなく「作戦会議」に変わるからです。

決裁者に関する下記の情報を自分で下調べして把握した内容に加えて、詳細をヒアリングします。


  • 社長の年齢(確認できる範囲で)

  • 社長の関心どころ(例:売上拡大、粗利改善、経費作戦、顧客満足度、品質向上、人材育成…など)

  • 社長がよく口にするキーワード

  • 今期のスローガン

  • 現役プレイヤーか(現場への関与度)

  • バックボーン(何の業務に携わってきたか)

  • システム導入に関して積極的か

  • 社長以外の意思決定におけるステイクホルダー有無

  • 上記ステイクホルダーの中で一番のキーマン(影響者)

  • お金をかける基準(積極投資、シビア)

  • 意思決定スピード

  • 社長商談後の意志決定の流れ

  • 所感回収の場設定や社内確認フロー、結論回収日

※分かりやすく「社長」と言う表現を用いていますが、決裁者が社長以外の場合も同様です



社長の関心どころや、社長がよく口にするキーワードなどは、咄嗟には回答が得られないかもしれません。

その場合は
「例えば、売上拡大、粗利改善、経費作戦、顧客満足度、品質向上、人材育成…などで言うといずれへの関心が強そうですか?」
(選択肢を提供)

「スローガンと言ってもなかなか出てこないですよね、すみません!例えば社内に掲示されている書初め(?)のような言葉ありますか?」
(言葉だけではなく、社内の視覚情報にヒントがないか)


このような感じで、ふわっと世間話のように質問します。

教えていただきたい項目が多いので、一問一答や尋問にならないように「一緒に社長を説得しましょう!」という共通ゴールを掲げながら、終始笑顔を絶やさないことを心掛けています。



「社長以外の意思決定におけるステイクホルダー有無」も重要です。

例えば、
・最終的な決裁権は社長にある(そして次回の場設定は完了)
・システム導入に消極的で慎重派
・ITツールへの苦手意識も高い
・社長には右腕の専務がいる(同年代)
・事業がまだ軌道に乗る前から二人三脚で頑張ってきて信頼している
・専務はシステム導入に好意的
・意思決定が早い

このような情報が得られた場合、次回の社長商談に専務も同席いただき、事前に専務に根回し頂くのも一つの策かもしれません。



本気で上申するのか、ただ判断を委ねているのか

では、商談相手が「強力な推進者」かどうかはどうやって見極めれば良いでしょうか。

答えはシンプルで率直に聞く、です!


「ここまでお打ち合わせを進めてくださり、次回は社長商談までセッティング頂きありがとうございます。
改めてにはなりますが、今◯◯さんの導入に向けた意欲は何%くらいですか?」

「◯◯さんの中で意志が固まっていて社長を説得したいのか、それとも◯◯さんの中でもまだ迷いはあり社長にも話を聞いてもらって検討していきたいのか、率直に教えていただきたいです」


このようにお聞きしていました。

その上で、あまりにも商談相手自体の懸念が大きそうであれば掘り下げ、社長商談の前に再度懸念払拭の場を挟むこともあります。



(1)代表のパーソナルな情報を調べる
(2)ミーテルのときに話していた内容を「予見整理」として1枚まとめる商談中にきをつけること
(1)代表はとにかく多忙!所要時間を冒頭で確認し、必ずその時間内におさめる
(2)オンボーディングの予定まで詰める(導入打合せ参加者・少なくとも社内説明会までの大枠時期)


商談当日の心掛け

時間厳守・端的・結論から

これはどんな相手にも共通ですが、決裁者商談においては特に意識していました。


所要時間を冒頭で確認し、必ずその時間内におさめる。

決裁者商談の場合は、結論ファーストのドライビングなタイプが多い印象でした。
(業界や企業規模により、この限りではありません)

相手がどんなにちょっと怖そうで言葉少なめ、もしくは「それで?」と言う早く結論!な雰囲気を醸し出しても、怖気付かない、良い意味で自分のペースを乱さないようにしていました(苦笑)


ヒアリングは、まず「何の話なのか」を伝えてから

予見整理のスライドを準備しておき、ゼロからのヒアリングにならないように。
まずは何の話なのか、を端的に伝えてからのヒアリング、です。


即決の落とし穴

申込で安心してはいけない


決裁者商談は、字の如く決裁権を持っている方との商談のため、即決になる可能性があります。

即決できそう!そんな時、どんなことが頭の中を駆け巡りますか?
実はSaaSにおいて、即決ほど要注意な受注はありません。


即決=意思決定早いというポジティブな側面もあれば
即決=気が変わりやすいという警戒すべき点も孕みます。


運用イメージがしっかりと詰めれていない場合は、申し込み後キャンセルやチャーンのリスクも。


極力「運用イメージをもってもらう」ために前職の建設Vertical SaaSにおいては個人的なBest受注プロセスを定めていました。

初訪から1週間以内に再訪、その場で運用もすりあわせて受注です。

これは決裁者(契約までに主に関与、意思決定する人)と運用推進者(契約後の運用において関与)が異なる場合があるからです。


【1】契約に関して
支払金額、支払サイト、支払方法(月払い・年払い)、プラン変更の可否、最低契約期間」な

【2】契約のプロセス
契約方法(書面・電子)、書面契約の場合原本返送が必要か否か、電子契約の場合は何のシステムか、メールの件名、送信元アドレス、有効期限など

【3】運用開始までのプロセス
FSとCSSの役割分担、運用開始までのプロセス、期間(目安)、次のステップ(導入打合せなどの)候補日、ほか運用までに必要な事務作業

失注するよりも、受注後のキャンセルの方がその対応に費やす時間も精神的ダメージも大きいです。

幸い、私は上記を徹底していたためこれまで受注後のキャンセルは1件もありませんでしたが、今後も受注をゴールとせずに、丁寧に対応していきたいと思います。



今回は、決裁者商談におけるポイントに関して紹介しました。

次回は気分転換(?)で、ビジネスから少し離れて珍しく育児について発信しようと思います。
(育児といっても、全くほんわかしていないです)


ここまで長文に目を通していただき、ありがとうございました。
また覗いていただけると嬉しいです。


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